滋賀県の県庁所在地である大津市は、琵琶湖の美しい自然環境と京都・大阪への良好なアクセスを兼ね備えた魅力的な都市です。しかし、全国の地方都市と同様に、人口減少や高齢化の進行により空き家問題が深刻化しています。
大津市の空き家率は全国平均を上回る傾向にあり、特に山間部や湖西エリアでは空き家の増加が顕著となっています。平成25年に国が実施した住宅土地統計調査によると、大津市の空き家率は約12%となり、今後も 増え続けることが予想されます。(「大津市空家等対策計画」より引用)
この背景には以下のような要因があります:
人口動態の変化
- 若年層の都市部流出
- 高齢者世帯の施設入所や死亡による住宅の空き家化
- 核家族化の進行による実家の相続問題
地域特性による課題
- 山間部では交通アクセスの制約により、若い世代の定住が困難
- 湖西エリアでは観光地化が進む一方で、定住人口の確保が課題
- 旧市街地では建物の老朽化が進み、住み替えが進んでいる
大津市における空き家増加の主要因は、地域特有の地理的・社会的条件と密接に関係しています。
地形的要因:大津市は琵琶湖と比叡山系に挟まれた特殊な地形を持ち、平坦な住宅適地が限られています。このため、山間部の傾斜地や湖岸の一部エリアでは、高齢化とともに住み続けることが困難になり、空き家化が進行しています。
交通インフラの格差 :JR東海道本線や京阪電鉄沿線の駅近エリアは利便性が高い一方で、バス路線のみに依存する地域では公共交通の利便性が低く、特に高齢者の生活に支障をきたしています。
経済的要因 :京都や大阪への通勤圏内でありながら、新興住宅地の開発により、古い住宅地からの人口流出が続いています。特に昭和40年代から50年代に建設された住宅の多くが、設備の老朽化により住み替えの対象となっています。
大津市の空き家問題は、単なる住宅問題を超えて地域コミュニティ全体に深刻な影響を与えています。
防災・防犯面への影響
- 管理不全の空き家による火災リスクの増大
- 不法侵入や犯罪の温床となる可能性
- 台風や地震時の建物倒壊リスク(特に琵琶湖西岸断層帯の影響を受けやすい地域)
景観・環境面への影響
- 琵琶湖の景観を損なう廃屋の存在
- 雑草の繁茂による害虫発生
- 観光都市としてのイメージ低下
地域経済への影響
- 固定資産税収入の減少
- 商店街の空洞化加速
- 地域の不動産価値の下落
大津市で空き家の売買を検討する際は、この地域特有の環境条件を十分理解する必要があります。
気候条件
- 湖岸特有の湿度の高さにより、建物の劣化が早い傾向
- 比叡おろしと呼ばれる強風の影響を受けやすいエリアが存在
- 積雪の影響(山間部では年間降雪量が平地の2倍以上)
地質・地盤条件
- 琵琶湖の堆積層による軟弱地盤エリアの存在
- 活断層(琵琶湖西岸断層帯)の存在による地震リスク
- 山間部の急傾斜地における土砂災害リスク
法規制・制約
- 琵琶湖の水質保全に関する条例による建築制限
- 風致地区や景観計画区域による建築デザインの制約
- 市街化調整区域での建築制限
本記事では、大津市の空き家問題を解決するために必要な情報を網羅的に提供します。
この記事を通じて、空き家バンクの詳細を確認しつつ、大津市の空き家問題に対する実践的で具体的な解決策を見つけていただき、琵琶湖のほとりでの理想的な住まいを実現するためのお手伝いをいたします。
【売却編】大津市で空き家を売却したい方へ

大津市で空き家を所有している方にとって、売却は重要な選択肢の一つです。滋賀県の県庁所在地である大津市は、京都や大阪へのアクセスが良好で、琵琶湖という豊かな自然環境に恵まれているため、適切な方法を選択すれば空き家の売却は十分に可能です。
大津市の空き家売却方法一覧
大津市で空き家を売却する際には、複数の選択肢があります。それぞれの特徴を理解して、ご自身の状況に最適な方法を選択することが重要です。
大津市空き家バンクの活用
大津市空き家バンクとは、市が運営する空き家と購入希望者をマッチングするサービスです。大津市では「大津市空き家情報バンク」として正式に運営されており、市内の空き家の有効活用と定住促進を目的としています。
登録方法と手続きの流れ
