生前整理でやることを徹底解説します!
投稿日:2017年02月19日 更新日:2021年11月16日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
生前整理とは、ご自身が生きている間に、本人が身の回りを整理することを差します。
生前整理でやることは、主に財産の整理や家の整理、エンディングノートの作成、遺言書の作成があります。生前整理を業者に依頼するというと、「家の整理」を業者に依頼することを指しますので、「生前整理」には様々なやる事を含んだ意味と、「家の整理」の意味だけがある事になります。
最近では40代で生前整理を始める方もおり、生前整理も比較的若いうちから行われるようになりました。
今回は、そんな生前整理に関して、生前整理でやることや業者に依頼する場合の料金相場、生前整理アドバイザーなどの資格について解説していきます。
生前整理の全般について学べる内容になっていますので、ぜひ最後まで読み進めていってください!
それでは早速、まずは生前整理でやることをご紹介していきたいと思います。
冒頭でもお伝えしましたが、生前整理で実施すべきことは4つあります。
ここからは、上記の4つに関して詳しく解説していきましょう。
生前整理の中で、財産の整理は最も重要な項目と言っても過言ではありません。なぜなら、遺族にとって最も手間がかかり問題となるのは、財産の整理だからです。貯金や有価証券、不動産に関する書類などは事前に整理しておきましょう。
保険の場合、自分でかけている分は把握していても、かけられている分に関しては忘れてしまいがちです。そのため、保険は一つひとつ確認しておく必要があります。
また、借入がある方は借入先と金額もしっかりと把握しておくことが大事です。書類や通帳などは、長年の生活でしまった場所を忘れてしまうケースも意外と多いようです。出来るだけ一か所にまとめておくか、どこにしまってあるのかエンディングノートに記載しておくことも有効な方法です。生前整理は、こういった書類などを整理してまとめる良い機会にもなるのです。
生前整理をする中で、家の整理をしておくことも大事です。ご自身が亡くなった後で、遺族が遺品の整理をするのは非常に手間がかかる作業になってしまうからです。
ご自身が亡くなった後でも、家の中が整理されていれば遺族がスムーズに遺品整理を行うことが出来ます。
家の中が整理されていて必要なものと不必要なものがきちんと分けられていれば、遺族も手間をかけることなく片づけを行えるのです。
生前整理をしていく過程で出てくるのが、不要なもののごみ処理です。不要なものを捨てるときは、少しずつ処理していくことをおすすめします。主な理由は2つあります。お住いの地域が1回に出せるごみの量が決められているかもしれないという点。
そして、一気に整理するのは高齢者にとって体力的な大変な作業になってしまうという点です。生前整理は一人で行うのではなく、家族と一緒に行うのもおすすめです。ご自身が大切だと思っているものがどれなのかを伝え共有することが出来るからです。
生前整理としてエンディングノートを作成しておくことで、ご自身の伝言を家族の人々に伝えることも可能です。エンディングノートとは、終末期や亡くなった後の自分の意思を書き記しておくものです。
エンディングノートに、「終末期に延命を希望するか」、「葬儀には誰を呼んでほしいか」、「遺品整理は誰に依頼するのか」などを細かく記載しておけば、自分が亡くなった後の遺族の負担をかなり軽減させることが出来ます。
上述した、財産整理のときにまとめた書類の場所なども合わせて記載しておけば、さらに遺族の負担を減らせます。生前整理としてエンディングノートの作成を合わせて行うようにしましょう。
エンディングノートに関して詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
生前整理の過程で遺言書の作成も忘れずに作成しておきましょう。生前整理は遺言書を作成する絶好のタイミングです。遺言書を作成するにはまだ早いと思われる人もいるかもしれません。
しかし、遺言書を作成するタイミングを見出すのは、難しいものです。作成しようと思った時には、作成が困難な状況になっていることもあるからです。遺言書は後々に訂正も出来るので、一度区切りをつける意味でも作成しておくべきです。
最近では『遺言書キット』というものがあるので、そちらを活用するのも良いでしょう。エンディングノートと異なり、遺言書は法的な効力も持っています。遺言書の作成はなるべく早く、出来れば弁護士の立会ってもらい正確に作成しましょう。
遺言書の作成方法を詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
「生前整理でやることとは?実施するべき4つの事を紹介!」で生前整理のやることをご紹介しましたが、生前整理の進め方としてオススメの順番はあるのでしょうか?
