東京都の湾岸エリアに位置する江東区は、再開発による高層マンションの増加や交通インフラの充実により、近年ますます注目を集めている地域です。一方で、高度経済成長期に建てられた住宅や商店街周辺の空き家も増加しており、空き家の有効活用や売買に関心を持つ方が増えているのが現状です。
この記事では、「江東区 空き家」と検索する方に向けて、空き家を売りたい人と買いたい人それぞれに必要な情報を整理し、わかりやすく解説していきます。
江東区で空き家を売却したい人へ
東京都江東区で空き家を売却したいと考えている方に向けて、現時点で利用できる方法や支援制度についてわかりやすく解説します。江東区は都心に近く利便性が高いため、適切な対応をすれば高値での売却も十分可能です。
江東区に空き家バンクはあるの?
2025年3月現在、江東区では空き家バンクは提供されていません。そのため、空き家の売却は不動産会社など民間の流通網を活用する必要があります。
しかし、空き家バンクのように自治体が直接売却を仲介する仕組みはなくとも、江東区では老朽空家の除却や相談に関して支援制度が整っています。これらを上手に活用することで、コストを抑えながら有利に売却を進めることが可能です。
売却の手段と流れ
空き家を売却するには、以下の方法が一般的です。
- 不動産会社への仲介依頼(媒介契約を結び、買主を探してもらう)
- 買取業者への売却(早期現金化が可能だが価格は低め)
- 解体して更地で売る(特に老朽化が激しい場合に有効)
老朽化が進んでいる空き家の場合は、事前に建物の解体を行ってから更地として売却する方が買い手が付きやすく、トータルで高値になることもあります。
この際、解体費用に関する補助制度を活用することで負担を軽減できます。
江東区で使える空き家売却支援制度
老朽空家等相談員派遣制度
江東区の専門相談員(司法書士)による無料訪問相談が受けられる制度です。相続登記や売却に関する手続き、トラブル対応の方法などを専門家に相談できます。
- 対象者:空き家の所有者、相続人、委任を受けた者
- 対象建物:江東区内の老朽空家(ただし建築基準法違反・特定空家等は除く)
- 費用:無料
木造住宅の除却費用助成
老朽木造住宅の解体費用の1/2(上限100万円)を助成する制度です。
以下のような建物が対象です。
| 助成対象要件 | 内容 |
|---|---|
| 建築年 | 昭和56年5月31日以前の建築物 |
| 構造 | 木造または木造を含む混構造 |
| 用途 | 戸建て住宅、長屋、共同住宅 |
| 耐震性 | 問診または専門家診断で耐震性が不十分と判断されたもの |
- 申請前に必ず窓口で相談が必要
- 助成額:解体費用の1/2(上限100万円)
不燃化特区支援制度(北砂三~五丁目)
江東区では一部地域(北砂三・四・五丁目)を対象に、不燃化を促進するための支援制度を実施しています。空き家の除却、建替え、住替え、税減免などが対象になります。
以下に主な支援の概要をまとめます。
| 支援内容 | 補助対象 | 上限金額 |
|---|---|---|
| 老朽建築物の除却 | 耐用年数の2/3以上経過した建物 | 最大100万円程度(事業ごと異なる) |
| 建替え支援 | 準耐火・耐火建築物への建替え | 設計費・監理費・建築工事費を助成 |
| 住替え支援 | 所有者または賃借人の住替え | 内容により異なる |
| 税減免 | 固定資産税・都市計画税 | 条件により適用可 |
対象地域であれば、解体+建替え+住替えを一体的に支援してもらえる非常に手厚い制度です。
高額で売却するためのポイント
- 建物の状態が悪ければ、除却助成を使って更地にする
- 相談員派遣制度で法的手続きや相続問題を事前に解決しておく
- 北砂地区など特区対象地域であれば、積極的に助成を活用する
- 購入希望者が安心できる情報(用途地域、接道状況、建築可否など)を用意する
特に老朽化が進んだ物件を放置しておくと、「特定空家」に指定される恐れがあり、固定資産税が高額になることもあるため、早めの対応が肝心です。
江東区で空き家を売る際の注意点
- 解体工事や助成申請は必ず「区の交付決定後」に着手すること(着工前の申請が必須)
- 解体後の土地が再建築不可かどうかを事前に確認
- 地域によっては不燃化方針により建築制限がある(北砂など)
江東区では空き家バンクこそ存在しないものの、複数の公的制度を活用すれば、コストを抑えつつ適正価格での売却を目指すことが可能です。特に老朽化した物件を所有している場合は、早めに相談し、計画的に処分・活用していくことをおすすめします。
江東区で空き家を購入したい人へ
東京都心からのアクセスも良く、再開発が進むエリアとして人気の江東区。しかし、住宅価格の高騰により「空き家を購入してリフォームしたい」と考える人も増えてきました。この章では、江東区で空き家を購入する際の方法、利用できる支援制度、購入前に気をつけるポイントを初心者にもわかりやすく解説します。
空き家の探し方:どこで探すのが現実的か?
