東京都23区の中でも、落ち着いた住宅街として人気の高い杉並区。そんな杉並区でも、空き家の活用や売買に関心を持つ人が年々増えています。
空き家問題は、全国的な社会課題となっており、杉並区も例外ではありません。相続などをきっかけに空き家を所有する人や、住宅購入を検討している人にとって、空き家の利活用はチャンスでもあります。
このブログ記事では、以下のような方に向けて、杉並区での空き家売買に関する情報をわかりやすく整理してお届けします。
- 杉並区内の空き家を売却したい方
- 空き家を購入して移住・活用したい方
- 自治体の支援制度や補助金について知りたい方
杉並区の空き家をめぐる現状と課題

杉並区の空き家率は他の都市部と比較して高くはないものの、老朽化した住宅や相続後に放置された物件が点在しています。これにより、防犯・防災面でのリスクが増大するケースもあり、区としても活用の促進に力を入れています。
杉並区で空き家を売買するメリット
- 治安が良く、住環境が整っている
- 中央線・丸ノ内線などアクセスが良く、都心への通勤にも便利
- 教育機関・公園・商業施設が多く、子育て世代にも人気
一方で、杉並区での住まいや不動産取得にはいくつかの注意点もあります。
杉並区に住む際の注意点
注意点 | 内容 |
---|---|
固定資産税が高め | 立地の良さゆえ、税評価額が高い傾向があります |
古い物件は耐震性に注意 | 昭和期の住宅は、耐震基準を満たしていない可能性があります |
住宅密集地が多い | 建て替えや駐車場の確保が難しい場合があります |
これらを踏まえつつ、杉並区で空き家の売買を進めるには、制度や支援を正しく理解し、賢く活用することが大切です。
次の章からは、売却・購入それぞれの視点から、杉並区での空き家活用の方法を詳しくご紹介していきます。
杉並区の空き家を売りたい方へ

杉並区で空き家を売却したいと考えている方に向けて、利用できる制度や、少しでも高く売るためのコツをわかりやすく解説します。特に杉並区は23区の中でも住宅地として人気があり、空き家を有効活用すれば資産価値をしっかり活かすことができます。
杉並区に空き家バンクはある?
2025年4月現在、杉並区では空き家バンク制度は設けられていません。
「空き家バンク」とは、自治体が主体となって空き家の売却・賃貸情報を提供し、買主や借主を探すマッチングサービスですが、杉並区はこの制度を採用していません。
その代わりに、空き家所有者向けの相談窓口や支援制度が整備されており、専門家からアドバイスを受けることができます。
空き家を売却する方法とは?
空き家の売却には複数の方法があり、それぞれに特徴があります。
不動産仲介を通じて売却
最も一般的な方法は、不動産会社に仲介を依頼することです。売却活動や買主との交渉、契約締結までをサポートしてくれます。
不動産買取業者への売却
「早く手放したい」「手間をかけたくない」という場合は、不動産買取業者に直接売る方法もあります。仲介よりも価格は下がる傾向にありますが、スピード感があります。
リフォーム後に売却
建物が古い場合でも、部分的にリフォームを加えることで資産価値を高め、高額で売却できる可能性があります。
更地にして売却
建物の老朽化が進んでいる場合は、解体して更地にすることで買い手がつきやすくなることがあります。ただし、解体費用が発生します。
売却方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
不動産仲介 | 最も一般的 | 高く売れる可能性 | 売却まで時間がかかる |
不動産買取 | 直接業者に売る | 早く現金化できる | 価格は低くなりがち |
リフォーム売却 | 改修後に販売 | 資産価値UP可能 | 初期投資が必要 |
更地売却 | 解体して売る | 利用者の自由度が高い | 解体費用がかかる |
高額で売却するためのコツ
空き家を少しでも高く売るには、以下のような点に注意すると効果的です。
建物の印象をよくする
空き家であっても、掃除や草木の手入れをするだけで見た目の印象が大きく変わります。購入希望者が内見する際に好印象を持ってもらえるよう、最低限の清掃を行いましょう。
インスペクション(住宅診断)を活用する
インスペクションとは、住宅の劣化状況や構造の健全性を調査するサービスです。購入者にとっての安心材料になるだけでなく、売主側も売却時に正確な状態を把握できます。
販売前に専門家に相談する
