オコマリブログ - 身近なお困りごとを解決します。
投稿日:2017年07月04日 更新日:2021年03月30日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
2014年の調査によると、介護・支援を必要とする人の数はついに606万人を超え、この数は年々増加すると予想されています。
介護・支援の需要の高まりに合わせて、民間・公共事業者ともに提供している介護サービスは多様化し、ますます充実してきているように見えます。
いっぽうで、利用者にとって多様化したサービスや制度は複雑で、その違いには頭を悩まされますよね。
今回は、数ある介護サービスの中でも、「介護保険施設」に注目し、介護保険施設とはどんなところか、その種類とサービス費、食費やおむつ代などのうちわけ、入所までの手続きを詳しく説明します。
介護保険を利用しながら受けられるサービスは近年その種類が増えています。
施設介護を受けたくてもその違いが判らず、自分がどの施設を利用すべきなのか混乱する、という方は少なくありません。
介護保険をつかって入所できる公共の介護サービス施設を総称して「介護保険施設」と呼びます。現在介護保険施設は以下の3種類に分けられています。
この3施設どれも運営元が公共の団体・法人で、その利用料は民間の介護施設よりも安価に設定されていることが特徴です。
経済的に困窮している世帯では、減額措置も取られるため、大変人気の介護施設です。
一方、入所希望者が非常に多く、待機者数もかなり多いことが問題となっています。
居室は従来の多床型に加え、新しい需要と要望にあわせて、個室型、ユニット個室型の3種類となっており、居室の種類によって月額の利用料が変わります。
介護保健施設の種類はその対象者や入居の長さによって分けられます。各施設での受け入れ対象と受けられるサービスなどをまとめた一覧表をご覧ください。
施設の種類・呼び名 | 詳細 | 要介護度 | 認知症の受け入れ | 終身制 | 入居までの待機時間 | 費用 |
特別養護老人ホーム | ・排泄、食事、入浴介助 ・リハビリなど介護サービス ・看取りまで総合的な介護サービス |
3-5 | ◎ | ◎ | 数か月から数年 | 1ヵ月 相部屋:8-10万円 個室:10-15万円 |
介護老人保健施設(老健) | ・入居期間3-18ヵ月 ・リハビリテーションが充実している ・在宅復帰を目指す |
1-5 | △ | △ | 数か月―長期 | 1ヵ月 相部屋:6-10万円 個室:10-17万円 |
介護療養型医療施設 | ・入居期間短期から長期さまざま ・医療サービスが充実している ・看取りまでサポートしてくれることもある |
1-5 | △ | △ | 数か月―長期 | 1ヵ月 相部屋:7-10万円 個室:10-17万円 |
特別養護老人ホームは要介護度が高い入居者向けの施設です。多くの施設で看取りまでの介護サポートが充実しています。
特別養護老人ホームでは、医師は常勤/非常勤で1人の配置となっており看護師の配置数も少なく設定されています。
その代わり介護職員の数は多く設定されています。
一方、介護老人保健施設と介護療養型医療施設では100人の利用者に対して1-3人の医師を常勤で配置する決まりになっているおり、特別養護老人ホームでは医療ケアサービスの充実度は他の二施設よりも低いですが、介護ケアサービスは断然特別養護老人ホームのほうが充実していることが分かります。
介護老人保健施設と介護療養型医療施設の強みはその医療ケアの充実度です。より早い在宅復帰を目ざし、リハビリテーションや医療ケアが施されます。
介護老人保健施設では原則看取りまでのケアサービスは想定されていません。そのため、施設自体はあくまでも一時的利用で、最長1年半という入居期限が設けられている場合が多くなっています。
一方、特別養護老人ホームでよく行われる行事やカラオケ、手芸などのリクリエーションは充実していません。
介護療養型医療施設ではより介護老人保健施設よりも医療サポートが手厚く、看取りまでサポートしてくれることが多いようです。
施設の種類・呼び名 | 終身制 | 医療・看護ケア | 介護ケア | リハビリ | レクリエーション活動 |
特別養護老人ホーム | ◎ | △ | ◎ | △ | ◎ |
介護老人保健施設 | ×(△) | ◎ | 〇 | ◎ | △ |
介護療養型医療施設 | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ | △ |
◎:対応力抜群 〇:対応している △:あまり対応していない ×:非対応
特別養護老人ホーム(特養)は、介護保険を利用しながら365日24時間体制で入浴や排せつ、食事の介助と介護、リハビリや、入居者の健康管理、日常生活のサポートなどの施設介護サービスが受けられる公的介護サービス施設です。
特別養護老人ホームは、社会福祉法人が運営している公的な介護サービス施設です。
利用料は約5〜13万円と格安に設定されているため大変人気が高いことが特徴です。
