認知症」ってどんな病気かご存知ですか?

「そんなのわかっているよ!」という方は、実は少ないのではないでしょうか。

認知症という病気を理解しよう

認知症とは、何らかの病気によって脳の神経細胞が壊れるために起こる症状を言います。

認知症とよく間違われるのが、「もの忘れ」です。これは誰でも年齢とともに、もの覚えが悪くなったり、人の名前が思い出せなかったりする症状で、脳の老化によって起こるものです。

認知症のうち、およそ半数はアルツハイマー型認知症です。そのアルツハイマー型認知症ではどんな症状が出てくるのでしょうか?

主な症状として、判断力低下や記憶障害、時間や場所が分からなかったり、話している言葉が理解できなかったりします。周辺症状としては、一人で歩き回ったり、意欲がなくなったり、怒りっぽくなったり、不安や幻覚が出てきます。

「一人暮らしの高齢者が認知症になったらどうなるか」を皆さんは想像できますか?

認知症になった時、そばに家族がいれば、代わりに手続きや身の回りの世話をしてくれるから良いですが、もしいなかったとしたらどうでしょう?

認知症になったら成年後見人の出番

認知症になると「成年後見人」という人の出番になります。

市役所や民生委員、社会福祉協議会が一人暮らしの認知症の方を見つけ、認知症の方をサポートする必要があると判断すると家庭裁判所に申立てを行います。

その後、家庭裁判所で選任された弁護士や司法書士などの専門職が「成年後見人」として、代わりに手続きや身の回りの世話をしてくれることになります。

そんな成年後見人として活動している専門職から、実際に認知症になった方をサポートしている時に目撃した、2人の高齢者女性のリアルな現場をご紹介したいと思います。

ある75歳の認知症の女性Aさんの場合

認知症の女性

夫を先に亡くした認知症の女性には、長女、長男、次女の3名も子どもがいました。

子どもがいるので成年後見人も必要なく、安心だと思われるこの75歳の認知症の女性。実はそんなことなかったんですね。

75歳の母の介護方針で揉める子どもたち

子どもたちが揉めた原因は、75歳の母の介護方針についてでした。

介護方針について、長女と長男・次女の意見が激しく対立してしまい、長女が一人で母親の面倒を看ると言い張り、勝手にその母親を自宅に連れてきて、自宅で介護を始めてしまったのです。

さらに長女は、その認知症の母親の代わりに色々と手続きができるようにと、自分を後見人候補者として家庭裁判所に申立てをしてしまったのです。

家庭裁判所は成年後見人を選任する時に、必ず親族に対して候補者が後見人になっても良いか意思確認をするのですが、今回の場合、当然ながら長男と次女が猛反対の意思表示をしました。

家庭裁判所は、長女を成年後見人にさせると、長男・次女とトラブルになる可能性が非常に高く、その女性のためにならないと判断した結果、第三者である専門職が成年後見人に選任することになったのです。

無料ではない成年後見人。仲良くすれば無料で済んだのに・・・

成年後見人に第三者が選任されると、当然その人に対して報酬を支払う必要が出てきます。

報酬の相場は、認知症の方の財産にもよりますが、通常月2万円〜3万円程度になります。年間24万円〜36万円程度とはいえ、もし子どもたちの仲が良ければこんな報酬は支払わなくて良かったので、非常に勿体無い感じがしますよね。

成年後見人は、入院費の支払いや年金入金の確認などの財産管理を行いました。

その時は、子ども3名から何も言われることなく、成年後見人の仕事を続けることができたようです。成年後見人が選任されて2年後にその認知症の女性は亡くなりました。

3名の子どもは葬儀に揃って参列してトラブルなく執り行われ、成年後見人の専門職がホッととしたのもつかの間、納骨するお墓や葬儀費用の分担など、相続手続きでも長女と長男・次女が結局対立してしまったのです。

醜い争いをしている子どもたちを天国から見ていると思うと、亡くなった女性が可愛そうですね。

ある77歳の認知症の女性Bさんの場合

認知症の女性

認知症だけでなく、若い頃から統合失調症の症状があった女性の話です。

その女性には、結婚して一緒に生活していた夫がいて、統合失調症の薬の管理などを行うなど献身的に彼女の生活をサポートしていました。しかし。彼女が67歳の時に、その夫が自宅の浴室にて心臓疾患で急死してしまいます。

統合失調症のために、過去に被害妄想から近所の人に暴力をふるってしまうなどの問題があったため、市役所の職員が一人暮らしすることは難しいと判断し、精神病院に入院することになります。

その後、市役所の職員が成年後見人を選任する必要があると考え、家庭裁判所に成年後見人を選任する申立てを行い、専門職が成年後見人に選ばれました。

その女性には兄弟が3人いたのですが、3人共も近くに住んでおらず、高齢で彼女をサポートすることができなかったため、専門職が成年後見人になりました。

成年後見人はその女性の代わりに、入院費の支払いや年金の入金確認などの財産管理や、空き家になってしまった自宅の管理、亡夫の相続手続きなどを行います。

施設に入所している場合、施設で着る洋服や下着など日用品については、施設の人が代わりに買ってきてくれることが多いですが、病院の場合、そのようなサービスは通常ありません。

そうなると、今回の場合、成年後見人が女性の洋服などを購入しなくてはいけないのですが、成年後見人からすると、どんな洋服を購入したら良いか非常に迷ったそうです。

予算もそうですが、どんなセンスの洋服が良いのかなど、成年後見人にはその女性の好みが分かりません。

成年後見人は女性に、女性らしくて可愛らしいピンクのスエットを買ってきたのですが、「ピンクは着ない。青が良い」と言われてしまったようです。成年後見人さんのお仕事も大変ですね。

「女性一人暮らしで認知症になったら?~成年後見人が見た現実~」まとめ

以上、2人の認知症の女性の話を紹介してきました。

どちらの場合にも、ある意味原因で他の人に対して迷惑をかけてしまっているようなケースです。

認知症にならないのが一番良いですが、認知症になるかどうかは分かりません。2025年には65歳以上高齢者の4人に1人が認知症になると言われています。元気なうちに、これからの老後について考えてみてはいかがですか?

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