老人ホームの食事ってなにが出てくるの？献立を紹介します！

高齢化社会がますます進む日本社会では、老人ホームへの入居者の数も年々増え続けています。どの老人ホームにするのかを相談するときに、一番こだわりたいこと、それは食事ではないでしょうか？

一日三度の楽しみとも言える食事、だからこそ老人ホームでの食事にはこだわりたいところです。多様化する高齢者の老人ホームでの食事にまつわる事情、メニュー、カロリー、献立、料金などに焦点を当てて詳しく説明していきます。

老人ホームとは？
老人ホームで出てくる食事って何がある？
老人ホームでの食事あたりのカロリーは？
気になる?!老人ホームの食事代はどうなっているの？
老人ホームでの食事の時間は何時？
老人ホームに入居する前には何をするか？
「老人ホームの食事ってなにが出てくるの？献立を紹介します！」まとめ

老人ホームとは？

老人ホームとは一般的に、要介護の認定を受けておりかつ、自立した生活が難しい高齢者が入所する施設をさします。

民間運営か行政運営かによって呼び方がことなり、民間が運営する場合「有料老人ホーム」、行政運営の場合には「老人福祉施設」と呼ばれることが一般的です。

介護度や認知症の受け入れ、介護・医療サービスの違い、入居期間などから様々な種類があります。以下老人ホームの種類を公共と民間に分けて詳しく表にまとめていますので、ご覧ください。

	施設の種類	詳細	要介護度	認知症の受け入れ	入居までの待機時間	費用
老人福祉施設(公共)	特別養護老人ホーム	・排泄、食事、入浴介助・リハビリなど介護サービス・看取りまで総合的な介護サービス	3-5	あり	長い	1ヵ月10-15万
	介護老人保健施設（老健）	・入居期間3-6ヵ月・在宅復帰を目指す・排泄、食事、入浴介助・リハビリなど介護サービス	1-5	あり	長い	1ヵ月8-11万
	老人デイサービスセンター	・日帰り、通所・排泄、食事、入浴介助・リハビリなど介護サービス	自立-3程度	あり	自治体による	数100円-数1,000円（時間と介護度による）
	軽費老人ホーム	・食事提供は任意（食事提供ありA型、なしB型）・基本的に自立した生活が可能な人が対象。	自立-3程度	あり（軽度）	自治体による	1ヶ月10-20万円
	老人短期入所施設	・居宅で介護が一時的に受けられない場合短期間入所する施設。・排泄、食事、入浴介助・リハビリなど介護サービス	自立-3程度	あり	自治体による	1日 2,000円-3,000円
有料老人ホーム	介護付き有料老人ホーム	・排泄、食事、入浴介助・リハビリなど介護サービス・看取りまで総合的な介護サービス・自立から要支援、要介護まで様々な介護レベルの入居者がいる	自立-5	あり	比較的短い	十数万-数十万（+初期費用）
	住宅型有料老人ホーム	・基本的には自立-要支援程度の入居者が対象。・食事サービス、清掃、選択などの支援サービス・排泄、食事、入浴介助	自立-5	あり(軽度)	比較的短い	十数万-数十万（+初期費用グループホーム
	グループホーム	・要支援2以上で原則・5～9人を1ユニットとする少人数制・専門スタッフが介護サービス、機能訓練等を提供する・料理や掃除などの家事を分担し共同生活を送る	要支援2-要介護5	あり	比較的短い	十数万-数十万（+初期費用）

民間と行政の老人ホームでは、受け入れる入居者の条件や介護・医療サービスの充実度の違い、また介護にかかる費用で大きく違いがあります。一般的に有料老人ホーム（民間）施設は管理人による見守りサービスが充実しています。

施設によってはホーム内にお食事処や理・美容室や売店などが設置されていることもあります。民間の老人ホームでは日々の食事がバイキング制であったりメニューを自分で選べたりするところもあるため、行政の施設よりもサービスが充実しています。

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老人ホームで出てくる食事って何がある？

老人ホームのご飯といえば「おいしくない」、「メニューが代わり映えしない」、「好きなものが食べられない」などの評判をよくききます。

どこの老人ホームでも食事に対する改善の要望が強く、最近では特に力を入れているホームが多くなってきました。

施設内に調理室を設けて温かい食事が配色される場合と、外部の給食センターに外注し、時間に合わせて届けられる場合があります。

特に食事にこだわりがある場合には、一度下見の時に食事を実際に食べてみたり、給食の様子を見学するとよいでしょう。

公共老人ホームの食事と献立

公共老人ホームでは一般的に、食堂で決まった時間に給食されます。おやつを含めて1日3-4食提供されます。自立型のグループホームなどでない限り、自分で自炊することはなく施設が食事を調理・提供・食事の介助をしてくれますので安心です。

