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投稿日:2017年04月24日 更新日:2021年03月30日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
近年、よく耳にするようになったのが「孤立死」です。
一見、自分からは遠く離れた問題のように感じますが、孤立死は年々増加しており、自分の身近なところで起こってもおかしくありません。
近くに一人で住んでいる高齢者の方はいませんか?疎遠になっている親戚はどのような暮らしをしているのでしょうか?少なくとも一人はいるのではないでしょうか?
考えてみると、意外と自分の周りにも孤立死の可能性が潜んでいるかもしれません。今回は、孤立死の統計データをもとに、孤立死の現状について見ていきましょう。孤立死の現状を知ることで、今後孤立死を減らすきっかけになるかもしれません。
孤立死とは、一人で暮らす人が居宅で亡くなり、誰にも見つけられることなくしばらく経ってから発見されることです。
また、一部では老老介護の家庭で介護していた側が突然死し、要介護者が餓死する場合も孤立死と呼ぶこともあります。
孤立死には法的に定められた定義がないため、警察の統計上、基本的には「変死」という扱いとなります。その変死の中でも、亡くなる前に適切な処置があれば救命できた場合を孤立死として集計しています。
では、孤立死はなぜ起こってしまうのでしょうか?ここではその原因に迫ってみたいと思います。
まず第一に、核家族化の進行があげられます。
この場合、親を地方に残したまま都心に出ていたり、遠方に住んだために頻繁に会いに行くことがなくなったりしていることにより、親族との関わりが減少してしまいます。
会いに行ったり、連絡を取ったりする機会が減ることで、家族の体調を身近に感じ取ることができず、孤立死を招きます。
次に、近隣住民や地域コミュニティとの付き合いの減少があげられます。都心でみられる孤立死の原因として多く挙げられているのが、この近隣との付き合いの減少です。
昔は、近所の人と会えば挨拶したり、立ち話をしたりと近所付き合いは当然のようにありました。また、高齢者に対しては、近所の人々で助け合って生活していました。
しかし、最近では賃貸住宅に住む高齢者が増加し、隣人や周辺住民との付き合いが少なくなってきています。隣にどのような人が住んでいるのか、家族はいるのかなどを知らない、会っても挨拶をしないことも多くあります。
また、町内会などの地域コミュニティに参加していない場合、その地域で、どのような人がどのような生活をしているのかを把握することは困難です。高齢者が周辺との関わりを絶ってしまうと、さらに孤立死が増加してしまいます。
最後の原因として、日常生活の困難があげられます。
高齢になると、体を動かすことが億劫になったり、体調を崩しても病院に行くことがままならなくなったりします。意図せずとも家にこもるようになり、不規則な生活を送ったり、栄養の偏った食事により体調を崩したりします。
実は孤立死のあった住宅では、ごみ屋敷化していることが多く見られます。ごみを捨てに行くことが困難で、家にごみをためてしまい、埃やカビが原因となり病気にかかることもあります。
このように、孤立死の原因はさまざまですが、どの原因にも共通して言えることは、「周囲に話し相手や相談できる相手がいない」ということです。
先ほどお伝えしたように、孤立死は「誰にも知られることなく亡くなり、しばらく経ってから発見されること」ですが、本当の孤立は亡くなるさらに前から始まってしまっていることが多いようです。
孤立死のニュースを多く耳にするようになりましたが、孤立死は本当に増えているのでしょうか?
