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投稿日:2017年07月29日 更新日:2021年03月30日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
テレビドラマなどで、介護付き有料老人ホームで暮らす高齢者が、広い施設で優しい職員に囲まれて、手厚い介護を受けながらゆったりと暮らしている場面を見かけます。
できればこのような生活をしたいと思いながらも、料金が高額なのではないかとライフエンディングプランから外している人がいます。
またある人は、だれでもテレビドラマの介護付き有料老人ホームのようなゆったりした生活ができると思い込んでおり、料金を知らないままライフエンディングプランを立てていました。
いざ入居を申し込む直前に料金を聞き、その人の経済状態では希望する介護付き有料老人ホームを利用できないことが分かりました。
このように、介護付き有料老人ホームの利用料金が分からないために、ライフエンディングプランの選択肢が減るのは、もったいない話です。そこで、介護付き有料老人ホームの利用料金や施設についてお伝えします。
有料老人ホームには「介護付き」「住宅型」「健康(自立)型」の3種類があります。
介護付き有料老人ホームは、入居したホームのスタッフによる24時間介護サービスを受けることができます。
住宅型有料老人ホームは、入居したホームへ外部の介護サービスに来てもらったり、通所介護サービスなどを利用したり自分が選んで介護を受けます。料金は入居費用の他に、利用した分だけ介護保険サービスや保険外サービスの費用がかかります。
健康(自立)型有料老人ホームは、介護は不要だけど家事などの手伝いが必要な人が入居します。要介護状態になると入居できなくなります。
3つの有料老人ホームを比較すると、介護付き有料老人ホームは、必要に応じて柔軟性がある介護サービスを提供できるという特徴があります。
介護付き有料老人ホームは、要介護度が高く個性に合わせた介護が必要な人が、定額の料金で24時間体制の手厚い介護を受けられます。
また、日頃は元気でも急に気分が悪くなったり体が動かなくなったりする体調不安定な人などは、その時々の状態に合わせた臨機応変な介護を受けられるメリットがあります。
介護付き有料老人ホームは、24時間の介護体制と看護師が常勤して健康管理を行い、外部の医療機関とも連携しているため、医療面のサポートもあります。
また、食事の管理、生活相談、リハビリテーションなどの機能訓練やレクリエーションなどの安心して前向きな生活を送るためのサポートがあります。
介護付き有料老人ホームの料金には、それらの費用が上乗せされていますから、健康面や運動への取り組みなどの自己管理ができて介護があまり必要ない人は、上乗せの料金を支払う分、デメリットになります。
介護付き有料老人ホームは、厚生労働省の定める施設基準を満たし、都道府県の認可を得た事業者が運営する「特定施設入居者生活介護」の施設にあたります。
認可を得ていない施設は「介護付き」もしくは「ケア付き」と表示できません。
介護付き有料老人ホームのサービスの提供の仕方によって、建物の広さが異なります。
共通の基準は、バリアフリーであること、13㎡以上の広さがある一般居室もしくは介護居室、車いすが通れる廊下の幅、浴室、トイレ、食堂・談話室、機能訓練室などが決められています。
スタッフの役割は共通ですが、入居者数によって人数が異なります。
生活相談員、管理者、機能訓練指導員、介護計画作成担当者、看護師、介護士などです。
入居者に提供されるサービスも基準が定められています。
健康状態に合わせて、栄養管理された食べやすい食事が提供されます。
入居者の身体機能や認知機能に合わせて、食事や排せつの介助、入浴介助などの介護が24時間体制で提供されます。
入居者の衣服の洗濯、施設内の清潔保持のための清掃などをスタッフが行います。
看護師によるバイタルチェック、身体機能を維持するための機能訓練など、健康管理を行います。
介護付き有料老人ホームへの入居は一般的に65歳以上です。中には60歳以上というところもあります。特に手厚い介護が必要ない人も入ることができます。
介護付き有料老人ホームは認可がとれる基準以上であれば、運営する事業所の個性を出すことができます。
例えば、基準以上に職員を置き、施設内に手作りパン屋さんや洋服屋がある、毎日の食事を専属の調理師が作る豊富なメニューの中から選べる、プールや遊戯室などのレクリエーション施設が充実しているなどの優雅な介護付き有料老人ホーム。
また、職員数が基準ぎりぎりしかおらず、施設も最低限の基準を満たすだけ、食事や入浴、トイレの介助が主でレクリエーション設備やイベントがあまりない施設もあります。
介護付き有料老人ホームは一般的に、設備とスタッフが充実しているほど料金は高額になりますが、設備と職員数が基準通りで料金が安価でも、職員の工夫でサービスを充実させている施設もあります。