施設によって食事への力の入れ具合、献立の豊富さ、介助の方法は異なります。

食事は入居者の嚥下（えんげ）状態に合わせた柔らかさ（きざみ、ソフト、ミキサー）で提供されます。入居者の状態に合わせて、食事介助もしてくれます。

公共老人ホーム献立一例

利用者が一斉に同じ献立を食べるというのが、公共老人ホームの基本的な食事のシステムです。そのため、現状としては公共老人ホームでは予算や人員の関係上個人の好き嫌いにはあまり対応していません。

しかし、その中でも利用者の要望にできるだけこたえようと努力している施設は、日々利用者を満足させるための多彩な献立が毎日考えられています。施設によっては洋食和食を自分で選べたり、利用者の好みや体調に合わせた食事がとれるところもあるようです。

<朝食献立例>
洋風	コッペパン、スクランブルエッグ、フルーツヨーグルト、牛乳
和風	ごはん、焼サケ、お味噌汁、切り干し大根の炒め煮、お漬物、お茶
<昼食献立例>
昼食1	ごはん、豚の角煮、もやしのナムル、カニの中華風スープ、フルーツ
昼食2	焼きそば、いかしゅうまい、肉団子のスープ、フルーツヨーグルト
昼食3	菜めしおにぎり、かやくうどん、春菊のおかか和え、コーヒーゼリー
<おやつ>＊おやつは週2回
おやつ1	どら焼き、お茶・コーヒー・紅茶
おやつ２	スイートポテト、牛乳
おやつ3	エクレア、お茶・コーヒー・紅茶
<夕食献立例>
夕食1	麦ごはん、サバの味噌煮、なます和え、すまし汁、お漬物（しば漬け）
夕食2	菜の花の炊き込みご飯（4月）、白身魚の卸に、ジャガイモのカレー炒め、春ウドのすまし汁、お漬物（奈良漬け）
夕食3	麦ごはん、エビフライ、ナポリタン、カボチャのポタージュ、お漬物（野沢菜）

公共老人ホーム行事食

老人ホームでは日々の食事に加え、季節の行事に合わせて利用者を楽しませる「行事食・イベント食」を出してくれるところも多くあります。

同じところで旅行にもいかず生活しなければいけない利用者にとって、季節や節句を感じられる行事食は一番の楽しみでもあるようです。施設によっては夏の屋台を読んだり、お弁当を外注したりする場合もあるようです。

＜行事食一例＞

4月	お花見弁当
5月	ちらし寿司
6月	冷やし中華
7月	土用の丑の日うなぎ丼
８月	流しそうめん
9月	幕の内弁当とお彼岸のおはぎ
10月	栗ごはんと行楽弁当
12月	餅つき大会とクリスマス膳（チキンやケーキ
1月	おせち、七草粥
2月	節分の恵方巻
3月	ひな祭りお寿司

公共老人ホーム療養食

老人ホームの入居者の中には、持病や疾病を抱えた方も少なくありません。その利用者専用の療養食も用意されています。この場合、食事は治療の一環となりますので、お医者さんからの「食事箋」をもらいホームと相談して献立を考えてもらいます。

例：糖尿病食、腎臓病食、肝臓病食、胃潰瘍食、貧血食、膵臓病食、脂質異常性食、痛風食

民間有料老人ホームの食事

民間の有料老人ホームと公共の老人ホームでは食事に大きな差があるところが多いといいます。余計にお金を払う分、入居者の食へのこだわりも強いものがあるのです。

民間有料老人ホームでは入居者の要望や要求をできるだけ受け入れて還元するというサービス精神が高いのです。行政運営の老人ホームの食事が嫌で、有料老人ホームに決めたという入居者も少なくありません。

公共の老人ホームの食事同様、食事は入居者の嚥下（えんげ）状態に合わせた柔らかさ（きざみ、ソフト、ミキサー）で提供されますが大きな違いは以下のようなものがあります。

献立の豊富さと味のおいしさ、毎食の豪華さが違う
メニューが自分の気分で選べる
盛り付けや器など見た目にも気を配っている
おやつ・ティータイムは毎日ある
行事食ではケータリング、外注など利用者の要望を受け入れてくれる

