オコマリブログ - 身近なお困りごとを解決します。
投稿日:2017年04月22日 更新日:2021年03月30日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
「終活」という言葉が定着するにつれて、「終活ノート」も一般的になってきました。「エンディングノート」とも呼ばれる「終活ノート」ですが、実際にはどのような役割があり、なにについて書かれているのでしょうか?
終活も終活ノート作りもやった方がいいとは思いつつも、なかなか始められなかったり、なにから書き始めればいいのかよく分からないと感じていらっしゃる方も多いことでしょう。ここでは終活ノートの役割と内容についてまとめました。
「終活ノート」の前に、そもそも「終活」とはどのようなものでしょうか?もともとは「自分の人生の終わりに向けての準備・活動」といった意味でした。
遺言書を作る・生前整理をする・葬儀の準備をする・相続対策を考えるなど、「遺族や関係者に迷惑をかけないためにやっておくこと」という側面が強調されていました。
現在では一歩進んで、「これまでの自分を一回総括し、これからの老後をよりよく過ごすための活動」という意味に変化してきています。
もちろん、遺言書作成・生前整理・その他もろもろ、やることが変わるわけではありませんが、心の置き方が随分と違っています。「後始末」ではなく、これから先を見据えた前向きな活動なのです。
では、「終活ノート」とはどのようなものでしょうか?
簡単に言えば、終活ノートとは「自分にもしものことがあった時に備え、残される遺族に対して伝えるべきこと・伝えたいことを書き記しておくノート」です。
内容は多岐にわたりますが、基本的には遺族が困らないように諸々の情報や自分の希望を伝えるものです。また、直接では言いにくい「感謝」などの気持ちも書き残すことで伝えることができます。
まずは、ハードとしての終活ノートを見てみましょう。終活ノートには大きく分けて、以下のような種類があります。
終活ノートとして作られ、出版されているものです。書店やインターネットで購入できます。価格は500円くらいから、上は豪華装丁版40,000円ほどのものとさまざまです。
また、終活ノートのみのものあればおまけをつけて付加価値をあげているものもあります。おまけはHow to本であったり、豆知識ページであったりとこちらもさまざまですので、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。
これら市販の終活ノートは、最初から書くべきことが章分けされ整えられているので、内容の書き漏れを防ぐことが容易です。
一方でページの増減がやりにくいので、極端にたくさん書く項目がある方には向かないかもしれません。また、ペットを飼っていないのにペットに関する記載項目があるなど、自分には不要な項目が入っている可能性もあります。
いわゆる大学ノートのような用途を指定しないノートで終活ノートを作成することも、もちろん可能です。
市販の終活ノートに比べると、安くすむことが最大のメリットです。終活ノートは一度書けばそれでいいというものではありません。自分の状況が変われば、書き直す必要も出てきます。
一般のノートであれば書き始めも、書き直しも気軽に始められるでしょう。
手書きに比べて、修正や変更が簡単です。パソコンでの入力が苦手でない方には、便利な方法と言えるでしょう。
PDFやdoc(docx)形式で終活ノートのフォーマットをダウンロードできます。
入力の済んだ項目を出力して紙として残すもよし、データのまま保持するもよし、終活ノートの保存方法を自由に決められます。
最初からCD-ROMやUSBメモリに終活ノートが格納されているタイプです。これらもこのまま保存する他に、紙への出力も可能です。
物理的な終活ノートを持たない方法です。
紙であれ、CDであれ、USBであれ、物理的な終活ノートに紛失の危険はつきものです。これを回避する新しい提案が、終活ノートのクラウドサービスです。
これは安否確認と連動しており、契約者(終活している本人)の安否確認ができなくなった(亡くなった場合など)場合に、家族などの事前に指定された人物にクラウドに保存してある終活ノートを開示するというサービスです。
継続的な費用が発生しますのでノートを買うことに比べれば費用は高くなりますが、終活ノートの紛失や盗難による情報漏えいのリスクは激減します。