2025年4月現在、江東区には「空き家バンク」が設置されていません。そのため、空き家の情報は以下のような手段で収集する必要があります。
-
民間の不動産仲介サイト(SUUMO、アットホームなど)
再建築不可や古屋付き土地として掲載されている場合があります。 -
地元の不動産会社への直接問い合わせ
ホームページに掲載されていない物件情報(非公開物件)を持っていることもあります。 -
空き家所有者向けの相談会・解体助成制度の窓口から情報を得る
区の制度利用者が売却を検討しているケースも。
注意点として、「空き家=安い」とは限りません。 立地条件や土地の権利関係、再建築の可否などによっては、価格の割にリスクが大きい場合もあります。
購入後に活用できる助成制度・支援策
江東区では、空き家そのものの購入に対する直接的な補助金はありませんが、除却(解体)や建替えに関する助成制度が複数用意されています。購入後にうまく活用することで、改修や建替えにかかる費用を抑えることが可能です。
主な助成制度一覧
| 制度名 | 内容 | 対象 | 上限額 |
|---|---|---|---|
| 木造住宅除却助成 | 解体費の1/2を助成 | 昭和56年以前の木造住宅 | 最大100万円 |
| 不燃化特区支援制度 | 解体・建替・住替費用等の助成 | 北砂三・四・五丁目地区(北砂三丁目の一部、北砂四丁目、北砂五丁目の一部) | 内容により異なる |
| 固定資産税・都市計画税の減免 | 除却後や建替後の税減免 | 老朽建物を除却した土地所有者 | 税額減免 |
これらはすべて事前申請が必要で、交付決定前の着工には助成が適用されません。申請前には必ず区役所や不燃化相談ステーションでの相談を行いましょう。
江東区で空き家を購入する際の注意点
江東区は都市部ならではの法的・構造的なリスクもあります。以下の点は購入前に必ず確認しておきましょう。
・再建築不可物件に注意
都市計画上、接道義務を満たしていない土地は、建物を取り壊した後に再建築ができません。このような物件は価格が安く設定されていることがありますが、リフォームして使う以外の用途が制限されるため、購入前に法務局や不動産会社を通じてしっかり確認が必要です。
・耐震性・老朽化の確認
昭和56年以前に建築された建物は、旧耐震基準の可能性があります。建築士による建物診断(インスペクション)を行うことで、耐震性や修繕の必要性を把握できます。
・境界問題や共有名義のリスク
敷地境界が曖昧だったり、相続登記が未了で共有名義になっている場合、スムーズな購入ができないこともあります。司法書士のサポートが必要になるケースも多いです。
その地域に住む際の生活上の注意点
江東区はエリアによって生活環境やインフラが大きく異なります。特に注意したいのは以下のような点です。
- 高潮・洪水リスク:海抜が低い地域が多いため、ハザードマップの確認は必須です。
- 交通アクセスの差:臨海部や島しょ部では、鉄道駅からの距離やバス便の有無によって日常の利便性が異なります。
- 再開発による将来的な環境変化:大規模開発エリア周辺では、建物の騒音・工事などが今後数年続く場合もあります。
江東区で空き家を購入する際は、不動産選びの目利き力と、区の支援制度を活用する戦略性が重要です。空き家バンクが存在しない分、情報収集には多少の手間がかかりますが、そのぶん条件の良い物件を見つけられるチャンスもあります。
物件購入の前には、不燃化支援制度の活用や助成の事前相談を通じて、費用・リスクを最小限に抑えた空き家活用計画を立てるようにしましょう。
江東区における地域別の空き家の価格
江東区は東京都の東部に位置し、湾岸エリアと下町エリアの両方を内包する多様性のある地域です。空き家の価格も、地域によって大きく異なります。本章では、江東区の主要地域別における空き家価格の相場と特徴、居住時の注意点について解説します。
地域別空き家価格の目安
以下の表は、2024年時点における江東区内の代表的な地域ごとの空き家(築30年以上の戸建て物件)の**市場価格の目安(現況渡し・リフォーム前提)**を示したものです。
| 地域名 | 空き家相場(万円) | 特徴 | 居住時の注意点 |
|---|---|---|---|
| 門前仲町 | 6,000〜9,000 | 商店街と下町情緒が魅力の人気エリア | 土地が狭小なことが多く、再建築に制限あり |
| 清澄白河 | 5,500〜8,500 | カフェ文化が根付き、若年層にも人気 | 人気急上昇中で物件が少ない |
| 森下・菊川 | 4,500〜7,000 | 交通利便性が高く、落ち着いた住宅街 | 路地が狭い箇所が多く、車利用には不向き |
| 東陽町 | 5,000〜7,500 | オフィス街と住宅街が混在 | 大通り沿いの騒音、夜間人通りの少なさ |
| 北砂・南砂 | 3,000〜6,000 | 大型商業施設が近く、再開発が進むエリア | 一部で不燃化促進地域に指定 |
| 亀戸・大島 | 4,000〜6,500 | 下町感と商業エリアのバランスが良い | 耐震性に劣る物件が多く見られる |