孤立死が問題視され、孤立死を減らす動きがある中で、現状を把握することはとても重要なことです。
統計データをもとに、孤立死がどのような状況にあるのか、今後どのような推移が予想されるのかを見ていきましょう。
孤立死は都心部で多く発生しているとされています。
特に東京都内の大型マンションなどでは、単身世帯が多く、近所付き合いが希薄になりがちなため、孤立死が増えているようです。
まずは、東京23区内おいて65歳以上の一人暮らしをしている高齢者が自宅で亡くなった人数をグラフで確認していきましょう。
このデータを見るにあたり、孤立死には定義がないため、自宅で死亡した65歳以上の一人暮らしの高齢者で、事件性のないもののみを孤立死としてカウントしています。
[caption id="attachment_142" align="aligncenter" width="640"] クリックして拡大[/caption]2002年には1,364人だった孤立死の人数は徐々に増加し、2007年にはついに2,000人を超えました。この約10年の間に、孤立死は倍増しているということになります。
東京23区内だけでも2,000件を超える孤立死が発生しており、全国的にみると年間3万件にも上るとされています。
[caption id="attachment_6206" align="aligncenter" width="721"] クリックして拡大[/caption]また、都市再生機構が運営管理する全国の賃貸住宅約75万戸において、65歳以上の単身者で死後1週間を超えて発見された孤立死は、2012年で157件となり、2008年に比べ約8割増加しています。
賃貸住宅では、特に近所付き合いが少なく、孤立死に気づかれない可能性が高くなります。これらの統計から、孤立死は少なくとも増加の傾向にあるようです。
また、今後高齢化がさらに進むと、高齢者の一人暮らしが増え、孤立死は増加していくと考えられています。
自分が高齢者となったとき、周りに助けてくれる人がいるとは限りません。もしかしたら自分自身が孤立死という最後を迎えてしまうかもしれません。
孤立死は自分の生活とはかけ離れた問題だと考える方がほとんどだと思いますが、実はとても身近な問題であることが分かります。また、こんなにも多くの人が誰にも知られずに亡くなっていることはとても悲しく感じてしまいます。
孤立死と聞くと、高齢者が自室で病死や老衰で亡くなってしまうのをイメージしますが、孤立死は高齢者だけの問題ではありません。
実は、孤立死する人の平均年齢は、男女ともに60歳前後と、平均寿命を大きく下回ります。その理由として、少数ながら若年層の病死も存在するからです。
若い世代では、賃貸住宅で一人暮らしをする方も多く、近所付き合いもほぼないというケースも多くあります。
高齢者だけが社会から孤立しているわけではなく、若い世代でも社会や家族とのつながりが減少していることが分かります。若い世代では、まさか自分が病死や突然死するとは考えていない人が多いと思います。
普段から家族や友人と連絡を取り合っていないと、孤立死に気づいてもらえない可能性もあります。若い世代での孤立死の一番の原因は、日々連絡を取り合う家族や友人が周りにいないことなのかもしれません。
孤立死は、実は自分の身近にある問題かもしれないですよね?
隣の住民が孤立死したら、自分の親が遠方で孤立死していたら、どうすればよいのでしょうか?孤立死を発見した際に慌ててしまわないように、正しい対処法を頭に入れておくとよいでしょう。
孤立死の場合、腐敗臭がするなどして周辺住民が異変に気付くことがほとんどです。そのため、発見時には死が明らかとなっているため、警察に連絡をすることになります。
明らかに病死や自然死であっても、事件性なども否定できないため、必ず警察に通報しなければなりません。その後、ご家族や親戚への連絡、賃貸の場合は大家さんに連絡をします。
警察が到着すると、現場検証が行われ、殺人などの事件性の有無が判断されます。事件性がないと判断されると、遺体が運び出され、ご家族や大家さんの入室が可能となります。
発見された遺体は警察の遺体安置所に保管されますが、部屋はそのままの状態で引き渡されます。孤立死の現場は、通常日が経ってから発見されるため、予想以上に壮絶な現場になっていることがほとんどです。そのため、部屋の清掃や異臭の除去などの作業が必要となります。
孤立死の現場は、通常の清掃では対処できないため、専門業者へ依頼することになります。専門業者とは、特殊清掃などを行う、遺品整理業者のことです。
部屋の中は直前まで使用していた遺品で溢れ、血液や体液、異臭のしみ込んだ家具などもあるため、遺品整理業者に依頼することで、すべての作業を一括して行うことができます。
異臭については、周辺住民の生活への影響が大きいため、早急に対応することが求められます。特殊清掃を行う遺品整理業者はたくさんあり、どの遺品整理業者に依頼すればよいのか迷うことと思います。
それではどのような基準で選択すれば良いのでしょうか?
