「老前整理」とは、身体が老いる前に、身の回りの整理をしておくことを言います。

整理と言っても、掃除や片づけだけではありません。自分の将来の生活を考えて、心にも環境にもゆとりを作る作業になります。

近年、注目を浴びている『老前整理』ですが、提唱し始めたのは『くらしかる代表』老前コンサルタントの坂岡洋子(さかおか ようこ)さんです。

坂岡さんはインテリアコーディネーターとして活動後、在宅介護の現場に足を踏み入れた際、高齢者の住宅は物が多いと感じた事がきっかけで、老前整理の必要性を訴えてきました。では、老前整理とはどのような事か、詳しく見ていきましょう。

目次

老前整理の必要性~老後の実態調査~

40代の老前整理の調査

現在の高齢者はどこで暮らしているのか、ご存じない方も多いかと思いますので、具体的に自分の将来をイメージする為にも次に資料を見ていきましょう。

平成22年(2010)厚生労働省が要介護認定を元に統計を取り、日常生活で多少の困難は見られるも、見守りがあれば自立出来る状態の認知症高齢者は、280万人いると発表しました。

この数字を見ると、「自分は認知症にならない」と言い切れないのが現実かと思います。その認知症高齢者の居場所として以下の結果が出ました。

特定施設 グループホーム 老人施設 保健・医療施設 自宅
10万人 14万人 41万人 38万人 140万人

施設の名称が様々ありますが、それは運営主体が地方自治体か、個人運営か、または老人福祉法に準ずる施設か、健康保険法に準ずる施設かの違いになってきますが、受けるサービスは似たものになります。

厚生労働省の発表した数字を見ていくと、圧倒的な数で、在宅140万人です。その140万人は、訪問介護や、通所介護、また家族の介護を受けて生活をしています。

今の住宅環境を見まわした時、ヘルパーさんが入れる状態にありますか?

爪切りや、救急箱の配置は決まっていますか?食器棚や調理器具は整理されていますか?

このように、自分の将来と、今の環境を比べてみると、老前整理の必要性を感じて頂けたと思います。

「老前整理」「生前整理」「遺産整理」は何が違うのか

分かりやすく表にすると以下のようになります。

老前整理 生前整理 遺産整理
いつの為 今現在 死後 死後
誰の為 自分 家族・親族 家族・親族
何の為 物、気持ちを綺麗に整理・確認するため 相続を含めて身辺整理 遺産相続などを配分する
誰がやるのか 自分 自分 家族・親族

このように、「生前整理」と「遺産整理」は、自分が亡き後、家族が幸せに暮らせるように考えて整理していく作業になりますが、「老前整理」は現在生活している自分の為に行う作業になります。

つまり、老後を迎える前に環境や家計、生命保険などの見直しをし、何が必要で、何が不必要かを判断する機会とも言えます。

将来、運転免許証を返還した後、車が無い生活でどうやって買い物や病院へ行くのか、シルバーカーで移動出来る範囲にスーパーはあるか、バスや電車など利便性は良いかなど、予測すれば、現在の住居環境の見直し、老後に住みやすい環境への引っ越しなども視野に入ってきます。

そのままこの地で生活したいと再確認した場合でも、都市の福祉サービス(タクシーチケット配布、バス回数券など)を確認するなど、ゆとりをもって備えておく事が出来ます。

老年整理を始めるベストな世代が40代なワケ

40代の老前整理がベストなわけ

老前整理には、以下の整理が4つあります。

  • 物の整理
  • 気持ちの整理
  • 老後生活における計画の整理
  • 親の物、現状を整理

老前整理を始めるにあたり、40代は最もベストな時期と言えます。

その理由は、働き盛りの年代だからです。

「年金暮らしで生活は可能か?」または、「定年後の生活を支える為に、貯金がいくら必要か」と考えた時に、貯金を今から始めても20年間は有余がありますし、多くの経験値から判断力、精神面も熟知されていて、「何が一番必要か」を冷静に見極められる世代です。

それでは、老前整理の何から始めたらいいのか、詳しく見ていきましょう。

老前整理「使う物」だけを残す

「老前整理」の物を片づけるポイントは、「使える物」を残すのではなく、「使う物」を残して整理していきます

ご自身が高齢になったところをイメージするのは難しいですが、実家の家の作りや、親が持つ生活用品を見てイメージしてみて下さい。

家の廊下は、車椅子が通れますか?雑誌や新聞、エクササイズグッズなど置いていませんか?将来、松葉杖や車椅子にならない保証はありません。いざという時の為に、通行の障害になるものは徹底して片づけていきましょう。

また、老人ホームなどの入所施設に入る場合、段ボール1箱程度の衣類や小さなアルバムしか持ち込めません。居住部屋のスペースは限られていますし、盗難防止とトラブル防止の為、高額な品物は持ち込めない施設が大半です。

趣味の骨董品や盆栽、掛け軸などがある場合は、質屋に出す、親族に譲るなどの処分を考えて整理を進めていきます。

老前整理「人を労わる気持ち」を今考える

人生の折り返し地点である40代は、残りの人生をどのように過ごして行きたいですか?