- 大津市のホームページから申込書をダウンロード
- 必要事項を記入し、物件写真と併せて提出
- 市の担当者による現地確認
- 登録完了後、ホームページに物件情報を掲載
- 購入希望者からの問い合わせ対応
- 契約は当事者間で直接行う
メリット・デメリット
空き家バンクの主なメリットは登録費用が無料であることと、市が広報してくれることです。また、移住希望者など真剣に購入を検討している方からの問い合わせが多いのも特徴です。
一方で、仲介業務は行わないため、契約手続きは売主と買主が直接行う必要があります。不動産取引に慣れていない方には負担が大きい場合もあります。
不動産会社での仲介売却
大津市内には多数の不動産会社があり、JR大津駅周辺や膳所駅周辺に集中しています。仲介売却とは、不動産会社が売主と買主の間に入り、売却活動から契約まで全般的にサポートするサービスです。
一般的な売却の流れ
- 複数の不動産会社に査定依頼
- 媒介契約の締結(専属専任・専任・一般から選択)
- 販売活動開始(広告掲載、内覧対応等)
- 購入申込み受付・価格交渉
- 売買契約締結
- 決済・引渡し
仲介手数料について
不動産仲介では、成約時に仲介手数料が発生します。法定上限額は以下の通りです:
売却価格 | 仲介手数料(法定上限) |
---|---|
200万円以下 | 売却価格×5%+消費税 |
200万円超400万円以下 | 売却価格×4%+2万円+消費税 |
400万円超 | 売却価格×3%+6万円+消費税 |
不動産買取業者への売却
不動産買取とは、不動産会社が直接物件を購入する方法です。大津市でも複数の買取業者が営業しており、特に築年数が古い物件や立地条件が厳しい物件でも対応してくれる場合があります。
買取のメリット・デメリット
最大のメリットは売却期間が短いことです。通常1週間から1ヶ月程度で現金化が可能です。また、仲介手数料が不要で、現況のまま売却可能なため、リフォーム費用をかける必要がありません。
デメリットは、仲介売却と比較して売却価格が2~3割程度低くなることが一般的です。
エリア別!大津市の空き家売却価格の傾向と対策
大津市は琵琶湖を中心とした地理的特徴により、エリアごとに売却価格や需要に大きな差があります。
大津駅周辺エリア
売却価格帯と市場動向 大津駅周辺は市の中心部であり、戸建住宅で1,500万円~3,000万円程度が相場となっています。県庁や市役所などの官公庁が集中し、商業施設も充実しているため、需要は比較的安定しています。
このエリアで売却する際の注意点
- 築年数の古い物件が多いため、建物の状態によっては大幅な価格減額が必要
- 道路幅が狭い物件が多く、建て替え時に制限がかかる可能性
- 駐車場の確保が困難な立地もあり、購入希望者が限定される場合がある
高額売却のためのポイント 大津駅から徒歩10分以内の立地の良さをアピールし、リフォームによる室内の印象向上が効果的です。特に水回りの更新は購入希望者の印象を大きく左右します。
膳所・石山エリア
売却価格帯と市場動向 京都市内への通勤圏として人気が高く、戸建住宅で2,000万円~4,000万円程度と大津市内では比較的高値で取引されています。特に膳所駅周辺は教育環境が良好で、ファミリー層に人気があります。
京都へのアクセスの良さを活かした売却戦略
- 京都駅まで約15分という立地の優位性を前面に押し出す
- 通勤ルートの具体的な所要時間を物件資料に明記
- 京都の住宅価格との比較を示し、コストパフォーマンスをアピール
住環境の魅力をアピールするコツ: 石山寺や瀬田川の自然環境、膳所城跡公園などの歴史的・文化的資源を活用したライフスタイル提案が効果的です。また、教育機関の充実も子育て世代には大きなセールスポイントとなります。
堅田・雄琴エリア
売却価格帯と市場動向 琵琶湖西岸に位置し、戸建住宅で1,000万円~2,500万円程度が相場です。雄琴温泉街としての知名度もあり、別荘需要や民泊需要も見込めるエリアです。
自然環境の魅力と売却時の注意点: 琵琶湖の絶景を楽しめる立地が多い一方で、車がないと生活が困難な場合が多いことを正直に伝える必要があります。また、冬季の積雪や湿気対策についても説明が必要です。
