孤独死とは、今社会問題のひとつとして注目されている言葉です。

日本は2015年に4人に1人が65歳以上の高齢者の社会を迎えました。この高齢者の比率はどんどん増加し、2035年には3人に1人が65歳以上の高齢者になるという推計が出ています。

下のグラフを見れば分かる通り、これからの日本社会が超高齢化社会への一途をたどるという未来が明確に理解できると思います。

高齢化の推移と将来推計

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このような社会のなかで問題になっていくのが、孤独死です。2015年時点で全国の一人暮らしの65歳以上の高齢者の数は600万人になりました。2025年には700万人を超えるという将来推計が出ています。

この大勢の一人暮らしの高齢者は、将来的に孤独死をしてしまう可能性があると言うことができるのです。

一人暮らしの高齢者推移

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今回は「孤独死」をテーマにして、「孤独死とは何なのか」「孤独死をしないため、させないために何ができるのか」ついて説明していきます。

目次

孤独死とは

孤独死予備軍の高齢者

孤独死という言葉を一度は目にしたことがあると思います。

「孤独死」とは、ことばの通り「一人で暮らしている人が孤独に(誰にも看取られずに)亡くなること」です。

行政では孤独死とは呼ばず、孤立死という呼称を使用しているようです。現在のところ、「孤独死とは」について定義している機関はほとんどなく、専門家や行政機関によっても意見が分かれています。

なぜ孤独死についての具体的な定義がないのでしょうか。

それは、孤独死とはいろいろな原因や問題が複雑に絡み合って起こってしまうもので、ひとことで定義づけできないほど難しいものだからです。それでは、なぜ孤独死してしまうのかについて具体的にみていきましょう。

孤独死の死因

孤独死とは、について考えていく上で重要なのがその死因です。

孤独死の直接的な死因は「心筋梗塞」「脳溢血(のういっけつ)」だと言われています。

これらは急死の原因で、突発的に起こってしまうものです。皆さんの周りの方で、もしかしたら心筋梗塞や脳溢血で亡くなられた方がいるかもしれませんね。

しかし、重要なのはこの死因に隠された部分です。急死は誰の身にも起こりうることなのですが、特に糖尿病やその他の生活習慣病など慢性的な疾患を抱えている方に起こりやすいと言われています。

つまり、不健康な生活やなにかしらの疾患を抱えている方にとって、孤独死とは他人事ではないのです。

孤独死は増えてきている

孤独死とは一人暮らしのご高齢の方に起こりやすいと言われています。

近年、晩婚化や未婚の方が増加してきており、2015年時点での男性の生涯未婚率は24.2%となっています。

つまり、日本人男性の5人に1人は結婚しないで一生を終えるということになりますね。この男性の生涯未婚率ですが、2035年には29%になると言われています。

生涯未婚率は高度経済成長の後から急激に増えてきており、そのころに50歳代だった方が、今70代以上になったことで孤独死が急増しているのです。

孤独死とはそれ以外にもいろいろな要因が絡み合って起こるものなので、今後さらに増えていくことが予想されています。それでは、どのような要因を持つ人が孤独死してしまうのでしょうか。

孤独死しやすい人とは

孤独死の人の葬儀

孤独死とは「これが原因だ!」と一言で言えるものではありません。

しかしながら、孤独死が起こりやすい環境や要因が少しずつ分かってきているようです。ここでは、孤独死しやすい人とはどのような人かを説明していきます。

一人暮らし

孤独死とは、文字通り孤独な環境で起こりやすいものです。一人暮らしをしている方が急死してしまった場合、発見が遅れてしまうことが多いのが現実です。

したがって、一人暮らしとは孤独死の最大の要因だといえます。最近では、「20代の孤独死」も増えてきていると言われています。

また、特殊清掃業者の話によると「40代の孤独死」も非常に多いようです。これらの方にも共通している要因は一人暮らしであることです。

ご高齢

ご高齢であることも孤独死しやすい人の特徴です。

年齢を重ねることで、どうしても急死のリスクは高くなります。急死でない場合でも、体力が低下しているご高齢の方にとっては、ちょっとした体調不良がきっかけとなり衰弱してしまいます。

食事の準備ができなかったり、病院に行けなかったり、お買い物に行けない状況になり、孤独死してしまうことがあります。

特に「焼け跡世代」と言われるような70歳以上の方は、敗戦国だった日本を立て直してきたということでプライドが高い方も多く、人に助けを求めることが苦手な方も多いのでしょう。孤独死とは、性格や気質といった要因も含まれるものです。

