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投稿日:2017年05月06日 更新日:2023年07月04日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
2017年4月、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が、「2065年の日本の将来人口は、1億人を切る8,808万人になる」と発表しました。
中でも人口の約4割が65歳以上の高齢社会になると試算していますので、今後も孤独死の数が増え続けると思われます。
また、試算が約50年後とは言え、これからも増え続ける孤独死は、誰にでも降りかかる可能性がありますので、国民全員が真剣に取り組まなければならないテーマであるとも言えます。
自分が孤独死にならないためにはどうすれば良いのかを現在の孤独死数の統計からお伝えします。
増え続けている孤独死ですが、現時点では孤独死における定義は法的に定められておらず、孤独死の他、「独居死」や「孤立死」と呼ぶこともあります。
また、警察では「変死」として処理されているのが現状です。
一般的な説明によれば、「孤独死」とは、「居宅に一人住まいの人が、自殺や他殺以外で疾病や老衰により誰にも看取られずに亡くなる」ことを言います。
他の地域に親族がいる場合でも、独居で、死亡時に誰もそばにおらず、一人で死亡した場合を指します。
しかし、中には下記のように定義する人もいます。
社会問題視されている割には、様々な孤独死の定義があるため、現時点では国或いは地方自治体での孤独死の数の把握は進んでいないのが現状です。
宮城県が県内被災者の「孤独死」の定義を、「65歳以上の高齢者の1人暮らしで地域から孤立し、意思や状況が周囲から理解されないまま、結果として死に至った状況で発見されること」と厳格に定義していました。
その孤独死の定義を「仮設住宅の1人暮らしで死亡した人」として見直しを行いました。その結果、震災後の5年間の孤独死の認定数が0人から一気に85人に増えたと2016年4月に記事報道されました。
孤独死の定義の捉え方によりこんなにも数字に幅があることに驚かされました。
その反面、孤独死をどのように統計的に処理するかの難しさを思い知らされますね。
孤独死が増加していると言われている現代ですが、10年前と比べるとどの位の数が増えているのでしょうか。
国として孤独死の数を統計化していませんので、今回は、最も人口数が多い東京23区の統計データを参考にさせて頂きました。
このデータは、23区内の死因不明の遺体の死因を明らかにするために、解剖などを行っている「東京都監察医務院」が、自宅で死亡した単身世帯の調査を実施した結果の統計です。
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東京都監察医務院の統計から、孤独死の推移は10年前の平成17年の総計の1,900人程度から平成27年の総計の3,100人程度で1,200人ほど増えています。
下記のグラフを見ると60歳以上になると孤独死の数が飛躍的に多くなっていることがわかります。
性別で比較してみると女性よりも男性の孤独死が多い結果となっています。
さらに最も孤独死が多い年齢にも性別によって差があります。
男性では60代、女性では70代となっています。
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【参考・参照サイト】[1枚目、2枚目]『金涌佳雅,谷藤隆信,阿部伸幸,野崎一郎,青柳美輪子,落合恵理子,森晋二郎,舟山眞人,福永龍繁.東京都23 区における孤独死統計(平成15~19 年):世帯分類別異状死統計調査.東京都監察医務院編,2011』
孤独死が大きくマスコミで取り上げられるようになった背景が阪神淡路大震災であると言われています。
では、実際の孤独死数はどのくらいになるのでしょうか。
1995年1月17日に起こった阪神淡路大震災の孤独死数は、毎年増え続けて合計で1,000人を超えました。
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【参考・参照サイト】『阪神・淡路大震災18年 孤独死1000人超す』
2011年3月11日に起こった東日本大震災からすでに6年が経過しています。
この6年間に起こった3県(宮城・福島・岩手)の仮設住宅と災害公営住宅の孤独死数は、3県総数で、243人に上り、2015年に比べて40人増加しています。
県の内訳としては、宮城県114人、福島県75人、岩手県54人となっています。
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次に、2016年までの累計数243人の男女比を見てみましょう。
個人情報の関係から、仙台市や気仙沼市などでは、性別と年代が非公開のため、46人分は計上しておらず197名の性別が判明しています。
性別が判明している197人は、男性142人、女性55人で、男性は全体の7割となっています。ここでも、孤独死になりやすいのは男性だと言えます。
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【参考・参照サイト】[1枚目、2枚目]『河北新報 <震災6年>孤独死 被災3県243人』
では、孤独死になりやすい単身世帯(一人暮らし)はどのくらいの数があるのでしょうか。
「平成27年度の国勢調査の単身世帯の統計」からどの年代が多いのか見てみましょう。
40代以降の単身世帯は平成12年から年々増加傾向にあります。
またさらに60歳以上の高齢者の割合も増加しています。この統計からみても、孤独死につながる単身世帯の増加に加え、単身世帯が高齢化していることが分かります。
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[caption id="attachment_7094" align="aligncenter" width="647"] クリックして拡大[/caption]
【参考・参照サイト】[1枚目、2枚目]『平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査結果(概要版)』
次に、年代別でみて孤独死に陥る可能性が高くなる60歳以上の単独世帯者は、実際に孤独死についてどのように感じているのかをみてみます。
内閣府が発表した「平成28年版高齢社会白書(全体版)高齢者の生活環境」によれば、「孤立死(孤独死)を身近な問題だと感じている」設問に対し、60歳以上の2人以上世帯では、14.6%であるのに対し、60歳以上の単身世帯は45.4%と4割を超えている回答となり、孤独死への不安が浮き彫りになっています。
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【参考・参照サイト】『平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査結果(概要版)』
では、実際に孤独死をしていた人はどんな状況下にあったのかを統計からみてみたいと思います。
使う統計は、平成22年にニッセイ基礎研究所が実施した『セルフ・ネグレクトと孤立死に関する 実態把握と地域支援のあり方に関する 調査研究報告書』となります。
セルフ・ネグレクトとは、生活する上でのあらゆる物事を拒否したり、放棄したりする事で、孤独死の中でも、特に注意が必要な状態となります。
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孤独死の事例の実態として、セルフ・ネグレクトに「当てはまる・やや当てはまる」の割合が多い項目から列記しました。
上記のようになっており、孤独死の予防を行う上での、良い指針が読み取れ、自分が注意する事で、孤独死を防げる要素が多く、啓蒙活動の必要性を感じます。
【参考・参照サイト】『セルフ・ネグレクトと孤立死に関する 実態把握と地域支援のあり方に関する 調査研究報告書』
孤独死数の統計をこれまで様々な観点から見てきましたが、孤独死になりやすいタイプが見えてきたのではないでしょうか?
