デジタル遺品のトラブルと解決方法を紹介
投稿日:2017年07月16日 更新日:2022年06月07日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
遺品整理と聞くと、故人が愛用した品々をひとつひとつ思い出に浸りながら片付けるようなイメージが思い浮かびます。
しかし最近では、デジタル遺品と呼ばれる形を持たないデータとしての遺品が多く存在するようになりました。
身近なデジタル遺品としては、パソコンやスマートフォンなどに保存されている画像や動画、友人や会社の取引先などの連絡先、SNSやブログのアカウント、ネット銀行やネット証券の口座など多岐に渡ります。
今やモノだけでなくデータにも整理が必要となっている時代です。放っておいたままのデータは残された遺族にデジタル遺品として大きな負担となることもあります。
ここでは、デジタル遺品にまつわるトラブルとその解決方法について説明しています。
近年スマートフォンやタブレット端末の急速な普及により、高齢者にとってもデジタルデータは身近なものになりつつあります。
「最近自分の母親・父親がスマートフォンを持った!」という事を聞く方は多いのではないでしょうか?
このような中で、スマートフォンやパソコンの中に写真や連絡先を保存したり、インターネットで有料会員サービスに登録したりする方が増えています。
スマートフォンやパソコンを持っている方が亡くなると、それらがデジタル遺品への変化します。
これが、デジタル遺品が今急激に増加している背景なのです。
デジタル遺品をめぐるトラブルはさまざまなものがあります。故人はデジタル関係に詳しかったとしても、遺族はそうではないことも多いものです。
「よく分からないからデジタル遺品は放っておけばいい」というのも危険です。
デジタル遺品を廃棄する場合でもきちんとデータを消去しなければ、デジタル遺品に残っているデータから情報流出の恐れがあります。
また二度とアクセスできないデータがあることも考えられます。
このように、デジタル遺品の取り扱いには十分な注意が必要です。それでは、デジタル遺品をめぐる具体的なトラブルを見ていきましょう。
パソコンやスマートフォンには、個人の連絡先やクレジットカードや電子マネーのデータなどが残っています。
それらをきちんと消去せずに廃棄したり悪質な業者に売ったりしてしまうと、データが抜き取られて悪用されてしまうことも考えられます。
周りの友人に迷惑がかかってしまったり、身に覚えのない請求がきたりしてしまうようなトラブルが起こるかもしれません。
インターネットバンキングも当たり前になり、オンラインで資産管理も珍しいことではありません。また株やFXの取引をしている場合も多くあります。
残された資産は相続対象になるので、後から口座が見つかった場合には遺族間のトラブルの原因になってしまうこともあります。
また家族に秘密で株やFXの運用をしていると、亡くなった後、知らない間に損失が出てしまい、遺族にとって大きな負担を伴うトラブルになってしまうようなことも考えられます。
多くの人々が利用しているフェイスブックやツイッターなどのSNSに登録していることや、個人でブログを開設している場合も少なくないでしょう。
亡くなったあとも、故人を偲ぶためにそのままにしておきたい場合も多くあります。
しかし管理する人がいなくなってしまったSNSやブログは、悪質なのっとりやなりすましによって荒らされてしまったり嘘の情報を勝手に発信されてしまったりするトラブルも考えられます。
パソコンやスマートフォンを開いたりフォルダを開いたりするのにパスワードを設定している場合、残されたデータを見ることができません。
本人が使っている間は個人情報保護の観点からもパスワード管理されているのは悪いことではありません。
しかし、例えば葬儀の連絡をしたいのに、故人の友人たちの連絡先が分からないなどのトラブルになることもありえます。
逆に、パスワード管理もせずデータの整理もしていない場合、遺族としては見たくなかった写真などが出てくるトラブルの可能性もないとは言えません。
月々の利用料が発生する会員制のサイトなどに登録している場合、登録解除を行わない限り毎月一定の金額が引き落とされます。
「そんなに大きな金額ではないから」と思っていても毎月積み重なることでそれなりの金額を支払うトラブルになってしまいます。