生前整理の進め方の順番としてオススメなのは、下記の通りとなります。
生前整理の進め方として、最初に「家の整理」を挙げた理由は家の中にどのような物があるのかを把握するためです。
家の中が整理できずぐちゃぐちゃのままだと、その後の財産をどうするか?などが考えられません。まずは家の中を片付けて、動産・不動産含めてどのようなものがあるのか?を把握することから始めましょう。
また、家の整理をすることでエンディングノートに書くべき事項も見つかってきます。例えばアルバムを処分して欲しいのか?といった物の処分方法や亡くなった際の連絡先の名簿などです。自分の形見は〇〇に譲って欲しいという話もエンディングノートに記載できますので、やはり「家の整理」を生前整理の進め方としては最初に持ってきましょう。
次に「財産の整理」です。財産をどれくらい残すのか、残すなら生前と死後のどちらで譲るのかなどを考えていきます。この内容を基にエンディングノートや遺言書作成ができますので、これらの作成の前に「財産の整理」を行うようにしましょう。
最後にエンディングノートの作成と遺言書の作成です。エンディングノートと遺言書の順番はどちらが先でも構いません。「家の整理」「財産の整理」で行った生前整理の内容で必要事項を記載していくようにしましょう。
生前整理のやることをお伝えしましたが、ここからは「家の整理」を生前整理業者に依頼した場合の料金相場を見ていきましょう。
施設に入所する際の生前整理だったり、重たいものや大量の整理が必要だったりする場合には、業者に依頼して生前整理を行うケースが増えています。
生前整理を業者に依頼する際の料金相場や料金の決まり方、依頼する際の注意点を学んでいきましょう。
生前整理の料金相場は、基本的には生前整理をする部屋や家の大きさに比例して高くなっていきます。
これは、部屋や家の大きさが大きくなればなるほど、生前整理をする面積が大きくなり、結果としてその分作業要員やトラックが多く必要となるからです。
下記が部屋の大きさごとの生前整理料金相場の目安になります。
部屋の大きさ | 料金相場 |
---|---|
1K・1R | 65,000円〜130,000円 |
1DK | 125,000円〜150,000円 |
1LDK・2DK | 160,000円〜280,000円 |
2LDK・3DK | 190,000円〜450,000円 |
3LDK・4DK | 250,000円〜700,000円 |
4LDK・5DK・それ以上 | 270,000円〜850,000円 |
生前整理の料金相場は、このように料金に大きな幅が存在しています。
これは、処分する不用品の量や不用品の搬出経路、部屋・家の階数、エレベーターの有無、トラック車両を駐車できる場所の有無などによって、作業にかかる時間や作業のしやすさが大きく異なり、それによって料金が変動するためです。
また、急な依頼となってしまった時、たとえば「明日やってほしい!」といったような場合には、生前整理業者によっては別途料金が必要なケースもあります。
上記の項目以外にも、ゴミ屋敷のように通常では考えられないレベルでゴミが大量に堆積している状況や、人里離れた山奥のポツンと建っている一軒家のような状況では、別途料金が発生することが予想されます。
縦横高さがそれぞれ1mの立方体を1立米といいます。
料金の目安を知りたい場合は、生前整理をする予定の部屋に、この1立米の箱がいくつ入るのか?を考えれば、およその生前整理の料金が算出できるのです。
1立米から生前整理の料金が算出できるとお伝えしましたが、具体的にはどういう事なのでしょうか?