温泉地としての付加価値の活用法
- 民泊運営の可能性を具体的な収益例とともに提示
- 温泉街としての観光価値をライフスタイル提案に組み込む
- 琵琶湖での釣りやマリンスポーツなどのアクティビティをアピール
その他の山間部・郊外エリア
売却が困難な理由と対策 大津市の山間部ではインフラ整備が不十分な場合があり、上下水道の整備状況や道路の舗装状態が売却価格に大きく影響します。
主な課題 | 対策例 |
---|---|
交通アクセス | 最寄り駅までの所要時間を明記、バス路線情報の提供 |
インフラ整備 | 上下水道・電気・ガスの供給状況を詳細に調査 |
買い物・医療 | 最寄りの商業施設・医療機関までの距離を明示 |
管理費用 | 草刈りや雪かきなど維持管理の実情を説明 |
空き家バンクを活用した売却戦略 :山間部の物件は一般的な不動産市場では売却が困難ですが、田舎暮らしを求める移住希望者にとっては魅力的な場合があります。大津市空き家バンクを活用し、移住支援制度との組み合わせで訴求することが重要です。
高額売却を実現する5つのポイント
1. リフォーム・修繕の必要性判断
すべての空き家にリフォームが必要というわけではありません。投資額と売却価格上昇額のバランスを慎重に検討する必要があります。
効果的なリフォーム投資の例:
- 水回り(キッチン・浴室・トイレ)の更新:100万円~200万円の投資で200万円~400万円の価格上昇
- 内装クリーニング・壁紙張替え:20万円~50万円の投資で100万円~200万円の価格上昇
- 外壁塗装:80万円~150万円の投資で100万円~300万円の価格上昇
2. 適切な価格設定の方法
大津市の空き家売却では、周辺の成約事例を最低3件以上調査することが重要です。また、季節による需要変動も考慮する必要があります。一般的に、2月~3月と9月~10月は需要が高く、高値での売却が期待できます。
3. 魅力的な物件情報の作成方法
琵琶湖という地域特性を活かした情報発信が重要です:
- 琵琶湖までの距離と景観の有無
- 大津市特有の文化・歴史資源(比叡山、石山寺等)への距離
- 京都・大阪への具体的なアクセス時間
- 周辺の温泉施設情報
4. 内覧時の印象を良くする工夫
大津市の空き家では湿気対策が特に重要です。琵琶湖からの湿気や山間部の自然環境により、カビ臭さが発生しやすいため、十分な換気と除湿を行ってから内覧に臨みましょう。
5. 売却タイミングの見極め方
大津市では桜の季節(4月)と紅葉の季節(11月)に琵琶湖周辺の美しさが際立ちます。この時期に内覧を設定することで、地域の魅力を最大限にアピールできます。
また、大津市の定住促進政策の動向にも注意を払い、補助金制度が充実している時期に売却活動を行うことで、購入希望者の関心を高めることができます。
【購入編】大津市で空き家を購入したい方へ

大津市は滋賀県の県庁所在地として、琵琶湖の美しい自然環境と京都・大阪への良好なアクセスを兼ね備えた魅力的な地域です。空き家の購入を検討している方にとって、適切な購入方法と地域特性を理解することが成功の鍵となります。
大津市の空き家購入方法
大津市で空き家を購入する際には、それぞれの特徴を理解して、自分に最適な方法を選択しましょう。
大津市空き家バンクでの購入
大津市では、空き家の有効活用と定住促進を目的とした「大津市空き家バンク」を運営しています。このシステムは、空き家の売却希望者と購入希望者をマッチングする公的なサービスです。
空き家バンク利用の流れ:
- 利用登録申請:大津市役所住宅課への申請書提出
- 物件情報の閲覧:登録完了後、物件情報へのアクセス
- 物件見学の申込み:興味のある物件の内覧手続き
- 交渉・契約:売主との直接交渉(市は仲介しない)
空き家バンクの最大のメリットは、仲介手数料が不要である点です。ただし、契約手続きは当事者間で行う必要があるため、不動産の知識がない場合は専門家への相談をおすすめします。
一般的な不動産市場での購入
不動産ポータルサイトや地元の不動産会社を通じた購入方法です。大津市内には多くの不動産会社があり、豊富な物件情報を提供しています。