終活フェアや葬儀の相談会などの会場では、終活ノートのプレゼントがあることがあります。また、終活ノートのサンプルが展示されていたり、終活ノートの書き方教室が開かれることもありますので、終活フェアに参加してみることもオススメです。
いろいろな終活ノートを見比べたり、試しに書いてみたりしてから、自分が書きやすいと感じるものを購入するとよいでしょう。
次にソフトとしての終活ノートを考えてみましょう。
終活ノートに書く内容については後述しますが、ここでは終活ノートの意義について述べることにします。終活ノートの最大の意義は、「家族・遺族を困らせない」という点でしょう。
延命措置や臓器提供についての意思決定は、家族に大きな負担をかけるものです。また、自分の最期は自分で決めたいという方もいらっしゃるでしょう。
リビング・ウィル(生前の意思/尊厳死の宣言)を行っていなくても、終活ノートに尊厳死の希望や臓器提供について書いておくことで、家族は「本人の希望はどうなのか?意に沿わないことをしているのではないか?」といった悩みを持たずに済みます。
家族に「最期に本人の意思を尊重することかできた」という安堵を残してあげましょう。
終活ノートに事務的な伝達事項をまとめておくことで、遺族の手間を軽減してあげることができます。
また、葬儀の希望についても書き残しておくことで、葬儀について遺族間で意見の相違・もめごとを回避できたり、知らせて欲しい友人への連絡が漏れるようなトラブルも回避できます。
終活ノートを書くということは「自分を見つめなおす」という側面があります。これまでの自分・今の自分を整理することで「これからの時間をどう生きたいか」が具体的になり、やりたいこともはっきりします。
中には、終活ノートを書くことで生前整理がはかどる方も多いようです。
生前整理とは、亡くなった方の持ち物を整理する「遺品整理」に対し、自分の終活の一環として生前に自分のモノを整理することを言います。自宅を引き払い、老人ホームに入る際に行うことも「生前整理」にあたります。
就活ノートを執筆していく中で、自分にとって必要なものと不要なものに区別ができ、生前整理がしやすくなるということです。
終活ノートとは「自分にもしものことがあった時に備え、残される遺族に対して伝えるべきこと・伝えたいことを書き記しておくノート」と書きました。ここでは、もう少し掘り下げてみます。
終活ノートは遺族に残すものなのに、自分のことを書く必要があるの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
まず自分のことから終活ノートを書き始めることで書き始めることのハードルが下がり、また自分を見直すのに役立ちます。
終活ノートの内容は、「遺族(家族)が知らないと困ること」「自分がこうしてほしいと思っていること」と考えれば思いつくものが殆どです。
終活ノートにこれらをまとめていくと、今の自分に必要なのにやっていないこと、不要になったのに放置していたことなどにも気付くことでしょう。終活が「人生の棚卸」と呼ばれる所以です。
ここでは、終活ノートに関して、間違いやすいことや気をつけることをまとめます。
終活ノートには遺言状のような法的拘束力はありません。終活ノートとはあくまでも「希望」や「事実」を書き残すものですので、強制力はないのです。
遺産・遺品などで特定の人物に特定の金額や物を残したい場合は、終活ノートではなく遺言状として自分の意思を残しましょう。
ただし、遺言状にすればどんな要望でも通るというわけではありません。トラブルを起こしそうな、極端な遺言はできれば避けましょう。どうしても遺言したい場合は、その理由を丁寧に書くようにしましょう。
終活ノートと遺言状の違い | ||
---|---|---|
終活ノート | 遺言状 | |
法的拘束力 | なし | あり |
書式 | なし | あり(書式に従わないと無効になる場合もあるので注意) |
開封 | 自由 | 種類によっては裁判所での開封手続きが必要 |
作成費用 | 数百円~ | 種類によっては数万円 |
メッセージ等 | 感謝などを書くことが多い | 記載は自由(書かない方が一般的) |
遺言に関する説明 | 記載は自由(書かない方が一般的) | 記載は自由(むしろ書いた方がよい) |
終活ノートにはかなりデリケートな内容や個人情報が含まれます。そのため、保管場所などの取り扱いには細心の注意が必要です。