実は、生前整理の料金は「1立米あたり、1〜2万円」を相場と考えればほぼ間違いないのです。もちろん、この料金の中には、処分料金、車両費、人件費が含まれた総額の料金です。
したがって、生前整理をしたい部屋にどれくらいの立米の物があるのかが分かれば、その数字に「1〜2万円」を掛けることで生前整理のおよその料金を算出できるということです。
「どっちにしても生前整理業者に来てもらって、その場で料金を見積りしてもらえば、自分で計算する必要なんてない!」と思われるかもしれません。
しかし、目安の料金を知ることで、具体的に提示された料金が適切なものであるかどうかが判断できます。
また、上記のルールを知っておけば、生前整理業者にお見積りに来てもらった時に「何立米で計算していますか?」と聞いて、その立米をもとに他の業者と比較することもできます。
料金の相場や、自身の部屋が具体的にいくらぐらいかかるのかをあらかじめ検討しておくことで、あまりにも高い業者や、わけのわからないほど安い業者を見分けることができたり、見積もりの漏れを防ぐことができるようになります。
生前整理を業者に依頼する前には、ぜひ一度、ご自身でおよその処分料金を計算してみてください。
従来の生前整理業者であれば、生前整理の料金の支払い方法は、作業日当日の現金払いが基本となっていました。
請求書での後日支払いに対応している業者もありますが、料金の未払いを恐れて、作業日当日の現金払いを進めてくる生前整理業者が多いのが現状です。
ただ、ご利用される方にとっては、大きなお金を下ろして保管しておくのは心配のタネとなります。
そこで、近年では、生前整理の料金支払いをクレジットカードで対応している業者が多くなっています。
クレジットカードであれば、ある程度の高額な料金の支払いでも分割払いにすることができたり、ポイントをつけることができるなど、メリットがあります。
特にウェブサイトから申し込むタイプの生前整理サービスは、クレジットカードが使用できるケースが多いので、ご活用ください。
生前整理業者に依頼する際には、現地でのお見積もりをしっかりと取ってもらい、追加料金がなく、適正な金額で行ってもらうようにしてください。
近年は生前整理業者に依頼する人が増えていることから、生前整理業者数が非常に増えており、その中には不当な追加料金を取ったり、部屋の中の金品を盗んだりする悪徳な業者が存在しています。
最初は安めの金額を伝えて受注してから、後になって「追加の費用が必要になります」と言われて泣く泣く高額な追加料金を支払うケースも発生しています。
生前整理業者に依頼してお見積もりをしてもらった際には、「お見積もり書をもらう」「追加料金が無いかを確認する」「信頼できそうな業者かを見極める」という事をしましょう。
全国に生前整理を行っている業者はたくさんありますが、その中には相場とかけ離れた価格を要求してくるなど悪質な業者がいることも事実です。
オコマリでは、お客様に安心して生前整理を行ってもらうために、料金の見直しや業者の空き時間を活用するなどの工夫をすることで、業界最安値水準の料金を実現しました。もちろん、お見積り後に追加料金が発生することは一切ありません。
また、専門の相談員が親身になってお客様のご相談にのりますので、安心してご依頼頂けます。
問い合わせやお見積りはすべて無料ですので、お気軽にお問い合わせくださいませ。
生前整理をした際に「買取して貰えたら嬉しいな」と感じたことはありませんか?生前整理で出てきたものの中には買取をしてもらえるような品があるかもしれませんので、気になる方は買取業者に来てもらって査定をしてもらうか、自分でインターネットなどで価値を調べてみるようにしましょう。
生前整理で買取されやすい品は下記のようなものになります。
昔のおもちゃやカード以外は、元々高かったことが明確だと思いますので、売れるかどうかは自分でも判断しやすいかと思います。一方で、おもちゃやカードは今になってプレミアが付いていることが多いので、当時では価値が無かった可能性があります。
したがって、自分で簡単に調べてみたり、専門の買取業者に査定をしてもらう事をオススメします。
逆に生前整理で出てくるけれど、買取されにくいのは、下記のようなものです。
家電製品は製造から3年以内の最近の家電でないと買取は難しいです。家具類も高級且つほぼ新品であれば買取対象ですが、長年使っているものは欲しい人が少ないので対象外となります。着物も着る人が少ない現在、買取は難しいのです。