杉並区では、無料で空き家活用について専門家に相談できる窓口が設置されています。
-
杉並区空家等利活用相談窓口
https://www.city.suginami.tokyo.jp/s093/17358.html
→ 不動産活用や税務相談も対応 -
専門家による空家等総合無料相談
https://www.city.suginami.tokyo.jp/s093/1842.html
→ 弁護士・司法書士・建築士など多分野の相談が可能
「何から始めたらよいかわからない…」という方でも、ここに相談すれば方向性が見えてきます。
売却前に知っておきたい杉並区の特徴と注意点
杉並区は閑静な住宅街が多く、子育て世帯にも人気のエリアです。その一方で、建築制限や用途地域の制約がかかる場合もあります。
建築制限の例:
- 第一種低層住居専用地域では3階建てが建てられないケースあり
- 再建築不可物件(接道義務を満たさない土地)は売却が困難
売却前には、対象物件がどのような法的制約を受けているかを確認しておくことが重要です。不動産会社や相談窓口での事前確認をおすすめします。
杉並区で空き家を売却する際には、空き家バンクは利用できないものの、無料の相談窓口を活用することでスムーズに進めることができます。
売却方法を選ぶ際には、目的や状況に応じて柔軟に判断することが大切です。
次章では「空き家を購入したい方向け」に、購入方法や助成金について解説していきます。
杉並区の空き家を買いたい方へ

杉並区で空き家を購入したいと考えている方に向けて、「購入の方法」「活用の注意点」「利用できる補助制度」などをわかりやすく解説します。中古住宅や空き家は新築と異なり、状態や法的条件に注意すべき点もありますが、うまく活用すればコストを抑えつつ自分らしい住まいを実現することができます。
空き家を購入する主な方法
杉並区内で空き家を購入する場合、以下の方法が一般的です。
不動産ポータルサイトを活用する
代表的なサイトには以下のようなものがあります:
- SUUMO(スーモ)
- at home(アットホーム)
- HOME’S(ホームズ)
これらのサイトでは、物件情報の検索はもちろん、写真や間取り図、築年数なども確認できます。
地元の不動産会社に相談する
杉並区に拠点のある不動産会社であれば、ネットには掲載されていない掘り出し物件や、売主との直接交渉ができる場合もあります。また、建築制限やリフォームの可否など、地域特有の事情にも精通しているため、安心です。
杉並区の「空家等利活用相談窓口」を活用する
杉並区では「空家等利活用相談窓口」を設置しており、空き家の購入・利活用に関する専門家への無料相談が可能です。
参考:杉並区 空家等利活用相談窓口
https://www.city.suginami.tokyo.jp/s093/17358.html
この窓口では物件の紹介は行っていませんが、空き家の活用法や、必要な手続きの流れ、注意点などを相談することができます。
空き家を購入後に使える補助金制度
購入した空き家の状態によっては、老朽化が進んでいることがあります。杉並区では、老朽化した空き家を解体する際に補助金を利用できる制度があります。
老朽危険空家除却費用の助成制度
この制度は、倒壊などの危険がある空き家を除却(解体)する際の費用を一部助成する制度です。助成内容の一例は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
対象 | 老朽危険空家であって、(1)杉並区内に存し、年間を通して使用されていないもの(2) 共同住宅及び長屋については、全住戸が空室となっているもの(3)所有者が個人であること(法人は不可)。かつ住宅部分の延床面積が2分の1以上のもの |
助成対象費用 | 除却工事に要する費用(解体費) |
助成金額の上限 | 除却工事費の80%、または150万円の低い額 |
申請時の注意点 | 工事着手前に申請が必要 |
参考:杉並区 老朽危険空家除却費用の助成制度
https://www.city.suginami.tokyo.jp/s093/1839.html
なお、リフォームや耐震補強に関しては東京都または国の制度が利用できる可能性があります。これについても、相談窓口で確認することをおすすめします。
空き家購入に際しての注意点
杉並区のような都市部では、建築基準法や都市計画法による制限が多いため、以下の点に注意が必要です。