費用をできるだけ抑えたい公共の老人ホームの食事とは異なり、入居者の好みに合わせてくれるところが有料老人ホームのメリットです。おやつの時間は毎日あるところがほとんどで、飲み物なども自由に選べたり自分の好きなものが食べられるところも多いようです。

民間有料老人ホーム献立一例

有料老人ホームでは、多くの施設で食事のメニューの選択ができるようです。以下は一例ですが、公的な老人ホームよりもメニューが豊富で、おかずの種類も多いようです。

<朝食献立例>
洋風	はちみつジャムパン、エビのサラダ、カレースープ、フルーツ、牛乳
和風	ごはん、味噌汁、エビと菜の花の炒め物、カリフラワーのゆかり和え、お漬物、牛乳
<昼食献立例>
昼食1	チャーハン、五目スープ、シュウマイ、バンバンジー、フルーツ
昼食2	ごはん、味噌汁、エビと菜の花の炒め物、カリフラワーのゆかり和え、お漬物、牛乳
昼食3	醤油ラーメン、水餃子、中華風三色和え、フルーツ
<おやつ>
おやつ1	はちみつレモン蒸しパン、お茶・コーヒー・紅茶・ジュースなど選択
おやつ2	はちみつレモン蒸しパン、お茶・コーヒー・紅茶・ジュースなど選択
おやつ3	チョコブッセ、お茶・コーヒー・紅茶・ジュースなど選択
<夕食献立例>
夕食1	ごはん、味噌汁、牛肉アスパラ炒め、セリのおひたし、フルーツ
夕食2	ねぎとろ丼、味噌汁、卵豆腐、きんぴらごぼう、フルーツ
夕食3	ごはん、メカジキの照り焼き、ほうれん草と油揚げのひたし、シラスと株の酢の物、味噌汁

民間有料老人ホーム行事食

民間有料老人ホームでは行事食にも非常にこだわっている施設があります。

例えば、施設に厨房を併設している場合、予約をして追加で費用を払えば自分の好きなものを作ってもらえたり、歩ける利用者であれば外食ができたり、献立と違う内容にしてもらったりとわがままも聞いてもらえます。

また、季節のお弁当でも、お寿司やさんが出張してお寿司を握ってくれたり、美しいお重に盛り付けられた幕の内弁当、文化の日には様々なおかずが何10種類も用意されたバイキング形式での給食など入居者を喜ばせる行事食がたくさんあります。

老人ホームでの食事あたりのカロリーは？

老人ホームに入る時、食事で気になるのは献立だけではなくカロリーも気になりますよね。

多くの施設では栄養士が献立を考え、高齢者にふさわしい栄養が摂取できるよう考えられています。

毎月献立表を出してくれる施設ではそこに栄養表示がされていることもありますので一度参考にしてみましょう。

療養食でない限り、朝食で約500kcal、昼食で500kcal、夕食で500kcal、おやつに100-150kcalが多くの施設で目安となっているようです。

利用者の家族が差し入れでもってきたおやつや果物はここでは計算されません。

糖尿病やその他疾病を持つ利用者の場合には、医師からの食事箋に基づいて献立が考えられますし、その際にも一日に必要とされるカロリー、栄養分は充分考慮された食事が出されます。

ただ、施設によっては担当の栄養士、調理員によって味や献立にばらつきがあります。

極端に薄い味付けにする栄養士もいれば、入居者のQOL（クオリティ・オブ・ライフ【生活の質】）を重視し、おいしいと思える味付けにこだわる栄養士、調理員もいます。老人ホームの食事にこだわりたい場合は、ぜひとも一度試食をしてみましょう。

気になる?!老人ホームの食事代はどうなっているの？

基本的に老人ホームでの食事代は月々の利用料に含まれています。食費を別で支払うということはあまりないでしょう。有料老人ホームでは食堂やレストランタイプなど施設の内容によって食事代も変化します。

食べ物の形がある普通の食事やソフト食、えんげが困難な利用者用のきざみ食、ミキサー食などの種類やどのようなメニューを選んだのかによっても食事代が変わります。

月単位では十数万円-数十万円の月利用料のうち、5-7万円が食費の相場だといわれています。一方、公共老人ホームでは、約13-15万円の利用料のうち4-5万円が食費として割り当てられています。