ここまで生前整理のやることや業者に依頼した際の料金相場、生前整理時の買取についてお伝えしてきました。
ここからは、生前整理を行うメリットを4つご紹介していきたいと思います。また、最後には生前整理のデメリットもお伝えします。
生前整理のやり方を踏まえて、「少し大変そう」と思われた方もいるかもしれません。しかし、すこしの手間をかけることで大きなメリットが得られます。ここからは、そんなメリットを一つひとつ詳しく紹介していきます。
生前整理で遺族の負担を減らせるのは大きな利点の一つでしょう。ご自身が亡くなった後、残されたご家族の方々は、「悲しんでいる暇もない」と言われるほど手続きや葬儀などで目の回るような忙しさに追われます。
ご自身も残した家族に負担をかけるようなことは、したくないはずです。ご自身が亡くなった後でも、家族の負担を減らす方法があるのです。それが事前に生前整理をしておくという事なのです。
自分自身が亡くなる前に、しっかりと最後に向けて準備を進めていくことで、いつか来るその時に残されたご家族が大変な思いをすることが無くなります。残されたご家族に時間の余裕が出来れば、思い出話などで故人を偲ぶことも出来るようになるのです。
生前整理をすることを通して、自身の人生を見直すきっかけにもなります。過去を振り返り、これからの人生をどのように過ごしていくのか見えてくるのです。
年齢を重ねるにつれて、若いころの様に活発に外に出かけることや、新しいチャレンジをすることは減っていきます。そのため、毎日が同じことの繰り返しになってしまうということは、よくあることです。慣れ親しんだ家具やこれまで使用してき品々には、自身の思い出が宿っています。
そのため、生前整理で大切なものと大切ではないものを選ぶことは、長い人生を振り返ることにもつながります。自分が若いころに思い描いた夢を思い出すこともあるでしょうし、あらゆる経験を想起することもあるでしょう。
思い出の品々を見ることで自分の歴史を振り、新しい今日をより良く生きていこうと前向きになれます。生前整理は、最後まで自分らしく生きられるために自分を見つめ直す 良い機会にもなり得るのです。
生前整理はご自身の死後でも、残された遺族同士のトラブルを防ぐことが出来る利点もあります。どんなに仲が良かった親族でも、遺産相続や生前の介護などの不平等感などからトラブルが起きてしまう事があります。
ご自身の死後に、遺族たちが遺産などをめぐるトラブルにより仲たがいをしてしまう事を望むことはないでしょう。遺族の仲たがいを防ぐにも、生前整理が有効です。エンディングノートや遺言書を作成しておけば、細かい遺産相続の配分などを決めておくことが出来ます。
また、家族と共に生前整理をしておけば、ご自身の意思も共有可能です。そのため、無用な親族間のトラブルも避けられます。事前に生前整理を行うことは、愛する家族を末永く仲良く生きてもらうために、あなた自身が出来ることなのです。
本当に大切なものを「形見」として残すことが出来るのも、生前整理をする利点です。生前整理は『形見』を残すための最適なタイミングです。
当然の事ながら、自身が亡くなってしまった後は、遺品の整理は全て残された遺族に任せられます。遺族が遺品整理を行う場合、故人が残したものを全て捨ててしまう可能性があります。
ご自身が大切にされていた思い出の品は、家族に『形見』として残したいものですよね?残された家族も亡くなられた方との思い出に『形見』は受け継ぎたいものです。
生前整理をして必要なものと不要なものとを分けておくことで、本当に大切にしているものはしっかり残しておくことが出来ます。生前整理とは、ものを捨てるという事だけではありません。大切なものを残し、『形見』をしっかりと遺族に引き継ぐために行うことでもあるのです。
生前整理のメリットをご紹介して来ましたが、デメリットもここではご紹介していきたいと思います。生前整理のデメリットとして考えられるのは「怪我をしたり、大切な物を処分してしまったりすること」です。
生前整理を行う年齢にもよりますが、自分で生前整理をしようと思ったときに重たいものがあり、無理に片付けようとして怪我をしてしまったという話を聞きます。また高い所の物を下ろそうとしたら、転倒して骨折したという事もあるようです。
生前整理における片付けでは、このような怪我に注意するとともに、間違えて大切な物を処分してしまわないようにしましょう。特に他人のものを取り扱う際には注意です。家族のものとは言え、その人にとっての価値は理解できない事が多々あります。生前整理の一環で勝手に処分してしまい、後々「何で勝手に捨てたんだ!!」とトラブルにならないように気をつけてくださいね。
