隠れゴミ屋敷の原因とは

近年、社会問題として大きく取り上げられることの多いゴミ屋敷ですが、実は「隠れゴミ屋敷」も潜んでいるってご存じですか？

ゴミ屋敷は、外観から見てすぐに判断できますが、隠れゴミ屋敷は、外から分かりにくいので周りの人も気付きにくく対策が遅れることも多いものです。

ここでは、隠れゴミ屋敷について詳しく解説しています。まずは、隠れゴミ屋敷問題について正しく知ることで、解決へとつなげていきましょう。

隠れゴミ屋敷とは？

隠れゴミ屋敷とは、外から一見してゴミ屋敷と分からないような、普通の家となんら違和感のないような家のことです。

しかし一歩部屋の中に入ると、そこはゴミ屋敷と変わりません。

散乱したペットボトルや雑誌、プラスチックゴミ、生ゴミなどがそのままにされ、ひどい悪臭を放っていたり害虫が多くいたりするような状態です。

隠れゴミ屋敷になってしまう原因

隠れゴミ屋敷になってしまう原因は、一概に片付けが苦手だからという理由だけではありません。さまざまな原因が複雑に絡み合っていることも少なくないのです。

隠れゴミ屋敷を招く環境的要因

隠れゴミ屋敷になってしまう原因の一つに、近年の環境の変化が挙げられます。

単身世帯の増加

ゴミ分別の複雑化

夜間労働者の増加

コンビニ食材の大量消費

ひとり暮らしの場合、忙しい日が続くとゴミ出しを後回しにしてしまうこともよくありますよね。ゴミの分別方法が複雑な自治体も多く、つい面倒になりゴミを溜め込んでしまうことも多くなりがちです。

勤務時間が夜なのでゴミ出しの時間帯に間に合わない、手軽なコンビニ弁当などはゴミが大量に出るなど、近年私たちをとりまく環境は隠れゴミ屋敷を招きやすいものとなっています。

隠れゴミ屋敷を招く個人的要因

私たちをとりまく環境に加えて、何らかの原因を住人が抱えていることで隠れゴミ屋敷になってしまう可能性は高くなります。

隠れゴミ屋敷に住む人が抱えていることの多い原因を以下に挙げてみましょう。

精神疾患

精神疾患により片付けることが難しくなり、隠れゴミ屋敷を招いてしまうことも少なくないようです。

うつや統合失調症、認知症などの疾患により、片付けや整理整頓が困難になることもあります。

セルフネグレクトでは、食べることや自分の健康状態などにまったく関心がなくなり、片付けや整理整頓などもできなくなってしまい、隠れゴミ屋敷を導いてしまうこともあります。

また、強迫性貯蔵症（ホーディング）と呼ばれる疾患では、通常ならば必要のないモノも大量に収集してしまい捨てられなくなってしまいます。

強いストレス

身近な人の死や離婚など、強いストレスを受けて心が不安定なときも隠れゴミ屋敷を招きやすい状態です。

何をする気力も起こらなくなり、ゴミを捨てることすら面倒になったり、寂しさや孤独感などの心の隙間をゴミで埋めていたりすることで隠れゴミ屋敷となってしまうことも多いようです。

ADHD

ADHD（注意欠陥・多動性障害）と呼ばれる発達障害のため片付けることが苦手で、隠れゴミ屋敷になってしまうこともあります。

ADHDは先天的な障害で、ADHDでない人に比べて注意力や集中力が長続きせず散漫になってしまいます。そのため片付けや整理整頓が苦手なことが多く、隠れゴミ屋敷を招いてしまうのです。

最近では、子どものADHDに早く気づいて対応できる社会になってきました。

同時に大人のADHDも、しばしば問題として取り上げられるようになっています。大人であっても適切な治療を受けることで改善できるので、もしかしてと思う場合には病院を受診してみましょう。

経済的に困窮

経済的に困窮し、毎日の生活がギリギリの場合にも隠れゴミ屋敷となってしまう場合があります。

何らかの理由で働くことが難しく貧困状態にある場合、使えそうなモノを拾い溜め込んだり、身の回りの衛生状態まで気を配る余裕がなかったりするため隠れゴミ屋敷の住人になってしまうことが多いのです。

高齢者

高齢者であるから、隠れゴミ屋敷を招いてしまうというわけではありません。

しかし高齢になると体力が低下し、身体の関節などが痛みむことで、それまで難なくできていたゴミ出しがハードルの高いものになってしまいます。

またゴミの分別方法が複雑で思うように分別できずにそのまま放っておいてしまい、隠れゴミ屋敷化してしまうこともあるようです。

その他に認知症にかかりやすいことも、隠れゴミ屋敷となってしまう要因のひとつだと言えます。

関連記事：ゴミ屋敷になる原因について詳しく知りたい方はこちら
「ゴミ屋敷は病気が原因？」

隠れゴミ屋敷にならないために

隠れゴミ屋敷にならないためにはどうしたらいいのでしょうか？

自分の家は隠れゴミ屋敷には絶対ならないと思っていても、ゴミが捨てられなくなりモノを溜め込んでしまうことは、上に挙げたようになんらかのきっかけがあるのです。

隠れゴミ屋敷に住む人でなくても、仕事や家事、育児に追われるような生活が続いたり、強く落ち込んだりすると、部屋の片付けどころではなくなってしまいますよね？

そのような状態が長期間にわたると、隠れゴミ屋敷になってしまうことはそんなに難しいことではないのです。

つまりどのような人間であっても、隠れゴミ屋敷の住人になってしまう可能性があることを意識することが大切です。

隠れゴミ屋敷になってしまったら？

自分や身近な人の家が隠れゴミ屋敷になってしまったらどうしたらいいのでしょうか？

何よりもまずは、ゴミや不用品を捨ててしまい片付けてしまいましょう。隠れゴミ屋敷は不衛生なことが多いため健康被害の可能性や、大量のモノが何かのきっかけで火災やボヤ騒ぎを起こすことにもなりかねません。

隠れゴミ屋敷は自分で片付けられる？

簡単ではありませんが、隠れゴミ屋敷を自分で片付けることもできます。

その場合、1人では無理なので何人かに手伝ってくれるよう依頼しましょう。数日かけて片付けていきます。

作業するときに大切なのは、本当に必要なモノ以外はすべて捨てるくらいの意気込みで片付けていくということです。

つまり自分で隠れゴミ屋敷を片付けるということは、大きな覚悟と体力、気力が必要です。

関連記事：ゴミ屋敷の片付け方について詳しく知りたい方はこちら
「ゴミ屋敷の片付けと清掃方法は？」

隠れゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する

やはり自分で隠れゴミ屋敷を片付けるのは難しい、という場合には業者に依頼するのがよいでしょう。

費用は発生しますが、隠れゴミ屋敷問題は業者に依頼するのがもっとも効率的な方法です。自分で片付けようとしたものの、途中で挫折してしまったなんてこともよくある話です。

信頼できる業者を選ぶコツは、現場を見た上できちんとした見積もりを提出してくれることと料金体系を公開していることです。

また、業者によっては女性だけのスタッフが対応してくれたり、隠れゴミ屋敷であることを周りに気づかれないように片付けてくれたりする場合もあります。

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