以上に挙げたようなデジタル遺品のトラブルを避けるためにはどうすればいいでしょうか。
方法は2つあります。まずトラブルを避けるもっとも有効な方法は、デジタル遺品の生前整理をしておくことです。
もしできなかった場合には、遺族がデジタル遺品の遺品整理を忘れず早めにすることが、トラブルをなくすためのもうひとつの方法です。
デジタルデータに限らず、身の回りの物を見直して生前整理することは、遺族の負担やトラブルを減らすことはもちろんですが、残された人生をよりよく過ごすためにも必要なことです。
デジタルデータの生前整理としてすべきことは、大きく分けて2つあります。
デジタルデータの生前整理も、通常の生前整理と基本は同じです。
年を重ねるごとに判断力や体力は鈍っていくものです。「まだ先のこと」と思わずできるだけ早くとりかかることがデジタル遺品にまつわるトラブルを減らすためにもっとも有効な手段と言えます。
デジタルデータの生前整理がされないまま亡くなった場合は、デジタル遺品は遺品整理として遺族に委ねられます。
遺族はできるだけ早く、デジタル遺品の遺品整理を行う方が良いでしょう。理由は、先ほどお伝えしたトラブルを防止するためです。
デジタル遺品の遺品整理としてまずできることは3つあります。
ネット銀行やネット証券などで相続にまつわる資産が無いかを確認する必要があります。
資産の有無(負の資産も含めて)をしっかり確認して、相続するのかどうかを決定します。
パスワードなどが分からない場合にはカスタマーセンターに問い合わせてみましょう。
ブラウザのブックマークにひとつずつアクセスして、登録しているSNSやブログ、会員になっているサイトを見つけましょう。
フェイスブックでは、利用者が亡くなった場合、追悼アカウントと呼ばれる友人に管理を依頼するアカウントを作成するか、亡くなったことを証明してアカウントを削除してもらえます。
ツイッターでも亡くなったことを証明してアカウントの削除を行えます。
ブログは開設している各社で亡くなった後の対応が異なりますが、記事の公開設定を狭くすることやコメントを承認制にしておくことで悪質な業者などから荒らされることをできるだけ減らすことができます。
また無料会員として登録しているサイトの場合はそのままでもあまり問題ありませんが、有料会員の場合は退会しておきましょう。
デジタル遺品に入っている必要なデータはメモリーカードやCD-Rに移行させましょう。写真であれば、印刷して保存するのもよいでしょう。
その際、写真については少し扱いに気をつけてください。
写真はその人のプライベートが赤裸々に写っており、遺族が知りたくなかった過去も知ってしまう可能性があります。
とはいっても確認しないと前に進まないのですが、そういうリスクがある事を認識しておきましょう。
以上のようにデジタル遺品の整理方法について説明しましたが、通常の遺品整理もしなければならない状況のなかで、デジタル遺品の遺品整理までスムーズに手がまわるとは限りません。
葬儀が終わってもさまざまな手続きなどで忙しいことも多く、トラブルになってからデジタル遺品が残されていることに気付くことも多いようです。
また、いざデジタル遺品を開こうとしたら、パスワードがかかっていて開けられなかったという方も多くいます。
セキュリティ対策の一環として、パスワードロックは一般的なものになっているからです。
そんな時には、専門の業者にデジタル遺品の整理を依頼すると良いでしょう。専門の業者に依頼する方が、自分たちの負担を減らすことが出来て楽になります。
スマートフォンやタブレット端末の普及により、デジタル遺品はさらに増えていくことが予想されます。デジタルデータは特に整理することがなくても、部屋を散らかさず邪魔になるわけでもないので放っておいてしまいがちです。
しかしそのままにしておくと、デジタル遺品となり残された遺族への負担になるだけでなくトラブルの原因となってしまうこともあります。
またデータがどんどん積み重なり、整理されていないパソコンやスマートフォンなどは使いにくいものです。現代人にとって、相棒と言っても過言ではないそれらのデジタル機器が使いにくいのは不便極まりないことです。
残された家族の負担を減らし、これからの自分の人生もよりよく過ごすために少しずつデジタルデータの整理をしませんか?
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