主要な不動産ポータルサイト:
- SUUMO(スーモ)
- HOME’S(ホームズ)
- アットホーム
- 楽待(投資用不動産)
不動産会社を利用する場合の仲介手数料は、一般的に物件価格の3%+6万円(税別)が上限となります。専門知識を持つプロのサポートを受けられるため、初心者にはおすすめの方法です。
エリア別!大津市の空き家購入の魅力と注意点
大津市は地域によって大きく特色が異なります。各エリアの特徴を理解して、ライフスタイルに合った地域を選択しましょう。
大津駅周辺エリア
購入価格帯と物件の特徴
大津駅周辺は市内でも最も利便性の高いエリアです。空き家の購入価格は比較的高めですが、その分資産価値も安定しています。
物件種別 | 価格帯(万円) |
---|---|
中古戸建て(築20-30年) | 1,500-2,500 |
中古戸建て(築30年以上) | 800-1,500 |
中古マンション | 1,000-2,000 |
土地のみ | 800-1,200(100㎡あたり) |
生活利便性の高さ
- 市役所、県庁、主要銀行が徒歩圏内
- 大津赤十字病院などの医療機関も充実
購入時に確認すべきポイント
大津駅周辺は交通量が多いため、騒音や排気ガスの影響を事前に確認しましょう。また、琵琶湖に近い立地のため、湿気対策も重要です。築年数の古い物件では、基礎部分の湿気による劣化がないかを入念にチェックしてください。
膳所・石山エリア
購入価格帯と物件の特徴
膳所・石山エリアは住宅地として人気が高く、特に子育て世代に支持されています。価格帯は大津駅周辺と同程度かやや安価です。
物件種別 | 価格帯(万円) |
---|---|
中古戸建て(築20-30年) | 1,200-2,200 |
中古戸建て(築30年以上) | 700-1,300 |
中古マンション | 900-1,800 |
土地のみ | 700-1,000(100㎡あたり) |
京都通勤圏としてのメリット
- JR東海道本線膳所駅から京都駅まで11分
- 石山駅は京阪石山坂本線との乗換駅で京都市内へのアクセス良好
- 通勤ラッシュ時でも座って通勤可能な場合が多い
教育環境と子育て世代への魅力
このエリアは教育環境が充実しており、子育て世代には特におすすめです。
- 膳所高等学校:滋賀県内屈指の進学校
- 石山寺周辺:歴史と文化に触れる環境
- 琵琶湖畔:自然環境での子育てが可能
居住時の注意点
膳所・石山エリアは人気が高い分、物件の競争率が激しい点に注意が必要です。良い物件はすぐに売れてしまうため、迅速な判断と行動が求められます。また、石山エリアの一部では琵琶湖の水位上昇時の浸水リスクがあるため、ハザードマップの確認は必須です。
堅田・雄琴エリア
購入価格帯と物件の特徴
堅田・雄琴エリアは大津市北部に位置し、琵琶湖の自然環境を満喫できるエリアです。価格帯は市内では比較的リーズナブルです。
物件種別 | 価格帯(万円) |
---|---|
中古戸建て(築20-30年) | 800-1,500 |
中古戸建て(築30年以上) | 400-900 |
中古マンション | 600-1,200 |
土地のみ | 400-700(100㎡あたり) |
琵琶湖の自然環境を楽しむライフスタイル
- 琵琶湖での釣りやマリンスポーツが身近に楽しめる
- 比良山系の登山やハイキングコースへのアクセス良好
- 四季を通じて豊かな自然を感じられる住環境
温泉地としての観光・民泊活用の可能性
雄琴温泉は関西屈指の温泉地として知られており、空き家を民泊や簡易宿泊施設として活用することも可能です。ただし、民泊運営には旅館業法の届出が必要なため、事前に自治体への相談が必要です。
居住時の注意点
このエリアは自然豊かな反面、公共交通機関の本数が少ないため、自家用車が必須となります。また、冬季は比良おろしと呼ばれる強風が吹くことがあるため、住宅の風対策も考慮しましょう。
山間部・郊外エリア
格安物件の魅力と注意点
大津市の山間部には、非常に安価な空き家が存在します。都市部では手が届かない価格で一戸建てを購入できる魅力があります。
物件種別 | 価格帯(万円) |
---|---|