生前整理を40代から始める方もいると冒頭でお伝えしましたが、生前整理を始める適正な年齢は「やりたいと思ったとき」が一番です。
「40代から生前整理を始めても平均寿命を考えれば、あと30~40年はある」と思うと40代での生前整理は早いように見えますが、「生前整理をする4つのメリットを紹介」のメリット2でお伝えしたように生前整理は人生を見つめ直すキッカケにもなります。
40代は丁度人生の折り返し地点と考えれば、生前整理を行って人生を考え直すのには丁度良い年齢だともいえます。
実際に生前整理をしている方は60~70代が多いですが、40代にすることが悪い事は一切ありません。
自分がやりたいと思うのであれば、徐々にでも構いませんので始めてみるようにしてください。
生前整理と遺品整理の違いは、生きている間か、死後かの違いというのは何となく分かるのではないでしょうか?しかし、この2つの言葉の違いをしっかりと理解することで、生前整理の重要性も分かるようになります。
ここでは、生前整理と遺品整理の違いを確認していきます。
上述した通り、生前整理とは「ご自身が生きている間に、本人が身の回りを整理する」ということです。一方、同じような言葉で遺品整理という言葉もありますが、こちらは「ご自身が亡くなった後で、遺族が故人の遺品を整理する」という事。
つまり、生前整理と遺品整理とでは、整理を行う主体が違うのです。生前整理を行う場合は、本人が参加して行います。もちろん、整理の際に家族が立ち会うことも可能です。
生前整理とはご自身が亡くなった後で、遺族たちに遺品整理の負担をかけないようにするというのが、一番の目的となります。また生前整理を行う場合は、長年使用してきた家具や本人の思い出の品を、ご自身の意思を持って整理していくことが出来るのです。
ご自身が亡くなった後で、遺族たちが揉めることを望む人はいません。残された遺族も安らかに見送りたいと思っています。「生前整理」とは、「残された家族に迷惑をかけたくない」という高齢者本人の想いや、「身の周りをきれいにして、心おきなく旅立ってほしい」という家族の想いが込められた言葉なのです。
「生前整理」や「遺品整理」という言葉が増えた背景には、ひとり暮らしをしている高齢者の増加が理由として挙げられます。ひとり暮らしの高齢者が増加し、所有物の引継ぎが行われることはなくなり、財産の分配に関しても事前に話し合われる機会が無くなったのです。
かつては、おじいちゃんやおばあちゃんとその子供世代、さらに孫世代と一緒に暮らしている家族が当たり前でした。家族とのつながりも強く、昨今のように核家族によって家族間の希薄になっていませんでした。
したがって、ご自身が亡くなったとしても、家具や衣類などはそのまま家族に引き継がれていました。預貯金などの財産についても、家族が銀行通帳や印鑑の場所も把握していたため探す手間はかかりませんでした。
さらに遺産相続に関しても、本人が保有している土地などの所有権の分配は事前に話合われていました。現在、「生前整理」や「遺品整理」という言葉が増えたのは、ひとり暮らしをしている高齢者の所有物や預金などを整理する必要性が増えたという社会的な要因があるのです。
「家の整理」としての生前整理と断捨離は、意味は違えどやる事は同じです。生前整理にはエンディングノートや遺言書を書いたりといろいろな作業がありますが、中でも断捨離は最も大変な作業になってしまいます。
長い生活を行っていると家具や日用品は貯まっていってしまいますし、お気に入りの品や記念品などは思い入れが強くなってしまうからです。そのため、処分するのに精神的な壁が存在するのです。
ここからは断捨離とはそもそも何か?そして、断捨離が大変になってしまう理由を解説し、その解決策も紹介します。
断捨離とは、ご自身にとって、本当に大事なもの、あるいは必要なものを見つめ直し選択することです。
単に、ものを捨てるという意味にだと思っている人もいるようですが、その捉え方は間違いです。ものを捨てるだけなのであれば、「断捨離」という言葉をわざわざ使いません。
漢字の一文字ずつそれぞれに意味があるのです。いくらものを捨てたとしても、買い物を続けていればものは減りません。
ものを捨てるにしても必要なものや大切なものを捨ててしまえば、生活に困りますし後悔もしてしまいます。さらにものへの執着している心を改善しなければ、ものを処理しても一時で元通りになってしまいます。