健康面に問題がある

上でもお話ししましたが、孤独死の死因の元となっているのが、生活習慣病やその他の慢性的な疾患である場合が多いです。

ご高齢の方は健康面に何らかの問題があることが多いというのは、なんとなく想像できるかも知れません。

しかし、最近増えてきている「20代の孤独死」の一つの要因とも言われています。近年、フリーターや派遣で生計を立てている若者が増えてきており、その大半は経済的に厳しい状況です。

充分な食生活を送れず、栄養失調が続くと若者であっても健康面の問題が現れてしまい、結果的に孤独死に繋がってしまいます。

また、「40代の孤独死」についても健康面の問題が大きな要因だと言われています。40代は四十肩や人生の折り返しという言葉があるように、健康面に問題が出始めやすい年齢です。

高血圧や糖尿病などといった生活習慣病もこの年代から急増します。

また、働き盛りと言われるこの年代は長時間労働していることが多く、家に帰ってから自炊する時間もないため、コンビニ弁当で済ませてしまうこともあるかもしれません。

孤独死とは、そのような社会的な背景も影響し、ひとつの要因になっているものと言えます。

人づきあいが少ない

孤独死とは、孤独であることが要因で起こってしまいます。したがって、人づきあいが少ないということはとても大きな要因になります。

孤独死の男女比は8:2と言われています。女性の孤独死が少ない理由は、男性と比較して社交的な方が多いからだと言われています。

特に今の70代以上の男性は、「男らしくしろ!」と言われて育ってきた方が多いので、積極的に他の人とお話しされる方が少ないのかもしれません。

また、「日本を立てなおす」ために尽くされてきた方々なので、仕事一筋で趣味のサークルへの参加や会社の外での交友関係を築かずに過ごしてこられたとも予想できます。

人づきあいが少ないことで、家の中で倒れてしまった場合であっても、誰にも気づかれずに放置されてしまうケースが多くなります。救急搬送されていれば助かったかもしれないケースも多くあるようです。

親族がいないか疎遠

孤独死とは天涯孤独な人に起こってしまうものだと考えていませんか?

実は、ご家族や親類がいても孤独死してしまう可能性があるのです。

なぜ家族がいても孤独死してしまうのでしょうか。それはご家族と疎遠になってしまっているからなのです。

昔はおじいちゃん、おばあちゃんと暮らすのが当たり前だったために、孤独死してしまう状況は少なかったのですが、今は核家族化し、別々に暮らすことが増えてきました。

忙しい日々の中でどうしても連絡をとれないこともあるでしょう。

あっという間に月日は過ぎて行ってしまいますが、思いついた際には連絡をとってみましょう。孤独死とは、少しの気遣いで防ぐことができるものです。

定年退職後か無職

定年退職や無職に共通しているのは、「仕事をしていない」というところです。

仕事というのは、収入を得るためだけのものではなく、社会と接するという側面もありますよね。定年退職や無職というのは、社会から孤立してしまいやすい要因です。

もし一人暮らしの方が家で倒れてしまった場合でも、出勤して来ないとなれば、会社は必ず連絡するはずです。社会との接点が亡くなった際に孤独死とは起こりやすくなると言えるでしょう。

孤独死を防止するには

孤独死とは、社会的な孤立から起こってしまうものです。したがって、孤独死を防ぐためには、社会との接点をつくることがとても重要になります。

孤独死を防止するためには具体的にどんな方法があるのかをご紹介していきます。

孤独死防止のサービスを利用する

ご高齢の方の孤独死を防止するためのサービスは少しずつ増えてきています。

各自治体の福祉サービスや、一般企業、NPOなどのサービスもみられるようになってきています。

孤独死を防ぐための直接的なサービスもあれば、定期的なサービスをおこなうことで継続して安否を確認するものなど様々です。

孤独死を防ぐための事業の内容とは、一体どのようなものなのでしょうか。そのなかのいくつかを挙げてみましょう。

  • 室内センサー(人感センサー)で安否を確認するサービス
  • 電話での安否確認コール
  • お弁当の宅配事業
  • 自治体の福祉スタッフによる見回り強化
  • 訪問介護サービス
  • 通所介護サービス(デイサービスやデイケア)
  • 介護予防事業

など、他にもいろいろなサービスがあります。訪問介護サービスや通所介護サービス、介護予防事業などは、お住まいの自治体や条件によっては介護保険や予防給付を使えるかもしれません。