施設によって異なる介護付き有料老人ホームの料金のケースをご紹介します。
参考にした地域は東京都です。
比較的安価なホーム | 一般的に高額なホーム | |
入居一時金(敷金・礼金) | 0 | 3,100万円 |
月額料金の内訳 | ||
賃料 | 10万円 | 10万円 |
管理費・運営費 | 7.6万円 | 13万円 |
食費 | 3.24万円 | 6.48万円 |
水道光熱費 | 1.5万円 | 3万円 |
上乗せ介護料 | 0 | 8万円 |
その他雑費 | 2万円 | 3万円 |
月額料金合計 | 24.34万円 | 43.48万円 |
【参考・参照サイト】みんなの介護「有料老人ホームの費用」
上乗せ介護料とは、事業所が独自に提供する、国の基準以上に職員がいる介護体制や、介護保険の対象外となるサービスです。
その他雑費とは、おむつ代などの消耗品費です。
介護付き有料老人ホームの介護費用の料金は、介護保険から支払われ、入居者は収入に応じて1~2割の負担となります。
しかし、もともとの賃料に介護保険の利用料金も含まれています。介護サービスの手厚さに応じて賃料が変わることはありません。
入居一時金は事業所によって扱いが異なります。
入居を考えている介護付き有料老人ホームに入居一時金がある場合は、返還の有無や取扱いについて詳しく問い合わせましょう。
介護付き有料老人ホームに入居した後に、人間関係や経済的な事情などで退去しなければならなくなったとき、90日以内ならクーリングオフが可能です。
事業所側が入居準備などにかけた費用があるため、支払った料金が全額返還とはいきませんが、一部が返ってきます。
また、料金のクーリングオフを防ぐために事業所側で入居条件を定めている場合がありますから、入居前にクーリングオフについても聞いておきましょう。
介護付き有料老人ホームで提供されるサービスには、入居者の衣服の洗濯も含まれています。
ただし、サービスは洗濯機で洗濯できる衣服に限り、ドライクリーニングなどの専門店で行う洗濯は、外部委託をするため実費が料金としてかかります。
また、自分で洗濯をしたいという入居者には、職員が付き添って、ご自分で洗濯してもらいます。
有料老人ホームには「介護付き」の他に「住宅型」「健康(自立)型」がありますが、料金に洗濯サービスまで含まれるのは、介護付き有料老人ホームだけです。他の2タイプは運営する事業所ごとに規定があるので、相談時に確認しましょう。
介護付き有料老人ホームは地域によって、施設や提供するサービス、料金に特色があります。
大阪の介護付き有料老人ホームの例をご紹介します。
比較的安価なホーム | 一般的に高額なホーム | |
入居一時金 | 0 | 2,900万円 |
月額料金の内訳 | ||
賃料 | 11.6万円 | 25万円 |
管理費・運営費 | 2.4万円 | 14万円 |
食費 | 3.5万円 | 2.9万円(食材費) |
水道光熱費 | - | - |
上乗せ介護料 | 0 | 8.1万円 |
その他雑費 | 別途請求 | 別途請求 |
月額料金合計 | 17.5万円 | 50万円 |
【参考・参照サイト】その方らしさに深く寄りそうベネッセスタイルケア「大阪府の有料老人ホームを探す」
大阪は人口密度が高く、介護付き有料老人ホームも密集しています。各施設に特色があり、安価なホームと高額なホームとの料金差は大きいですが、提供されるサービスは基準を満たしています。
上乗せ介護料とは、基準以上の職員を置き、介護保険サービス以外のサービスを行っている介護付き有料老人ホームが、独自に設定している料金です。
その他雑費は、おむつ代、洗面道具代などの消耗品の料金を、使った分だけ請求されます。
介護付き有料老人ホームは料金がかかります。そこで、契約時に身元引受人もしくは身元保証人を立てるよう求められます。
老親が入居するとき、たいてい子供が身元保証人になります。近年の高齢化社会では身内がいない人も多く、また、子供に断られることもあります。
そのような人は介護付き有料老人ホーム側と相談しましょう。入居費用以外に料金を払って保証人の代行サービス会社を利用して、入居契約できる場合があります。
例えば、老親が介護付き有料老人ホームに入居している場合、確定申告時に以下の項目で控除ができます。
治療を受けたり薬を購入したり、通院にかかった交通費など、医療行為にかかった費用の領収書を取っておき、確定申告時に「医療費の明細書」などの必要書類に記入して控除を受けます。
介護付き有料老人ホームに入居している老親は同居ではないので、家族としての控除を忘れがちです。70歳以上なら同居していなくても「老人扶養親族」として上限48万円の控除を受けられます。
また、70歳未満でも利用料金を払っていたら「一般の控除対象扶養親族」として38万円の控除が受けられます。会社勤めの人は年末調整の用紙に、個人事業主の人は確定申告時に用紙に記入して提出します。