中古戸建て(築30年以上) | 100-500 |
土地付き古民家 | 200-800 |
土地のみ | 50-200(100㎡あたり) |
田舎暮らしを始める際の心構え
山間部での生活は都市部とは大きく異なります。地域コミュニティとの関係構築が特に重要で、自治会活動や地域行事への参加が期待されることが多いです。
インフラ整備状況の確認ポイント
山間部の物件購入時には、以下のインフラ状況を必ず確認してください:
- 上下水道の整備状況:井戸水や浄化槽の場合の維持管理
- 電気・ガス・通信環境:プロパンガスや衛星通信の利用可能性
- 道路状況:冬季の除雪体制や道路幅員
- 最寄りの医療機関・商業施設までの距離
空き家購入時のチェックポイント
空き家の購入を成功させるためには、購入前の詳細な調査が不可欠です。特に以下の4つのポイントを重点的にチェックしましょう。
建物の状態確認方法
構造的な問題の確認:
- 基礎部分のひび割れや沈下
- 柱や梁の傾きや腐食
- 屋根の雨漏りや瓦のずれ
- 外壁のひび割れや塗装の剥がれ
設備関係の確認:
- 給排水設備の動作確認
- 電気設備の安全性
- ガス設備の点検記録
- 空調設備の動作状況
専門知識がない場合は、ホームインスペクション(住宅診断)の利用をおすすめします。費用は5-10万円程度ですが、購入後の大きなトラブルを避けることができます。
周辺環境・近隣関係の調査
生活環境の確認:
- 最寄り駅やバス停までの距離と交通の便
- スーパーマーケット、病院、学校などの生活施設
- 騒音や臭気などの環境問題
近隣関係の調査: 大津市の地域コミュニティは比較的密接な関係にあることが多いため、近隣住民との関係性も重要な要素です。可能であれば、平日と休日の異なる時間帯に現地を訪れ、地域の雰囲気を確認しましょう。
法的制限・建築制限の確認
都市計画法による制限:
- 用途地域による建築制限
- 建ぺい率・容積率の確認
- 高さ制限や斜線制限
その他の法的制限:
- 文化財保護法による制限(大津市には多くの史跡があります)
- 琵琶湖の景観条例による制限
- 土砂災害警戒区域等の指定状況
これらの情報は大津市役所の都市計画課で確認できます。購入前に必ず確認し、将来の建て替えや増改築の可能性も考慮して判断しましょう。
リフォーム費用の見積もり方法
空き家の多くは何らかのリフォームが必要です。購入価格だけでなく、リフォーム費用も含めた総額で投資判断を行いましょう。
一般的なリフォーム費用の目安:
リフォーム内容 | 費用目安(万円) |
---|---|
全面リフォーム | 500-1,500 |
キッチン交換 | 50-200 |
浴室交換 | 80-150 |
トイレ交換 | 20-50 |
外壁塗装 | 80-150 |
屋根修理 | 50-200 |
複数の業者から見積もりを取得し、工事内容と費用の妥当性を慎重に検討してください。特に大津市の気候特性(湿度が高く、琵琶湖からの風が強い)を考慮した施工が重要です。
大津市のリフォーム補助金

大津市は、空き家等の有効活用・定住促進などのため、市外から転入される世帯の方が、あるいは、市外から子・孫世帯が転入して世帯同居をされる世帯の方が、空き家等(建築後1年以上経過した住宅)の改修工事を行うのに要する経費の一部に対し、予算の範囲内において補助金を交付しています。
世帯とは、住居および生計を共にする者の集まりまたは独立して住居を維持し、もしくは独立して生計を営む単身者をいいます。
大津市定住促進リフォーム補助金
大津市定住促進リフォーム補助金は、定住を促進し、市内産業の活性化と空き家等の有効活用を図ることを目的としています。
補助金の対象者
リフォーム工事の施工主である人(世帯の構成員)を対象にしていますが、区分が2つあります。いずれも、次の要件を満たす必要があります。
- 大津市税を滞納していないこと
- 過去にこの補助金の交付を受けていないこと
- 対象のリフォーム工事に関して、大津市の他の補助や助成を受けていないこと
対象区分1:市外からの転入世帯
- 1年以上継続して市外に居住した後に、世帯全員が令和7年1月1日以降に大津市に転入済か、令和8年3月25日までに転入予定であること