断捨離とは本当の自分を見つめなおし、部屋も心も身軽にしご自身が亡くなった後の家族への負担も軽くすることなのです。
高齢者が断捨離を行うのは2つの理由で大変になってしまいます。一つは「体力面」、そしてもう一つは「精神面」です。
家具を処分するにしても、体力を使います。また、思い入れのある品々に関しては、感情も移入されているため捨てることが出来ないものです。
ここからは、断捨離にとりかかったときに、多くの人がぶつかるこの二つの理由を説明していきます。
断捨離を行うにしても、高齢者にとっては体力的な部分が壁になってしまう事があります。家具と一言で言っても大小さまざまです。特に大きいものや重量がある家具は、持ち上げるだけでも高齢者にとってはかなりの負担となってしまいます。
年齢を重ねると自分で思う以上に体力は無くなっているものです。若いころとは違い、最悪の場合は多少軽いものでもぎっくり腰などのように怪我を負ってしまう事もあります。怪我を負ってしまえば、せっかく始めた断捨離などの生前整理も途中で中断せざる得ません。
一度作業を中断してしまうと再開するのにかなりの労力がかかり、断念してしまう事になってしまう場合もあります。断捨離を行うにしても、無理をすることなく少しずつ進めるようにしましょう。少しずつ計画的に行えば、不本意な怪我をしなくて済みます。
断捨離が大変になってしまう理由として精神的な問題が挙げられます。長年付き合ってきた家具や記念品の数々には、少なからずご自身の思い入れが宿っているでしょう。
そのため、処分する段階になると、どうしても手放せないという感情になってしまいます。そんな時は無理して捨てる必要はないのです。
大切なものと大切ではないもの、必要なものと不要なものを選別するという事も断捨離の一つのエッセンスです。大切なのは断捨離をしようとする意識が大事になります。
体力や精神的な理由で断捨離に困ってもあきらめる必要はありません。きちんと解決方法は存在します。
それは、自分一人で完結させようとしないで、誰かに協力をしてもらうという事です。誰かに協力をしてもらう過程で、さらにご自身だけではなくご家族にも利点が生まれる場合もあります。
また、家具の処分などに困った場合は、専門の業者に頼むという方法もあります。まずは、一人で悩むのではなく、誰かに相談してみるのが解決への第一歩です。ここからは、断捨離に困ったときの解決策を詳しく解説していきます。
断捨離に困ったときは、家族に相談してみるのも解決策の一つです。家族であれば、部屋の片づけなどの協力を頼みやすいですし、家族も喜んで協力してくれることでしょう。
更に、家族と一緒に片づけを行う事で、ご自身が大切にしているものや思い出を共有することにもなります。ご自身が亡くなった後でも、家族がご自身の意思を受け継ぎ遺品整理もしやすくなるのです。
生前整理の部分で説明したエンディングノートや遺言書も、家族がどこにあるのかを把握しておかなければ作成した意味がありません。一人で行うよりも、多くの人数で片づけを行ったほうスムーズになります。また、思い出話をしながら、楽しんで片づけをすることが出来ます。
断捨離も作業が多いと感じた場合は、専門の業者に相談することも選択肢に入れておきましょう。年齢を重ねると、引っ越しをすることもなく同じ家で長年生活している方も多くいることでしょう。
長年同じ家で生活していると、家具や日用品なども貯まってしまいます。一人で片づけるには大変で、協力してもらえる家族や友人がいない場合もあるでしょう。そんな時は、家の片づけを専門的に行っている業者もあります。
生前整理や遺品整理なども専門的な行っている業種であれば、断捨離以外の相談にも快く乗ってくれます。断捨離に困ったら、専門の業者に依頼をしてみましょう。
生前整理には一般社団法人生前整理普及協会が認定している民間資格、生前整理アドバイザーや生前整理診断士が存在します。
生前整理普及協会は、「生きることを前提に、物・心・情報を整理することで、幸せなエンディングを迎える」を設立趣旨に、生前整理の仕方や知識などをアドバイスしてくれる一般社団法人です。
いざ、生前整理をしたいと思っても何から始めればよいのかわからない、親に生前整理のアドバイスをしたいけれど知識がない、という方のために、生前整理に関する講座を開講しています。
ここでは、生前整理普及協会にて認定している「生前整理アドバイザー」・「生前整理診断士」・「生前整理認定作業士」の3つの資格をご紹介していきたいと思います。
一般社団法人生前整理普及協会が認定している資格の1つ目は、生前整理アドバイザーです。