扶養していることの確認を受ける場合もあるので、料金を支払っていることを証明できる領収書などを保存しておきましょう。
高額介護サービス費制度があります。これは、介護保険サービスを利用して支払う1~2割の自己負担分が基準を越えた場合に、住んでいる自治体に申請して還付を受ける制度です。
手続き方法や基準が自治体によって異なるので、窓口で聞きましょう。
そして、基準に該当しそうであれば、介護保険利用料が賃料に含まれている介護付き有料老人ホームでも、明細など介護保険サービス利用の記録がありますから、確認しましょう。
介護付き有料老人ホームの料金についてご紹介しました。介護付き有料老人ホームは厚生労働省の基準に合わせた施設とサービスが提供されますから、料金が安価であっても生活や介護サービスに支障はありません。
そこで、介護付き有料老人ホームでの生活をイメージしたいただくために、タイムスケジュールの例をご紹介します。
居室は個室です。トイレと洗面台は部屋についているか、料金が安価なホームでは共有スペースに設置しています。
家具や家電、大切な品などを持ち込むことができるので、自分が使いやすいようにレイアウトしましょう。
持ち込めるとはいえ、持ち込み過ぎて片付けられなくなっている人もいますから、ほどほどにしておきましょう。
自分で体を動かせなくて介助が必要な人や、手伝いが必要な人、緊急の用事がある人は、居室に設置されているナースコールで職員を呼びましょう。
介護付き有料老人ホームでの生活で不安な点といえば、知らない者同士の集団生活でしょう。人間関係のトラブルなどで居心地が悪くなってしまっては、楽しみにしているライフエンディングがつらい生活になってしまいます。
トラブルへの対応は、介護付き有料老人ホームの職員の仕事です。入居者同士の交流で発生したトラブルは、職員に相談して上手に回避しましょう。
入居者の生活リズムの維持や体調管理のために、施設側でタイムスケジュールを決めています。自分の生活リズムを大事にしたい人は、入居時に伝えておきましょう。
また生活全般に介護が必要な人は、食事や排せつ、入浴や着替えなど職員がお手伝いします。生活に関わる介護は、要介護度に合わせて介護保険サービスが利用できます。
介護の料金は月額料金に含まれています。
時間 | 一日のスケジュール |
7時 | 起床・着替え。 |
7時30分 | 食堂へ集まって朝食。 |
8時 | 洗面・バイタルチェック。 |
9時 | 自由時間(病院受診がある人は外出します)。 |
10時 | 体操やレクリエーションなどの機能訓練・趣味活動。 |
12時 | 食堂で昼食(付き添いがあれば外食もできます)。 |
13時 | 居室で昼寝、談話室で休憩など。 |
14時 | 体操やレクリエーションなどの機能訓練、趣味活動。 |
15時 | おやつ。 |
16時 | 自由時間。外出した人たちが帰宅。 |
18時 | 食堂で夕食(付き添いがあれば外食と外泊ができます)。 |
19時 | 入浴、必要な人は職員が介助します。 |
21時 | 消灯。夜間は職員が居室を巡回します。 |
これは一日の例です。レクリエーションなどの集団活動に参加したくない場合は、無理に参加する必要はありません。
自分の好みの楽しみを見つけて、活動的に過ごしましょう。
趣味活動などにかかる料金は、月額料金に含まれないため自己負担です。
介護付き有料老人ホームでは、季節の行事に関連するイベントを用意しています。
季節ごとのドライブや夏祭り、外部講師やプロ芸人によるイベントなど、施設ごとに特色があります。
外出したいときは、家族や友人などの付添いがあれば可能です。また、職員が付き添う場合は既定の料金を支払います。
病院受診は、家族が連れていくか職員が付き添うか、事業所によって異なるので、入居前に聞いておきましょう。
買物外出が難しい人は、定期的に訪れる移動販売車などを利用して日用品やお菓子などの買い物をすることや、規定の料金を払って職員に買い物を代行してもらうことができます。
ライフエンディングを考えるとき、選択肢のひとつに「老人ホームに入る」があります。
ところが、老人ホームには施設の形態によって種類があること、入るための条件や料金に差があることなどの情報は少なく、介護付き有料老人ホームでの生活のイメージが乏しくなりがちです。
今回、介護付き有料老人ホームは、自分の経済状態に合わせた料金で入居できる施設があること、国の決めた基準のサービスが提供されるので、安心して住み続けられることなどをご紹介しました。
介護付き有料老人ホームでの生活は、24時間提供される介護を受け、健康管理をしてもらいながら、安心して自分が望む生活を送ることができます。
困ったことは職員に相談しながら、楽しいライフエンディングを送りましょう。
介護付き有料老人ホームに関してはこちらの記事も参考になります。
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