老人保健施設などのように入所期間の上限はなく、寝たきりの状態であっても看取りまで介護サービスを受けられます。
介護老人保健施設には、医師が常勤で在中しており、看護・介護サービスを行うため看護師も配置されています。
また、リハビリテーションを担当する作業療法士や理学療法士、言語聴覚士を配置しなければならない規則になっており、利用者一人一人に応じたリハビリプランが組まれます。
そのため、介護老人保健施設は「病院と介護施設の中間」のような立ち位置といってよいでしょう。
医師による指示を中心に、施設を利用する人の状態に応じて個別の自宅復帰計画が立てられ、それにそって看護師、リハビリ担当者、介護士が協力して利用者の自立を促します。
入所の期間は3か月から1年ほどとなっており、利用者の状態に合わせて退所日が決められます。終身制ではないので必ず退所する必要があります。
介護療養型医療施設とは、介護度が高くかつ医療ケアを必要とする利用者を対象とした介護保険施設です。
100人の利用者につき、医師が3人、看護師は17人配置され、医療サービスが非常に充実しています。一方で、病院のような体系を取っているので、相部屋がほとんど。
また、日々の楽しみのためのリクリエーションや行事は特別養護老人ホームなどに比べ充実していません。2012年から介護療養型医療施設が新設されることは無くなり、将来的に廃止が予定されている介護保険施設です。
縮小していく施設であり、また看取りは保証されていないものの、長期的な利用者が多いため入居までの待機期間が長いことで知られており、入居は難しいとされています。
特別養護老人ホームでは、民間の老人ホームと異なり、「入居一時金」は必要ありません。入居が決まった月からの月額利用料のみの支払いが必要となります。
月額利用料は要介護度と選択する居室の種類によって異なります。介護度が高ければサービス費用は加算されますし、相部屋よりもユニット個室のほうが賃料は高額になります。
民間の老人ホームでは自己負担となるおむつ代は、特別養護老人ホームでは月額の利用料に含まれますので別に加算されることはありません。
特別養護老人ホームサービス費一例 | |||||
介護サービス費 | 賃料 | 食費 | その他(洗濯・リクリエーション費など) | 合計 | |
相部屋 | 約20,000円 | 約9,400円 | 約42,000円 | 約13,000円 | 約84,400円 |
個室(ユニット) | 約22,000円 | 約55,000円 | 約42,000円 | 約13,000円 | 約132,000円 |
介護料人保険施設においても「入居一時金」などの初期費用は必要ありません。月額利用料は、特別養護老人ホームと同様に、要介護度と選択する居室の種類によって異なります。
介護度が高ければサービス費用は加算され相部屋よりもユニット個室のほうが賃料は高額です。
医療サービスやリハビリテーションの費用が掛かるため、特別養護老人ホームよりもサービス費が割高です。おむつ代は月額の利用料に含まれています。
介護老人保健施設サービス費一例 | |||||
介護老人保健施設サービス費 | 賃料 | 食費 | その他(洗濯・リクリエーション費など) | 合計 | |
相部屋 | 約29,000円 | 約9,400円 | 約42,000円 | 約13,000円 | 約93,400円 |
個室(ユニット) | 約29,500円 | 約58,000円 | 約42,000円 | 約13,000円 | 約142,500円 |
2020年には廃止になってしまう介護料人保険施設ですが、ここでも入居の際の初期費用は必要ありません。初期費用が掛からないのは公共の介護保険施設の特徴です。
施設によって特別なケアや医療行為にかかるサービス費・医療費が別途加算されますので、他の2施設よりもサービス費、医療費が割高になります。
下の表にあるサービス費はあくまでも一例ととらえてください。
要介護度が高かったりや処置される医療行為が多かったりする場合にはそれに合わせて費用が加算され、相部屋よりもユニット個室のほうが賃料は高額です。
他の介護保険施設と同様、おむつ代は月額の利用料に含まれます。
介護療養型医療施設サービス費一例 | |||||
介護療養型医療施設サービス費 | 賃料 | 食費 | その他(洗濯・リクリエーション費など) | 合計 | |
相部屋 | 約36,000円 | 約9,400円 | 約42,000円 | 約13,000円 | 約100,400円 |
個室(ユニット) | 約36,500円 | 約58,000円 | 約42,000円 | 約13,000円 | 約149,500円 |
なお、ここに示した月額利用料はあくまでも一例です。
地方自治体や法人、施設ごとに設定されている金額は異なりますので必ず入居したい施設・もしくはケアマネージャーに必要となる費用を問い合わせてください。
また、金銭的に余裕がない世帯では補助や減額措置が取られる可能性もありますので、お金がないからとあきらめずまずは問い合わせすることをおすすめします。