「生前整理アドバイザー」の資格があれば、生前整理を円滑に進めて行くことができます。資格取得後は、得た知識を仕事に活かして活躍している方もいますし、自分自身の終活をスムーズに進める為の知識として学んでいる方も少なくありません。
資格を取得する場合、最初は生前整理アドバイザー2級からスタートです。資格取得後は、準1級、1級と順番に資格を取得していきます。また、1級の資格を取得した後は2級認定指導員、準1級認定指導員の資格取得と進むことができます。
下記には生前整理アドバイザーの資格と内容、講義時間と受講料を表にまとめてみましたので、確認してみてください。
資格の名称 | 内容 | 講義時間 | 受講料 |
---|---|---|---|
生前整理アドバイザー2級 | 生前整理を行う上で必要な基礎的な知識を得ることができる。自分で生前整理をしたいとお考えの方にも適している資格 | 1日間(300分) | 21,450円(税込) |
生前整理アドバイザー準1級 | 2級と比較して、より詳しい知識を得ることができる | 1日間(300分) | 27,280円 (税込) |
生前整理アドバイザー1級 | スクラップブッキングの作成をはじめ、遺言書作成や法律などについて学ぶことができる資格 | 1日間(300分) | 38,280円 (税込) |
生前整理アドバイザー2級認定指導員 | 2級認定指導員になることが可能(1級認定者のみ受講可能/テスト合格後、協会会員に入会、登録料・年会費有り) | 1日間(300分) | 67,100円 (税込) |
生前整理アドバイザー準1級認定指導員 | 準1級認定指導員になることが可能(2級認定指導員認定者のみ受講可能) | 1日間(300分)/後日認定テストを行う | 99,000円 (税込) |
一般社団法人生前整理普及協会が認定している資格の2つ目は、生前整理診断士です。
生前整理アドバイザー2級認定者以上の方のみ受講が可能で、片づけ、介護、葬儀、相続などでお困りになられているお客様のお悩みを、物・心・情報の観点から総合的にアドバイスすることができるようになります。
お客様からの相談~受注までの流れなどを教えてもらえ、自分でビジネスを行うことができるようになります。
3日間の研修(10時~16時)で、受講料は148,500円(税込)となります。
一般社団法人生前整理普及協会が認定している資格の3つ目は、生前整理認定作業士です。
生前整理アドバイザー2級認定者以上の方のみ受講が可能な資格です。
認定作業士は、生前整理をお手伝いして欲しいお客様の家に出向き、生前整理に必要な事をお伝えしていきます。認定作業士としての心得や作業の手順、お客様とどのように接し、情報を提供して差し上げるかを学ぶ講座となっています。
1日の研修(10時~16時)で、金額は88,000円(税込)となっています。希望者には、別途3,850円(税込)で携帯できる写真入りの生前整理認定作業士証明書を発行してもらえます。
生前整理と終活は下記のような意味になります。
したがって、生前整理は終活の活動の1つとなり、特に生前整理は終活の中でも、メインの行事と言っても良いでしょう。なぜなら、生前整理は作業も多く、作業内容によってご自身が亡くなった後の家族の負担や感情を左右することにもなるからです。
この作業をきちんと行っていけば、ご自身の人生を更に楽しいものにしてくれますし、亡くなった後もあなたにとって理想的な葬儀を開いてもらえるかもしれないのです。生前整理は終活のメイン行事として捉え、積極的に行うようにしましょう。
生前整理でやることから始まり、生前整理業者の料金相場や依頼する際の注意点、生前整理のメリット、生前整理と遺品整理の違い、生前整理と断捨離の違い、生前整理の資格などをお伝えしてきました。
記事を読んで、生前整理については大まか理解できたことと思います。
あとは実際に手を動かして生前整理を始めていくだけです。まずは自分で始めてみて、自分だけでは大変だとなったら、生前整理業者に助けを求めると良いでしょう。
あなたの生前整理が成功することを願っています。
記事を読んで、生前整理に関してもっと知りたいという方は、下記の記事も参考にしてみてください。
生前整理のことについて、わからないこと・不安なこと・他人には相談しづらいことなどおありかと思います。オコマリでは生前整理について、予算・スケジュール・安心できる業者なのか、など様々なご質問に生前整理に詳しいベテランのスタッフが親切丁寧にお答えし、お客様の不安を解消いたします。