物やお金ではなく、気持ちの面が整理されていく事で、半世紀の人生の歩みを確認することが出来ます。

過去にお世話になった上司、手を貸してくれた友人、励ましてくれた恩師など、様々な人との巡りあわせで現在がある事を実感して、残された人生、誰と、どんな繋がりを持って老いていきたいのか、気持ちを整理していきます。

そして、気持ちの整理をしていくと、人を労わる気持ち、感謝の気持ちを噛みしめるはずです。

「いつもは年賀状しか出さないけど、今夜電話をしてみよう」と、忙しさを理由に軽薄になっていた関係も、一回深呼吸をしてみれば、老後を共に楽しむ大切な仲間として構築されていきます。

老前整理「老後の夢」を実現する為に計画を練る

「老後はのんびりと家庭菜園」

「海が見えるマンションで暮らしたい」

「山間の静かな老人ホームに入りたい」

など、夢や目標を考えていきましょう。

例えば家庭菜園一つにしても、野菜作りに必要な土の値段や、肥料の値段。ビニールハウスに掛かる費用など現実的に計画していけば、年金でスタートが出来る趣味なのかどうかを把握する事が出来ます。

またマンションなど不動産関係においては、土地や物件のリサーチ、在宅で最期を迎える事が出来るように、健康管理や認知症予防のノウハウなど、今から身体面を管理していく必要が見えてきます。

現在、毎日晩酌をしているのなら、休肝日を作る、運動を始めるなど、老化を緩やかにする習慣を身につける術を考えていきましょう。

そして、老人ホームを検討されている場合には、いくら必要か知っておくと役に立ちます。

例えば要介護3で有料特別老人ホームの場合

入居時費用 月額利用料 介護保険料 別途費用
約300万円 約17万円 約2万円 約1万円

入居時の費用は、一般的で言えば敷金と同じです。未納があればそこから引かれ、退去時には返還されるお金です。また、退去する事がなければ、生存されている間に、少しづつ返還されていきます。

年金で施設費用をまかなえるか?という疑問が出てくると思いますが、日本年金機構が統計を出し、平成28年に発表した金額は以下の通りです。

厚生年金 基礎年金
約14万/月 約5万円/月

平均を出した数字ですので、正しい年金金額は、各自、年金定期便や年金事務所にて、ご確認ください。

統計から出した年金の数字を見ると、有料老人ホームの費用支払いは厳しいと判断出来ます。しかし、施設には、月額5万円ほどで生活や介護サービスが受けられるものもありますので、ご安心してください。

老前整理「親が認知症になる前に」一緒に片づける

自身の身の回りを整理するのに、なぜ「親」が出てくるのか、不思議に思われるかもしれませんが、40代の親は、早い出産で60代、一般的な出産で70代ではないでしょうか?

元気そうに思える親でも高齢者になっています。認知症が発症すると、物にこだわる傾向があり、フェイスタオル、洗剤、ぬいぐるみ、使用済みテッシュ、アルミ缶などジャンル問わず収集をし、部屋の異臭がひどくなる事もあります。

そして集めた物に対しては執着心が強くて、簡単に片づけや整理が出来なくなります

認知症高齢者の特徴には、被害妄想も少なくありません。

相談をしながら一緒に片づけたにも関わらず親族に「捨てられた」「盗まれた」など、ありもしない嫌味を言われる事があります。

そのような事態にならない為にも、親が元気なうちに声をかけて整理整頓、処分のお手伝いをしていきましょう。また片づけ時に、実家の様子を観察してみてください。

新聞受けに郵便物がたまっている状態は、高齢者の鬱傾向の現れと言われています。

また、洗剤の予備品など同じ商品が多数ある場合などは、認知症の初期症状と老人心理学では判断材料になっています。もしかしたらと感じた時は、一人で悩まずに病院に相談をしてみる事をおすすめします。

生前整理業者に依頼するときには相見積もりを取る

全国に生前整理業者は9,000社あると言われています。その中には相場とかけ離れた価格を要求してくるなどの悪質な業者がいます。

ここでおすすめしたいのが相見積もりを取ることです。相見積もりとは、複数の業者に同じ条件で見積もりを取ってもらい、それを比較することです。

しかし、見積もりには生前整理業者の下見が必要になり、その下見には1時間ほどかかります。一般的に相見積もりは3社が適切と言われているので、3時間も下見に費やさなくてはなりません。

この相見積もりの問題を解決したのが遺品整理ドットコムです。この記事を執筆している遺品整理ドットコムでは業界初の1回の下見で相見積もりが取れるサービスを提供しているので、通常3時間かかっていた下見がたった1時間で済みます。

また、登録されている生前整理業者は、遺品整理ドットコムのスタッフが1社1社面談をして厳選しており安心です。

問い合わせや下見、見積りはすべて無料ですので、気になる方は一度問い合わせをしてみて下さい。

生前整理のサービス詳細を見てみる 

「老前整理を40代で始めたいあなたへ!」まとめ

老前整理を40代で始めたい人

いかがでしたか?「老前整理」は、人生を締めくくる準備期間とも言えます。老いていく姿を連想するのは寂しい事ではありますが、退職後の新しい人生を思い切り楽しむ為に、部屋と心、家計簿を整理してみてください。

老前整理についてもう少し学びたい方は、老前整理とはをチェックしてみて下さい。より詳細な話を勉強できますよ。

遺品整理ドットコム
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