(注)ただし、結婚を機に大津市へ転入される場合は、夫または妻のいずれかが市外からの転入者で、他の一方が令和6年12月31日以前から継続して市内に居住していれば、対象となります。 - 5年以上継続して居住する意思をもって、リフォーム工事を行う者
- 上記1および2を満たすこと
対象区分2:世帯同居(子や孫世帯が市外から転入して同居する世帯)
- 親世帯が令和6年12月31日以前から継続して市内に居住していること
- (1年以上継続して市外に在住する)子や孫世帯が市外から転入して親世帯に同居すること
- 5年以上継続して世帯同居する意思をもって、リフォーム工事を行う者(親世帯・子世帯いずれの構成員でも可)
- 上記1~3を全て満たすこと
詳細は必ず公式ウェブページをご覧ください。
対象住宅
次のすべてに当てはまる住宅が対象です。
- 補助対象者 または 補助対象者の2親等以内の親族が所有する住宅
- 築1年以上の住宅
(注)賃貸住宅や店舗、居住以外の用途の建物等は対象となりませんのでご注意ください。 - この補助金の交付を受けてリフォーム工事を行ったことがない住宅
対象となる工事の例
- 床、天井等の内装工事
- 屋根、外壁等の外装工事
- トイレ、台所、浴室等の水周りの改修工事や設備工事
- 手すりの設置や段差解消工事
- 子ども部屋の設置工事等の間取りの変更
- 和室を洋室に変更する等の模様替え
- 在宅テレワークを行うための工事
大津市の空き家の片付けなら遺品整理ドットコム
「空き家を見つけたけれど、中には荷物がいっぱい…」「片付けが大変でなかなか移住に踏み出せない…」「空き家を売りたいけど、まずは中身を整理したい!」そんなお悩みはありませんか? 遺品整理ドットコムなら、専門のスタッフが不要品の仕分けから処分までトータルでサポート!
- まるごと片付け対応:家具・家電・生活雑貨など、一軒まるごと対応可能
- 買取サービスあり:使える家具や家電は買取対応でお得に処分
- 全国対応&最短即日:地方の平屋でもご相談OK!
時間も手間もかかる空き家の片付け。 スムーズに進めるなら、まずは無料相談から!
まとめ
大津市における空き家の売却・購入は、適切な知識と戦略があれば必ず成功できます。琵琶湖の美しい自然環境と京都・大阪へのアクセスの良さを併せ持つ大津市は、空き家市場においても独特の魅力と可能性を秘めています。
空き家売却を成功させる3つのポイント
まず、大津市空き家バンクの活用は必須です。自治体が運営する信頼性の高いプラットフォームで、一般的な不動産市場では見つからない買い手との出会いが期待できます。
次に、エリア別の特性を理解することが重要です。大津駅周辺の利便性、膳所・石山エリアの京都通勤圏としての価値、堅田・雄琴エリアの自然環境と温泉地としての魅力を適切にアピールすることで、物件の付加価値を最大化できます。
最後に、売却前の適切な準備が成功の鍵となります。必要最小限のリフォームで物件の印象を改善し、適正価格での設定により早期売却を実現しましょう。
空き家購入を成功させる3つのポイント
購入においても、まず大津市空き家バンクの活用から始めることをお勧めします。市場価格より安価で良質な物件に出会える可能性が高く、自治体のサポートも受けられます。
次に、大津市定住促進リフォーム補助金の支援制度を積極的に活用しましょう。補助金により、購入後のリフォーム費用を大幅に軽減できます。
そして、エリア選びが将来の満足度を左右します。通勤の利便性を重視するなら膳所・石山エリア、自然環境での暮らしを求めるなら堅田・雄琴エリア、格安物件での田舎暮らしなら山間部・郊外エリアと、自分のライフスタイルに合った選択をすることが重要です。
大津市の空き家市場は、適切なアプローチにより売却・購入ともに大きなメリットを得られる魅力的な市場です。本記事で紹介した情報を参考に、あなたの空き家に関する目標を実現してください。不明な点があれば、大津市役所や地域の不動産専門家に相談することで、より確実な成功への道筋を描くことができるでしょう。
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