介護保険施設に入居する際にはいくつかの準備があります。
高齢になってからの引っ越しは心身ともに大きな負担になります。どの介護保険施設に将来自分が入りたいかなどまだまだ元気なうちから下見などしておくことが大切です。
介護保険施設に入居する際、入居一時金は必要ありません。
今までの住居をどう処分するのか、そのほかにも資産や不動産などの整理も始めておく必要があるでしょう。
これら資産の管理については、専門的な知識を持つファイナンシャルアドバイザーに相談するとよりよい道筋を立てることができます。
公的な介護保険施設に入居する際でも、安価だからと気を抜かず費用の準備は入念にしておくとよいでしょう。
入居前には家財の整理と不用品の処分を行う必要があります。
これは生前整理と呼ばれ、家の中の不用品を処分することでこれからの生活をより便利に、健康的にしていくための重要なプロセスです。
生前整理を行うことで、介護保険施設での新しい暮らしがより快適なものになるだけではなく、入居の際お世話をしてくれる子供や親せきなどの手を煩わすことが少なくなりますので、ぜひ検討してください。
生前整理は時間的・体力的に大きな負担になります。「これは、自分たちの問題だから」、と、高齢者のみで行わず、子供や親類の手を借りてください。
高齢者が生前整理を行う場合に一番障害になるのが高齢者特有の「もったいない精神」です。
今は使っていなくても、まだ使えるものは取っておきたい気持ちがあると思いますが、ここではまず、その「もったいない精神」を捨てて、「今使うもの」以外は思い切って処分してしまいましょう。
老人施設に転居、入居した後に処分したものが必要になる場合も考えられますが、その時は新しい住まいに合わせて新しい物を購入すればいい、と割り切って考えることをおすすめします。
こうして生前整理を行った結果、出た不用品は自治体のルールに則って処分するようにしましょう。
生前整理を行いたいけれど、人手や時間が確保できない、または住まいが広すぎたり、不用品が多すぎてどこから手を出していいかわからなかったりといった場合には、生前整理業者に作業を依頼することをおすすめします。
生前整理業者は、まず住まいの中から通帳や印鑑、有価証券や貴金属などの貴重品をピックアップしてくれます。その後、家財の中から不用品を取り分けて処分してくれます。
古新聞や段ボールなど明らかな「ゴミ」は業者が処分してくれますが、家具や衣類、食器や調理器具などの仕分けは本人立会いの下で行えばトラブルを避けることができます。
生前整理業者によっては、古物商の許可を持っている業者もいるので、不用品の中から値段が付くものがあれば買取を行ってくれます。
その買取分は、作業料から差し引いてくれるので、お得に生前整理を行うことができる場合もあります。
そのほかにも業者によっては、女性スタッフの派遣や生前整理後の住居の清掃などさまざまなサービスをオプションとして選ぶことができることもあります。
自分がどのような形で生前整理を行いたいかを明確にし、ニーズを確実に満たしてくれる業者を選ぶようにしましょう。
全国に生前整理業者は9,000社以上あると言われています。その中には相場とかけ離れた価格を要求してくるなどの悪質な業者がいます。
この記事を執筆しているオコマリでは、お客様に安心して生前整理を行ってもらうために、全国一律料金で追加料金一切ナシの定額パックプランを業界で初めて提供しています。
部屋の間取り別で料金が決まっているため、明瞭会計で安心です。
例えば、1K・1Rはたったの79,800円(税込)という価格設定となっており、現場の部屋の物量が少なければさらに減額させていただいております。
また、登録されている生前整理業者は、オコマリのスタッフが1社1社面談をして厳選しており安心です。
現地でのお見積りなしでも作業が可能ですので、急いでいる方にもオススメです。
問い合わせやお見積りはすべて無料ですので、気になる方は一度問い合わせをしてみて下さい。
資金の準備、生前整理が終わったら、いよいよ引っ越しです。
こちらも近年では業者に依頼するケースが多くなってきているので、数社に見積もりを依頼してから引っ越し業務を依頼する業者を決定しましょう。
介護保険施設とは何か、どのような種類があり、サービス費の内訳はどうなっているのか、そして入居の際の注意点についてご説明しました。
長寿大国ニッポンでは、老後はもはや短いものではありません。
30年、40年とある老後の人生を最大限に楽しむためにも、自分に合った介護保険施設について情報をあつめ、より良い判断をして、健康的で活動的な毎日を送るための参考にしましょう。
記事を読んで介護施設に関してもっと知りたい!と思った方は、下記の記事も参考にしてみて下さい。
生前整理のことについて、わからないこと・不安なこと・他人には相談しづらいことなどおありかと思います。オコマリでは生前整理について、予算・スケジュール・安心できる業者なのか、など様々なご質問に生前整理に詳しいベテランのスタッフが親切丁寧にお答えし、お客様の不安を解消いたします。