ただし、項目が重複しないように、目的ごとに分ける場合は別です。生前に意思表示できなくなった場合に必要な分、亡くなってすぐ必要な分といったように明確に分けてあれば、複数の終活ノートを使い分けるのもよいでしょう。
自分の希望を書く終活ノートですが、中には希望を実行する側の理解を必要とするものもあります。
終活ノートの全てを見せる必要はありませんが、葬儀・相続などに関しては事前に話し合っておくことで、後々のトラブルを回避でき、遺族の負担を軽減してあげることができます。
例えば「葬儀は質素に」とか「家族葬でいい」などと終活ノートに書いていたとします。これを家族で話し合ってみると「質素」の解釈に差があることが分かるでしょう。
また中には「家族葬をみすぼらしい」と思う人もいるでしょう。このような齟齬が死後にでてしまうと遺族の負担やトラブルになってしまいます。
終活ノートに書いただけで満足せずに、事前に話し合って自分の意思を明確に伝え、かつ後日のトラブルを回避しましょう。
一度は書き上げた終活ノートも時間がたてば制度が変わったり、自分の気持ちが変わったりと、変更が必要になります。誕生日などのタイミングで、年に一度くらいは見直すとよいでしょう。
「遺品や形見について」で言及した「生前整理」について少し書きます。
終活ノートに直接、生前整理という項目があるわけではありませんが、遺品や形見について明確にしたり、今の自分について整理していくと、不要なものの処分は避けられない行為です。断捨離と同じと思ってもよいでしょう。
遺族が亡くなった方のものを整理することが基本的な「遺品整理」ですが、終活と一つとして自分のものを整理することを「生前整理」と言います。
なにも整理しないまま人が亡くなると、遺族は家財道具一式を整理しなくてはいけなくなってしまいます。
これは大変な作業で、やむを得ず、遺品の精査をせずに業者にすべて回収してもらうことになりかねません。これでは形見分けもできません。このような事態を避けるためにも、生前整理を行いましょう。
これまでの人生で積み重なってきたモノの整理とは、言うほど簡単にものではありません。特に一人では、なかなか進まなかったり、逆に勢い余って捨てすぎてしまうこともあるでしょう。
そんな時にはプロの手を借りるということも一つの手です。
生前整理・遺品整理業者が、自分ひとりでは行うことができない生前整理を手伝ってくれます。
生前整理をしていくとわかりますが、どうしても自分ひとりだと処分すべきか悩んでしまったり、重くて自分では片付けられないものが出てきてしまいます。
そのような時に相談に乗ってくれる存在として、生前整理・遺品整理業者がいます。
全国に生前整理業者は9,000社以上あると言われています。その中には相場とかけ離れた価格を要求してくるなどの悪質な業者がいます。
この記事を執筆しているオコマリでは、お客様に安心して生前整理を行ってもらうために、全国一律料金で追加料金一切ナシの定額パックプランを業界で初めて提供しています。
部屋の間取り別で料金が決まっているため、明瞭会計で安心です。
例えば、1K・1Rはたったの79,800円(税込)という価格設定となっており、現場の部屋の物量が少なければさらに減額させていただいております。
また、登録されている生前整理業者は、オコマリのスタッフが1社1社面談をして厳選しており安心です。
現地でのお見積りなしでも作業が可能ですので、急いでいる方にもオススメです。
問い合わせやお見積りはすべて無料ですので、気になる方は一度問い合わせをしてみて下さい。
終活ノートとは、遺族への配慮を形にしたものと言ってもいいものです。
葬儀一つとっても希望の祭壇はあるのか、たくさんの人に送って欲しいのか、家族だけで静かに送って欲しいのか、知らせてほしい人は誰なのかなどなど、家族・遺族と言えども分からないものだらけです。
通帳のしまってある場所なども一緒に暮らしていればなんとなく分かるものでしょうが、核家族化の著しい昨今ではこの「なんとなく分かる」が難しくなっています。
遺族に無用の負担をかけないために、そして自分を見つめなおして、これからの人生をよりよく生きるために、終活ノートを活用しましょう。
記事を読んで終活についてもっと学びたいと感じた方は、下記の記事も参考にしてみてください。
生前整理のことについて、わからないこと・不安なこと・他人には相談しづらいことなどおありかと思います。オコマリでは生前整理について、予算・スケジュール・安心できる業者なのか、など様々なご質問に生前整理に詳しいベテランのスタッフが親切丁寧にお答えし、お客様の不安を解消いたします。