では、孤独死になりやすいタイプを孤独死数の統計とセルフ・ネグレクト事例の実態の統計から考えてみましょう。
どうでしょう、あなたは孤独死になりやすいタイプでしたか?
人間は生きている限り遅かれ早かれ、必ず死が訪れます。
自分は、「孤独死にならない!」と思っていても、いくつかの要素が重なりあった時には孤独死は起こりえます。孤独死は常に私達と背中合わせに存在しています。
現代、国や自治体で孤独死に対する政策を進めていますが、国民一人一人が孤独死に対する認識を深め、自分で孤独死をなくすために努力することも必要です。
これまで、孤独死数の統計を通して、孤独死になりやすいタイプを見てきましたが、これを機会に、今一度自分が孤独死になりやすいタイプかを確認してみてはいかがでしょうか。
まず、自分が孤独死になるタイプかどうかを考え、孤独死への対処を行いましょう。
さて、ここまで孤独死の現状などをお伝えしてきましたが、万が一家族が孤独死をしてしまった場合、どうすればよいのでしょうか?
ここからは孤独死を発見した場合の対処法をお伝えしていきたいと思います。
遺品整理に関して、孤独死でもそうでなくとも関係ないのではと思いがちです。確かにどのような亡くなり方をしたとしても、遺品整理は必要です。
しかし、孤独死というのは普段から誰かとの交流が少なかったり、親しい人はいても自宅に来る事がめったになかったりという風に、自宅にあるものを知っている人が少ないのです。
その為、いざ遺品整理をする段階になって、貴重品の置き場所やどの遺品を誰の為にとっておけば良いのか等が分からず、遺品整理に時間がかかってしまいます。
したがって、孤独死の場合の遺品整理にはより時間や手間、集中力が必要となってきます。
特殊清掃とは、事故や事件等、文字通り特殊な所で清掃を行う時に使われる言葉です。孤独死も特殊清掃の対象に含まれます。
孤独死をした遺体の発見が遅れた場合、家の中には強烈な死臭が立ち込めています。これは遺体が放置されていた期間が長い程、酷いものになっていきます。
臭いが悪化していく原因の1つとして、家の中の温度や湿度環境が挙げられます。その環境によっては雑菌が繁殖し、遺体が腐っていくスピードも早くなっていきます。
この死臭の発生源は、遺体から流れ出てくる体液によるもので、血液や排せつ物など様々なものが混ざった状態でそのままになっているのです。
したがって、孤独死の場合の特殊清掃には、通常の清掃ではまずやらない清掃の仕方が求められるのです。
特殊清掃が必要になった場合、悪臭や害虫により周辺住民の方に迷惑を掛けてしまうので「緊急でとにかく早く対処して欲しい!」という要望が多いと思います。
しかし、いくら緊急とはいえ、焦って業者を選んで悪質な業者に依頼してしまっては意味がありません。
では、なるべく時間を掛けずに安心できる業者を選ぶためにはどうすれば良いのでしょうか?
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孤独死数の統計を様々な面から見てきましたが、皆さんは孤独死についてどのように感じたでしょうか。
孤独死の定義の違いにより孤独死数に違いが出ることが分かりました。
東京都内だけでも年間に3,000人以上の方が孤独死で亡くなっています。
そして、孤独死になりやすいのが、50代以降の一人暮らしの男性で、孤独死の多くの要素がセルフ・ネグレクトであることが分かりました。
国や自治体では、孤独死数を減らす対策の措置を行っていますが、国民にはまだまだ浸透していないのが現状です。
そこで、孤独死の統計からみると、孤独死数を減らせる対策が見てみました。
具体的にはセルフ・ネグレクトの統計を見てみました。
その上位3つは、他者との関わりを拒否、閉じこもり状態、必要な保健・福祉サービスの拒否ということもわかりました。
このような事例を自分や家族にあてはまってるかというチェックリストもふまえることで、孤独死を防ぐ一助になれば幸いです。
孤独死について詳しく知りたい方がいればこちらをご覧ください。
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