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投稿日:2017年06月30日 更新日:2021年03月30日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
介護施設への入居をはじめて検討するとき、入居条件や費用などがまっさきに気になると思います。
介護施設とひとまとめにされていますが、施設には特養のような公的施設と有料老人ホームのような民間施設があり、介護サービスの内容にもそれぞれ特徴があります。
当然のことながら、公的施設には厳格な基準が設けられているため、民間施設のほうが入居しやすいというメリットがありますが、費用はそれなりにかかります。
そのためか、民間施設では、費用面でのトラブルが発生しやすいというデメリットがあります。
独立行政法人国民生活センターが、2017年4月28日に更新した有料老人ホームに関する相談内容では、保証金や解約時の返金トラブルが多いことがわかっています。
一方の公的施設は、入居目的に応じて3種類に分けられており、それぞれに入居条件が異なっています。
ここでは、公的な介護施設の紹介を行うとともに、介護サービスを行う民間施設と費用や条件などを比較していきます。あわせて、介護施設に入居する際の注意事項など、入居後のトラブル回避のためにすべきことを説明します。
はじめに公的な介護施設について説明します。公的な介護施設は、要介護認定を受けた人が入居対象者となっています。
介護保険施設には、介護施設の「特別養護老人ホーム(特養)」、リハビリのための「介護老人保健施設(老健)」、長期入院と療養のための「介護療養型医療施設」の3種類があります。
介護保険施設とは、介護保険サービスで利用できる公的施設のことです。
いずれの施設も、要介護の認定を受けた人が対象となっています。
施設の種別 | 特別養護老人ホーム(特養) | 介護老人保健施設(老健) | 介護療養型医療施設 |
施設の目的 | 介護 | リハビリ | 医療ケア |
入所対象者 | 要介護3以上 | 65歳以上の要介護度1以上の高齢者 | 医療措置が必要で、要介護度が高い人 |
サービス内容 | 介護サービス | 医療的ケアと介護サービス | 医師による診療、療養上の医療的ケア、機能訓練、介護サービス |
入所時の費用 | 不要 | 不要 | 不要 |
月額費用 | 旧型(4人部屋)5~16万円程度 新型(ユニット型個室)18~22万円程度 | 従来型多床室6~16万円程度(低収入の人には軽減措置あり) | 従来型多床室7〜17万円程度(低収入の人には軽減措置あり) |
入所可能期間 | 臨終まで可能 | 原則3ヶ月 | 期限の定めなし |
2017年3月に発表された厚生労働省の報告によると、都市部を中心に全国で37万人近くが特別養護老人ホームの「入居待ち」をしている状態です。
特別養護老人ホームは全国に7500以上あり、入居可能者数は約52万人。100人未満の定員の施設が多く、もっとも多いのが60人以下の施設です。
都市部では入居できない人も多いのですが、地方では定員に満たない施設も少なくありません。
そのため入居を早めるためには、希望以外の市町村はもちろん、県をまたいで施設の検討を行うなど、柔軟な姿勢が求められます。
特別養護老人ホームは「終の棲家」として人生の最期まで面倒を見てもらえる施設ですが、満員の場合にはなかなか入居できないことが知られています。その一因が「終の棲家」であること。
一度入れば、最期の看取りまでしてくれるのが特別養護老人ホームです。入居者が亡くなったり、なにかの理由で退所しない限り、新規の入居者を受け入れることができません。
そのため、ひとりの入居希望者が複数の介護施設に申し込みを行うのが普通のことになっています。
このような事情もあり、一般的には、平均して1施設当たり200人が待機、順番が回ってくるまで2~3年はかかるといわれています。
しかし、施設の定員数を下回る申込者数の都道府県もありますから、地域によって事情は大きく異なっていると考えたほうが良いです。
特別養護老人ホームへは、希望したからといって入居できるわけではありません。
しかも申し込みの順番で入居できるわけでもないので、待っていればいつかは入居できると考えるのは早計です。