多くの遺品整理業者は特殊清掃に対応していますが、特に「特殊清掃士」や「脱臭マイスター」という資格を持つスタッフが在籍しているかどうかに注目してみましょう。
特殊清掃士は、その名の通り、特殊清掃に関する知識を持ち合わせていることを証明する資格のことです。
脱臭マイスターとは、血液や体液がしみ込んで異臭を放つ床や壁の臭いを取るなどの作業を行う、臭いの専門家のことです。
孤立死の現場の清掃は目に見える部分だけがきれいになればよいというものではありません。建物の基礎まで血液などがしみ込んでしまうと、建物を傷める原因にもなりますし、異臭を完全に除去することはできません。
私たちには、床の下がどうなっているのか、血液や体液がきちんと除去できているのかを判断するのは困難です。特に賃貸住宅の場合は、その後に居住する人のためにもきちんと専門家に依頼する必要があります。
特殊清掃が必要になった場合、悪臭や害虫により周辺住民の方に迷惑を掛けてしまうので「緊急でとにかく早く対処して欲しい!」という要望が多いと思います。
しかし、いくら緊急とはいえ、焦って業者を選んで悪質な業者に依頼してしまっては意味がありません。
では、なるべく時間を掛けずに安心できる業者を選ぶためにはどうすれば良いのでしょうか?
この記事を執筆しているオコマリでは、依頼者さまに最適な特殊清掃業者を紹介するサービスを提供しています。
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では、孤立死を減らしていくためにはどのような対策をとるべきなのでしょうか?私たちにできることにはどのようなことがあるのでしょうか?
「あの時こうしていれば」という後悔をしないために、孤立死の対応策をチェックしておきましょう。もちろん、これから紹介する対策で孤立死が完全になくなるわけではないと思います。
しかし、遠方に住む家族や、周囲に一人で暮らしている高齢者がいる場合、これらの対策を参考にアドバイスしてみると良いかもしれません。
セキュリティー会社をはじめ、様々な企業から発信されているサービスに、高齢者見守りサービスがあります。
センサーによる安否確認や、緊急時の駆けつけ対応など、サービス内容は様々です。家族が遠方に住んでいてなかなか会いに行けない場合などは、いざというときのために安否確認のサービスに加入していると安心です。
また、周囲に話し相手がいない高齢者などは、オペレーター対応型の見守りサービスがオススメです。オペレーター対応型は、定期的にオペレーターから電話連絡が入るなど、きめ細かいサービスを受けることができます。
オペレーターとの会話が楽しみになるなど、話し相手ができることで生活に対し前向きな気持ちになるというメリットもあります。費用は掛かりますが、安否確認サービスにより、もしも異変が生じた場合に早急な対応ができる可能性があります。
孤立死の重要な問題点として挙げられるのが、地域コミュニティからの孤立です。いわゆる近所付き合いの減少のことです。
近所付き合いは何かと面倒、近所の人に自分の生活を邪魔されたくない、などと言って地域コミュニティから孤立してしまうことは、孤立死の危険信号です。
かつては町内会などで定期的に集まる機会があったり、町内のイベントなどがあったりと、何かと地域コミュニティに参加していたはずです。確かに、高齢になるとそういった集まりはわずらわしいものになってしまうのかもしれません。
しかし、地域全体で高齢者の見守りをする意味でも、地域コミュニティに参加することは重要です。周囲の住民が異変に気付いてくれるかもしれませんし、話し相手ができることで生活に潤いが生まれるかもしれません。
地域コミュニティに参加することは、決してわずらわしいことばかりではありません。地域の人々と情報共有することで、新たな趣味が見つかったり、新たな楽しみを発見できたりすることもあると思います。
周囲との新たな関わりを持つきっかけとして生涯学習や習い事をはじめてみることもおすすめです。かつて仕事に追われていた人にとって、定年退職後はすることがないまま毎日が過ぎ、喪失感に襲われることもあります。
一人暮らしの高齢者の中では、1日中誰とも話をしない人もいるそうです。人と会話することで気持ちが前向きになったり、気分転換になったりします。
高齢の方に人気の習い事としては、ジムや陶芸などがあります。何か打ち込むものがあるだけで、周囲との関わりが持てる上、気持ちが元気になります。
今回は、統計データをもとに、孤立死の現状について見てきました。孤立死は決して他人事ではありません。
自分には関係のない話だと思わず、今一度周りに一人で暮らしている高齢者はいないか、遠方に暮らしている家族は今どうしているのかを考えてみてください。
今この瞬間にも、どこかで孤立死が起こっているかもしれません。一人で、誰にも看取られることなく寂しい死を迎える前に、私たちにできる最大限の対策をとるべきではないでしょうか?
今後、孤独な死を迎える人が一人でも減るように願うばかりです。
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