もちろん、施設で提供される食事やおやつだけでは物足りな利用者は月の利用料以外で別途おやつを個人的に購入したり、家族にもってきてもらったりすることができます。

老人ホームでの食事の時間は何時？

老人ホームでは基本的に朝・昼・おやつ・夕食が提供されます。その配食の時間帯は施設によって様々ですが、一般的には朝食は7：30-8：30、昼食は12:00-13:00、おやつが15：00、夕食が17：30-18：30となっているようです。

外に働きに出たり、毎日仕事があるわけではない老人ホームの入居者にとって食事が1日の生活リズムを整える柱となりますので、どの施設においても食事の時間は一定となっています。

有料老人ホームでは、利用者の要望に応じ3食とおやつ以外の時間にも食べたいものを調理してくれたり、談話室にお菓子がおいてあったり、また売店があったりするので、時間を気にせず自由に食べ物を食べられるようです。

老人ホームに入居する前には何をするか？

老人ホーム入居する際にはいくつかの準備があります。

高齢になってからの引っ越しは心身ともに大きな負担になります。元気なうちから自分の入居したい老人ホームを探すなど準備を始めたほうがよいでしょう。

費用の準備

公共の老人ホームに入る場合は入居一時金は必要ありません。しかし、有料老人ホームの場合は数千万円から数億円に上る入居一時金の準備が必要です。資金は早めに準備をしておく必要があります。

それまで住んでいた住居の処分をどうするかということも大きな問題になります。

これを機会に現金としての資産だけではなく、有価証券や動産、不動の整理も行うことをおすすめします。

これら資産の管理については、専門的な知識を持つファイナンシャルアドバイザーに相談すると良いでしょう。

金銭的な問題をクリアし、今後の収入と支出のバランスを明確にしておくことが大切です。

生前整理

引っ越しを行う前に家財の整理と不用品の処分を行いましょう。

これは生前整理と呼ばれ、家の中の不用品を処分することでこれからの生活をより便利に、健康的にしていくための重要なプロセスです。

生前整理を行うことで、老人ホームでの新しい暮らしがより快適なものになるだけではなく、介助や介護が必要になったときにヘルパーを依頼する場合にも、介助する側、される側がストレスなく生活することができます。

生前整理を自分で行う場合

生前整理は時間的・体力的に大きな負担になります。

高齢者のみで行わず、子供世代、孫世代の助けを借りることをおすすめします。

高齢者が生前整理を行う場合に一番障害になるのが高齢者特有の「もったいない精神」です。

今は使っていなくても、まだ使えるものは取っておきたい気持ちがあると思いますが、ここではまず、その「もったいない精神」を捨てて、「今使うもの」以外は思い切って処分してしまいましょう。

老人ホームに入居した後、処分したものが必要になる場合も考えられますが、その時は新しい住まいに合わせて新しい物を購入すればいい、と割り切って考えることをおすすめします。

こうして生前整理を行った結果、出た不用品は自治体のルールに則って処分するようにしましょう。

生前整理を生前整理業者に依頼する場合とその注意点

生前整理を行いたいけれど、人手や時間が確保できない、または住まいが広すぎたり、不用品が多すぎてどこから手を出していいかわからないといった場合には、生前整理業者に作業を依頼することをおすすめします。

生前整理業者は、まず住まいの中から通帳や印鑑、有価証券や貴金属などの貴重品をピックアップしてくれます。

その後、家財の中から不用品を取り分けて処分してくれます。

古新聞や段ボールなど明らかな「ゴミ」は業者が処分してくれますが、家具や衣類、食器や調理器具などの仕分けは本人立会いの下で行えばトラブルを避けることができます。

生前整理業者によっては、古物商の許可を持っている業者もいるので、不用品の中から値段が付くものがあれば買取を行ってくれます。その買取分は、作業料から差し引いてくれるので、お得に生前整理を行うことができる場合もあります。

そのほかにも業者によっては、女性スタッフの派遣や生前整理後の住居の清掃などさまざまなサービスをオプションとして選ぶことができることもあります。自分がどのような形で生前整理を行いたいかを明確にし、ニーズを確実に満たしてくれる業者を選ぶようにしましょう。

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全国に生前整理業者は9,000社以上あると言われています。その中には相場とかけ離れた価格を要求してくるなどの悪質な業者がいます。

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引っ越し

資金の準備、生前整理が終わったら、いよいよ入居です。

こちらも近年では業者に依頼するケースが多くなってきているので、数社に見積もりを依頼してから引っ越し業務を依頼する業者を決定しましょう。