特別養護老人ホームでは、施設長やケアマネージャーなどが、複合的な見地から利用者を選びます。つまり、施設関係者による審査があるのです。
そのために申し込み順ではなく、希望者それぞれの介護の必要度や環境などが加味されて入居の可能性を判断されることになります。
入居条件は、介護保険法などによって次のように定められています。
特定疾病とは、末期がんや関節リウマチ、ALS、パーキンソン病など、要介護(要支援)状態が、老化に起因する疾病による場合をいいます。
特例とは、介護度が低くても、家族の負担が大きい場合や独居の場合などについては入居を認めるものです。
介護保険における要介護・要支援というのは、身体的な障害を持つ方が対象であり、認知症や知的障害・精神障害などは原則として含まれていないことから、このような特例が存在します。
特例入所の条件としては、日常生活が困難な状態にある認知症や知的障害・精神障害があげられるほか、虐待を受けるなどして心身の安全が守られていない場合など、必要とされる介護サービスを受けられる環境にない人となっています。
しかし、このような介護度が低い方は、これまでは介護施設独自の判断で入居を拒否されることが多かったため、特例入居には不満を持つ方が少なくありませんでした。
そこで厚生労働省は、2017年3月に特例入所の基本的なルールを定めた「留意事項」を改正しました。
その結果、特例に該当すると家族や本人が主張している場合には、介護施設の独断で拒否せずに、まずは審査の対象とすることになりました。
一般的に審査では、つぎのような項目が重視される基準として定められています。
なお、特別養護老人ホームは、生活保護を受給している方でも入居は可能です。
医療費などは年金や公的扶助によって充当可能ですので、金銭的な負担が不安な方でもケアマネージャーなどに相談してみてはいかがでしょうか。
入居を希望してもなかなか入ることができない特別養護老人ホーム。しかし、家族の負担を考えたとき、いつ入居できるかわからないまま待つことは精神的・肉体的にも負担がかかります。
では、入居を待っている間、どうしたらよいのでしょうか。
入居を希望している特別養護老人ホームの短期生活入所介護(ショートステイ)を利用することをおすすめします。
ショートステイでは在宅介護も必要となりますが、施設に馴染むためにも良い方法とされています。
また、入居前に介護施設のことを知ることができるので、複数の介護施設に申し込みをしている場合には、順番にショートステイを利用することで、自分に合った施設を選ぶことも可能となるでしょう。
介護老人保健施設(老健)は、在宅介護が不可能な高齢者向けの施設です。
心身のリハビリを行うことが目的ですが、日常生活の介護や付き添いも行っています。ただし、原則として3ヶ月で退所しなければなりません。
入居一時金がなく、比較的安価な介護付き有料老人ホームで待機するという選択もあります。
ただしベッドや寝具、収納家具などは自費となりますから、後で特別養護老人ホームへ入居する予定がある場合には、購入するよりもレンタルしたほうが良いでしょう。特別養護老人ホームでは、家具などは備え付けられているためです。
プライバシーが確保された「ユニット型特養」を狙ってみてはいかがでしょうか。大部屋型の旧来の施設にくらべて月額費用が高いため、空室の可能性が高いためです。
しかも入居金が必要がないため、民間の有料老人ホームと比べ、費用はかかりません。
多くの特別養護老人ホームは、社会福祉法人や病院が運営しています。同じ系列の病院を利用すれば、在宅時の介護状況が伝わりやすくなります。
入居の審査で有利になる可能性もあるので、通院の際に、介護がいかに困難であるかを訴えてみるのも良いでしょう。
新設の場合、一度に多くの入居者を募集するため入りやすいという事情があります。
また、あくまでも推測の域を出ませんが、介護度の高い入居者を優先してしまうと介護士などの人手が足りなくなってしまうため、職員の都合を考えた入居者選定になりやすいといわれています。
つまり、介護度が低くても受け入れてもらいやすいということになります。
新設の特別養護老人ホームの情報は、介護士やケアマネージャーなどの募集情報などを調べることでわかることがあります。または、担当のケアマネージャーにたずねてみるのも良いでしょう。
一般に、都市部は入居待ちが多く入りにくいというのは事実ですが、意外な都道府県が入りやすいということもあります。