| 豊洲・有明 | 物件ほぼなし | 超高層マンション中心で空き家は稀 | 空き家流通市場にはほぼ出てこない |
各エリアの特徴と空き家事情
門前仲町エリア
伝統ある深川不動堂や富岡八幡宮を中心に下町情緒が残る人気の居住エリア。空き家は少ないが、古くからの住宅街のため築年数の経った木造物件が見られる。
注意点としては、再建築不可や狭小地物件が多いため、用途制限や建築基準法上の確認が重要です。
清澄白河エリア
美術館やおしゃれなカフェが並ぶ新たな文化の発信地として、近年人気が急上昇。空き家は非常に少なく、出ても高額になりやすい傾向があります。
注意点は、人気エリアゆえに不動産投資家との競争が激しく、内覧から購入決定までのスピードが求められる点です。
森下・菊川エリア
都営新宿線・大江戸線が交差する交通至便な住宅エリア。昭和期の戸建て住宅が多く、空き家も比較的流通している。注意点は、古い街並みの中にあるため路地が狭く、車の出入りや搬入に不便な物件もあることです。
東陽町エリア
官公庁やオフィスが集まる一方で、大規模団地や戸建て住宅も点在。空き家は比較的高値で取引されますが、エリアによって価格差が大きいのが特徴です。
注意点としては、大通り沿いの物件は騒音のリスクがあるため、現地確認が重要です。
北砂・南砂エリア
ショッピングセンターや学校、公園が整備され、子育て世帯にも人気の住宅地。老朽化した戸建て住宅も多く、空き家として出回る物件が一定数あります。
この地域は江東区が指定する**「不燃化特区」**の対象となっており、除却や建替えに対する補助金制度が使える場合があります。注意点は、助成を受けるには事前相談と事務手続きが必要なため、タイミングと準備が大切です。
亀戸・大島エリア
大型商業施設があり、生活利便性が高いエリア。住宅と商業のバランスが良く、築古戸建てが空き家として市場に出ることもあります。注意点は、耐震基準を満たさない物件が多く、購入後に耐震補強工事が必要になる可能性がある点です。
豊洲・有明エリア
タワーマンション中心のエリアで、空き家=中古マンションとなることが大半です。空き家としての戸建てはほとんど流通していません。注意点としては、土地付き物件は極めて少なく、空き家活用という観点では該当しないことが多い点を留意しましょう。
空き家の価格はどうやって決まるのか?
空き家の価格は以下のような要因に左右されます:
- 土地の立地(駅距離、商業施設や学校の有無)
- 建物の築年数・状態・構造(耐震性の有無)
- 再建築の可否や接道条件(建築基準法上の制限)
- エリア全体の地価動向(再開発や人気エリア化)
江東区は場所によって不燃化助成制度や除却補助金などの公的支援も活用できるため、事前に地域特有の制度の有無を確認することが、購入・売却を成功させるカギとなります。
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まとめ
江東区で空き家を売却・購入しようと考えている方にとって、地域ごとの特徴や相場、そして活用できる支援制度を把握することは非常に重要です。江東区は、再開発が進む湾岸部と、古くからの下町エリアが混在する区であり、空き家の状況や価格もエリアによって大きく異なります。
たとえば、門前仲町や清澄白河といった人気エリアでは空き家の数が少なく、価格も比較的高額となる傾向があります。一方で、北砂・南砂や亀戸などでは老朽化した木造住宅が空き家として出回ることがあり、比較的安価に入手できるケースも見られます。ただし、こうした築年数の古い物件では、再建築不可や耐震性の問題がある場合も多いため、注意が必要です。
江東区には、空き家の売却・活用を後押しするための行政支援制度も複数用意されています。特に注目すべきは、老朽空家等相談員派遣制度や木造住宅の除却に対する助成金制度(最大100万円)、さらに北砂三・四・五丁目地区を対象とした不燃化特区支援制度です。これらを活用すれば、老朽空き家の解体や建替えにかかる費用負担を大幅に軽減できるため、売却の選択肢も広がります。
また、空き家バンクのような全国的な制度は江東区にはまだ導入されていませんが、不動産会社や専門の仲介サイトを活用すれば空き家物件にアクセスすることは十分可能です。特に購入希望者は、建物の構造・耐震性・法的制限などを事前にしっかりと確認することで、購入後のトラブルを防ぐことができます。
さらに、空き家を取得してリフォームや建替えを行うことで、住宅としての活用だけでなく、賃貸住宅・店舗・地域交流スペースとしての利活用も視野に入れることができます。江東区は住民ニーズも多様であり、創意工夫次第で空き家が新たな価値を持つ「資産」となり得るのです。
江東区で空き家の売却や購入を検討している方は、まずは対象となる地域の価格相場や行政制度を調べ、必要に応じて相談窓口(住宅課や不燃化相談ステーション)に連絡を取ることをおすすめします。情報と準備をしっかり整えることで、失敗のない空き家取引を実現することができるでしょう。



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