もし担当のケアマネージャがいるならば、ぜひ相談してみましょう。孤独死を防ぐためのサービスとは名づけられていなくても、防ぐためのサービスはたくさんあるのかも知れません。

コミュニティに所属する

社会人サークルや習い事といったコミュニティに所属するのも良いでしょう。

今は中高年向けのサークルがたくさん作られています。サークル活動はランチ会やアウトドア、旅行、絵画などご趣味に合うものがきっとあるはずです。

習い事も書道やパソコンが人気だそうで、なかには10年以上続けている方もいらっしゃるようです。

孤独死とはコミュニティに参加し、社会に接することで防ぐことができます。また、それ以上に新しい出会いや、新しい知識・経験にふれることで活き活きとした生活を送れるようになるでしょう。

生活の質を高めて、楽しい毎日を送れることが社会と接することの良さではないでしょうか。

こまめに連絡する

お父さまかお母さまがご健在な場合のご家族、ご家族やご親類のいるご高齢の方、どちらにも言えることですが、お互いからこまめに連絡をとるようにしましょう。

気を遣って連絡を控えることもあるかとは思いますが、ご家族同士気にかかっている方も多いのではないでしょうか。

毎日となると難しいかも知れませんが、例えば週に1回でも定期的に連絡をする機会があるのが理想でしょう。

今はスマートフォンのアプリで安否が確認できるものもあるそうなので、これを機に利用してみても良いかもしれませんね。サービスの活用だけでなく、ちょっとした気遣いでも孤独死とは防げるものです。

関連記事:孤独死の対策について詳しく知りたい方はこちら
孤独死の対策はどうすればいいの?孤独死を防ぐためにできる対策と備え

孤独死を発見した場合

孤独死とはいくら防ごうと思っていても起こってしまうものです。

ご高齢の方や若い方でも、一人暮らしをしている以上は孤独死のリスクがあります。どうしても防げなかった孤独死が身の周りで起こってしまった場合、どのように対応すればよいのでしょうか。孤独死が起こってしまった場合の対応とはどうすれば良いのかをご説明します。

孤独死の第一発見者に多い人とは

孤独死とは、ご家族やご親族と疎遠な方に起こりやすいものなので、ご家族が発見するケースは少ないようです。

また、孤独死とは経済的に豊かでない方も多く、賃貸住宅に住んでいる方に起こりやすいことから、大家さんや不動産会社の方が第一発見者となることが多いようです。

郵便物が明らかに溜まっていたり、死後に時間が経過したことによる腐敗臭で住民の方が大家さんに連絡をすることで発覚するケースが多いのです。

孤独死した場合に対応する人

近隣の方の連絡が入り、孤独死の疑いがある場合は、大家さんか住宅管理会社の担当の方が対応することが多いようです。

ご家族の身元がすぐに分かる場合はすぐに連絡が入り、ご家族立ち合いの元手続きが進みます。

退去手続きや清掃費の負担や大家さんとの交渉など、その後の対応は連帯保証人が行うのが基本です。

連帯保証人が見つからなかった場合には相続人が行い、相続人もいない場合には大家さんが対応することになります。

発見した後の手順

孤独死を発見した場合の手順とはどのようなものなのでしょうか?

孤独死とは周囲と疎遠な方が多いので、いざ孤独死が起こってしまってもご本人について知らないことばかりです。

生前に関わりがあれば、なんとなく亡くなった後のご本人の意思や、保険や通帳などのことも考えられますが、分からないことだらけでは非常に大変な思いをすることになりますよね。

生前からできるだけ関りを持っておくのが一番良いですが、ここでは発見した後の手順をみておきましょう。

1 – 警察に連絡をする

ご遺体を発見した場合には、警察に連絡をします。警察は事件性があるのかどうかを判断するために現場検証を行い、ご遺体の搬送や金品・通帳などを保管します。

2 – 警察からご家族、ご親類に連絡が入る

警察によって、検死や必要であればDNA鑑定が行われ、部屋のなかにあった情報からご家族に連絡します。ご家族や身近なご親類がいない場合には、面識のない遠い親戚に連絡が入ることもあるそうです。

3 – 葬儀を行う

葬儀を行う手配をします。ご家族やご親類など対応できる方がいる場合は葬儀社に連絡します。対応できる方がいない場合には各自治体が対応することになります。詳しくは後でお話しします。