厚生労働省が発表している資料から計算すると、特別養護老人ホームの定員に対して申込者数が少ない都道府県は、富山県、愛媛県、大阪府、長野県、愛知県などがあります。
逆に申込者数が多く待機者数が多いのは、宮城県、山梨県、広島県、岐阜県、滋賀県などがあげられます。
全国平均は1.1倍で待機者数が定員を上回っていることになりますが、実際には定員割れしている都道府県が17府県ありますので、視点を変えてみることも大切です。
最近では、国土交通省が推進する「サービス付き高齢者向け住宅」なども登場してきており、公的な介護施設や介護付きの有料老人ホーム以外の選択肢も増えてきています。
公的な介護施設では要介護認定が必須のうえに、介護度が低いと入居できないことが多いため、介護付きの有料老人ホームなどの民間施設を検討することも必要ではないでしょうか。
特別養護老人ホーム | 介護付き有料老人ホーム | サービス付き高齢者向け住宅 | |
形態 | 介護保険サービスで利用できる公的な施設であり、老人福祉法に基づく居住施設 | 介護保険法に基づいた介護施設 | バリアフリー対応の賃貸住宅 |
入居金 | 不要 | 0~1億円以上 | 敷金のみとする場合が多い |
月額費用 | 18~22万円程度(ユニット型個室) | 12~35万円 | 5~25万円 |
介護度 | 要介護3以上の65歳以上と限定されている。 | 要介護者3人に対してケアスタッフ1人以上の職員を配置。 | 施設規定による。介護が必要になった場合には訪問介護などの在宅サービスを利用する。 |
介護付き有料老人ホームでは、65歳以上で要介護1~5の方でも入居可能です。
認知症や寝たきりにも対応している場合が多いので、すぐにも入居させたいという場合には検討する価値があります。
サービス付き高齢者住宅は、単身でも夫婦でも入居ができます。
60歳以上を対象としており、要介護者や要支援者も入居可能です。介護が主目的ではないバリアフリー住宅ではありますが、介護サービスを行っている場合もあるため、施設運営を行っている法人に相談することをおすすめします。
有料老人ホームで多いのが金銭に関するトラブルです。
数日から数カ月で退所したにもかかわらず、高額な入居金の返金がない場合が多いためです。
また入居前に契約解除を申し入れても入居金が返金されない施設もあるため、契約書を十分にチェックする必要があります。
また、入居者が亡くなった後にもお金の問題は残されています。
使用していた部屋の原状回復費用が高額になる場合があるためです。マンションを借りて住んでいて、引っ越しの際に原状回復を求められるのと似ています。
ただし、2017年5月に120年ぶりに民法が改正され、この点は将来は変わってくる可能性があります。
今回の改正の中には、賃貸住宅の敷金返還ルールが明記されています。これによると、借り手の故意や過失でできた傷などを回復する費用を除いて、敷金は原則として返還されることになります。
入居している有料老人ホームが賃貸住宅に近い権利関係のものであれば、亡くなった後の原状回復費用についても、今後は民法にのっとった整備がなされていく可能性があります。
しかし、現状では適用範囲であるかどうかは不明瞭ですので、やはり契約書を十分に確認し、亡くなった後に発生する金銭についても、契約前に確認しておくことをおすすめします。
介護施設の入居時の問題として、住民票の異動があります。住民票は異動しなければならないと思い込んでいる方も多いのですが、住民票の異動が必要なのは地域密着型特別養護老人ホームになります。
地域密着型特別養護老人ホームとは、入所定員が29名以下の小規模な施設のことで、施設がある市町村の居住者だけが利用できます。
越境して介護施設に入居する場合に、住民票の異動をしなければならないのは、住民以外の施設サービス利用を認めていないためです。
入所定員の多い特別養護老人ホームは、これに相当しないため、住民票を異動させる必要がありませんが、施設には入居者の権利(とくに選挙権)に配慮して住民票の異動をすすめる場合もあるようです。
入居前に、施設から詳しい説明を受けて判断することが重要になります。
介護施設に入居が決まったら、生前整理を行ってはいかがでしょうか。特別養護老人ホームは「終の棲家」です。
最期まで看取ってもらえる場所への引っ越しですから、思い出は残らず持って入居したいものです。
生前整理とは、文字通り、生きているうちに身の回りを整理することです。
自宅の荷物を整理することで、思い出の品物や日記、アルバムなど、できるだけ身近に置いておきたいものを発見できるというメリットがあります。
また、生前整理で見つかった品物によって、思いがけず思い出話に花を咲かせることもあるかもしれません。
人生最後の引っ越しにあたって、預貯金の通帳や証券、保険証書、権利証など、相続にかかわるものを整理して財産目録を作ることも、生前整理の目的です。
生前整理を行いながら、エンディングノートを書き進めることで財産目録を作ることができます。また、思い出の品物を遺品として保存するか、亡くなった後は焼却するかなどの指示をエンディングノートに書いておくことで、残された家族の判断を助けることにもなります。
生前整理は自分で少しずつ行うこともできますが、専門の業者に依頼して一気に済ませることも可能です。その場合には、複数の業者から見積もりを取り比較してください。
悪質な業者もいますので、見積もりを依頼することで業者の質を見極めもできます。なにより生前整理の費用はいくらぐらいかかるのかの相場がわかります。
全国に生前整理業者は9,000社以上あると言われています。その中には相場とかけ離れた価格を要求してくるなどの悪質な業者がいます。
この記事を執筆しているオコマリでは、お客様に安心して生前整理を行ってもらうために、全国一律料金で追加料金一切ナシの定額パックプランを業界で初めて提供しています。
部屋の間取り別で料金が決まっているため、明瞭会計で安心です。
例えば、1K・1Rはたったの79,800円(税込)という価格設定となっており、現場の部屋の物量が少なければさらに減額させていただいております。
また、登録されている生前整理業者は、オコマリのスタッフが1社1社面談をして厳選しており安心です。
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介護施設の入居にともなって、持ち家が空き家になってしまうことはよくあります。
なかには、持ち家の売却益を資金にして介護施設に入居することを検討している方もいらっしゃるでしょう。
居住用のマイホームを売却した場合には軽減措置があり、譲渡益から3,000万円控除することができます。
この軽減措置を受けるためには、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売却する必要があります。
しかし、本当に持ち家を売ってしまっても良いのでしょうか?
介護施設に入居後、これまでの生活環境と一変するため、多くの方がさまざまなトラブルに見舞われます。とくに多いのが人間関係に起因するトラブルです。
孤独感からいじめに走る方もいれば、認知症のために暴力的になる方もいます。当人が被害者であれ加害者であれ、せっかく入居した介護施設を退所して自宅に戻る可能性がまったくないわけではありません。
持ち家を売却するなら、介護施設を退所したときの受け入れ先を事前に検討しておく必要があります。
売却せずに置いておく場合でも、人が住まなくなった家は痛みが早いといわれています。
メンテナンスを誰が行うのか、どのようなサイクルで行うのかといったことも考えておく必要があります。
では、最終的に相続の対象となる持ち家をどうしたらよいのでしょうか。
相続トラブルを回避するためには、税理士や司法書士など、専門家に相談することをおすすめします。
事前に相続を見据えた対策を立てておくことで、お金に関わるトラブルを避けることが可能となります。
介護施設といえば特別養護老人ホームですが、入居条件が厳しく、入居まで数年待ちが珍しくありません。
最近では、リーズナブルな民間の有料老人ホームも登場してきているため、特別養護老人ホームにかわる選択肢となっています。
いずれの場合でも、入居となったときの生前整理、持ち家を売却するのか保存するのかなど、入居前に行ったほうが良いこと、入居前に検討して決めておいたほうが良いことなどがいくつもあります。
「終の棲家」である介護施設への入居ですから、できるだけ家族トラブル・遺産トラブルにならないようにしておきたいものです。
介護施設についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
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