4 – 部屋の清掃

一般的な退去の際にはハウスクリーニング業者に依頼します。

しかし、孤独死の場合には死後から長時間経過していることもあり、ご遺体から出る腐敗臭や体液による汚れがあるため、「特殊清掃」が可能な業者に依頼することが多いようです。

5 – 遺品整理

ご遺体が長期間放置されていると、死臭や腐敗臭が遺品に染みついてしまいます。

遺品整理業者には、不用品回収の延長として遺品整理を行っている遺品整理業者もあり、死臭が染みついてしまっている場合には拒否されてしまうことがあります。

特殊清掃業者のサービスのなかに遺品整理も含まれているので、お部屋の状況によってはそちらを利用しましょう。

6 – 保険や預金通帳等の手続きを行う

公共料金や各種保険の解約など、たくさんの手続きをしなければなりません。預金の手続きなどもかなり複雑になるので、各種書類の準備も必要となります。

孤独死対応の専門家!特殊清掃とは

特殊清掃をする人

先ほども少し触れましたが、孤独死してしまった後に長期間放置されていた場合、強い汚染や臭いが発生します。

「特殊清掃」という名前の通り、一般的なハウスクリーニング業者だと対応しきれないような範囲の清掃を専門とする業者です。

特殊清掃の費用は、亡くなり方や部屋の広さ、部屋の散らかり具合によって5万円~50万円とかなりの幅があるようです。孤独死とは、その性質上どうしてもご遺体が長期間放置されてしまうことが多いので、特殊清掃業者にお願いする場合が多いといえるでしょう。

関連記事:特殊清掃について詳しく知りたい方はこちら
特殊清掃とは

特殊清掃を業者に依頼する時には遺品整理ドットコムを利用する

特殊清掃が必要になった場合、悪臭や害虫により周辺住民の方に迷惑を掛けてしまうので「緊急でとにかく早く対処して欲しい!」という要望が多いと思います。

しかし、いくら緊急とはいえ、焦って業者を選んで悪質な業者に依頼してしまっては意味がありません

では、なるべく時間を掛けずに安心できる業者を選ぶためにはどうすれば良いのでしょうか?

この記事を執筆している遺品整理ドットコムでは、依頼者さまに最適な特殊清掃業者を紹介するサービスを提供しています。

遺品整理ドットコムに登録されている特殊清掃業者は、遺品整理ドットコムのスタッフが一社一社面談して厳選しているので安心です。

さらに、遺品整理ドットコムで依頼すれば、24時間以内に対応可能な業者を紹介してくれるのと同時に、お見積もり金額以上の追加請求がないのも安心できるポイントです。

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孤独死した方の葬儀とは?ご家族がいる場合といない場合

孤独死後の葬儀

孤独死が増えている近年では、孤独死した方の葬儀についてのトラブルも目立つようになってきました。

孤独死とはご家族やご親族など周囲の方との関りが少ない人に起こるものなので、亡くなった後に誰が葬儀を行うのか気になりますよね。ご家族やご親族がいる場合と、いない場合についてご説明します。

ご家族やご親類が対応する場合

孤独死の場合、ご家族が葬儀をどう行うか決定します。

一般的な葬儀を執り行うには、120万円~の費用がかかるそうです。最近では費用が抑えられる「家族葬」や、式を行わずに火葬のみといった形式もあるようです。

お家族やご親類がいない場合

もしご家族がいない場合は、各自治体が「行旅病人及行旅死亡人取扱法」に則って葬儀を行います。火葬のみ執り行われ、無縁納骨堂に収められます。

関連記事:孤独死の葬儀について詳しく知りたい方はこちら
孤独死の葬儀ってどうやるの?

「孤独死とは」まとめ

孤独死のない社会

孤独死とは、社会的に孤立してしまうことにより起こってしまうものです。

人間は社会のなかで生きていく生き物と言われています。直接的な原因は、病気や突然死が多いですが、間接的には「孤独でいること自体が死因」とも言えるでしょう。

孤独死というと高齢者に起こりうる問題だと捉えられる傾向にありますが、今では若者や30〜40代のミドル層でも発生している問題です。

インターネットの進化によって人と直接会う必要がなくなって来ていますが、改めて人と人の直接的な結びつきや、コミュニティの重要性が認識されてきていると言っていいでしょう。

どんなに小さな接点でも構いません。外に出て人と関わるような努力をしていくようにしましょう。少しずつでもいいので、一人ひとりが社会と関わるようになっていけば孤独死という問題を無くすことができるのだと思います。

孤独死について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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