建て替えができない可能性がある
空き家の中には「再建築不可物件」と呼ばれるものがあります。これは接道義務を満たしていないため、建て替えができない土地に建つ建物です。物件購入時には、接道状況と建築制限を必ず確認しましょう。
リフォーム・DIYには建築基準の確認が必要
古い物件を自分好みにリフォーム・DIYしたいと考える方も多いですが、耐震基準や消防法など、法的な制約を受けるケースもあります。とくに木造の古家では、壁の撤去や間取りの変更に制限があることも。事前に専門家の確認を取りましょう。
杉並区内の居住には住環境にも配慮を
杉並区は住宅密集地も多いため、空き家を活用して住まいにする際には騒音、日照、ゴミ出しルールなどの地域ルールにも注意が必要です。近隣とのトラブルを避けるためにも、事前の地域調査(昼夜・平日と休日の環境)を行うことをおすすめします。
空き家購入後の活用アイデア
購入した空き家は、以下のような形で活用できます:
- 自宅としてリノベーション
- 賃貸住宅として運用(家賃収入)
- コワーキングスペースや店舗に転用(用途変更には届け出が必要)
うまく活用すれば、コストを抑えながら資産としても価値を持つ住まいづくりが可能です。
まとめ
杉並区で空き家を購入する際には、物件探しの方法だけでなく、補助制度や法的制限の確認、地域性の理解が欠かせません。まずは相談窓口を活用し、自分に合った活用方法を見つけましょう。
不明点がある場合は、杉並区の「空家等利活用相談窓口」へ相談するのが最も確実な第一歩です。
杉並区の地域別の不動産価格と生活時の注意点

杉並区は、東京23区の中でも住みやすさとアクセスの良さが魅力のエリアです。区内でもエリアによって不動産価格や生活環境に違いがあるため、空き家の売却価格の相場を知りたい方や、購入後にどのような暮らしになるかを想像したい方にとって、地域ごとの情報はとても重要です。
ここでは杉並区の代表的な地域における不動産価格と、それぞれの地域に住む際の生活面での注意点をまとめます。
杉並区の主要エリア別 不動産価格(2025年4月現在)
以下は、SUUMOやアットホーム等の不動産ポータルサイトを参考にした、中古戸建て住宅の平均価格(70~100㎡程度)の目安です。
地域名 | 平均価格帯(万円) | 特徴 |
---|---|---|
荻窪(おぎくぼ) | 6,000〜9,000 | 商業・住宅バランス型。中央線・丸ノ内線の2路線利用可能。 |
西荻窪(にしおぎくぼ) | 5,500〜8,000 | 落ち着いた住宅街。個人店やカフェが多く人気の高いエリア。 |
高円寺(こうえんじ) | 5,000〜7,500 | 若者文化が色濃いが、住宅地も多くファミリー層にも人気。 |
阿佐ヶ谷(あさがや) | 5,800〜8,200 | 商店街が充実。子育て世代にも住みやすいエリア。 |
久我山(くがやま) | 6,500〜9,000 | 閑静な高級住宅街。京王井の頭線沿線。自然環境も豊か。 |
永福町(えいふくちょう) | 6,000〜8,500 | 駅周辺にスーパー・学校が多く、生活の利便性が高い。 |
※上記価格は土地付き中古住宅の相場であり、物件の築年数や状態により大きく異なります。
※築古の空き家はこれよりも安価になるケースが多いです。
地域別の生活環境と注意点
荻窪エリアの特徴と注意点
荻窪は交通利便性が高く、商業施設も充実したバランスの良いエリアです。大型スーパーやルミネなどの商業施設があり、買い物に困ることはありません。教育施設や病院も揃っており、ファミリー層にも人気があります。
注意点:駅周辺は交通量が多く、騒音や排気ガスが気になることも。また、地価が高いため固定資産税の負担もやや高めになります。
西荻窪エリアの特徴と注意点
西荻窪は個人経営の雑貨屋やカフェが多く、落ち着いた雰囲気が魅力です。住民同士のつながりが深く、地域コミュニティが活発なのも特徴です。
注意点:駅前に大型商業施設が少ないため、日用品の買い出しは他駅に出る必要がある場合も。また、高級住宅街のため不動産価格は比較的高めです。
高円寺エリアの特徴と注意点
高円寺はサブカルチャーの発信地として知られ、若者に人気の活気ある街です。ライブハウスや古着店も多く、にぎやかさを楽しめる方におすすめです。
注意点:夜間も人通りが多く、静かな暮らしを求める人には不向きな面も。商店街は便利ですが、築年数が古い住宅も多いため耐震性の確認は必須です。
阿佐ヶ谷エリアの特徴と注意点
阿佐ヶ谷は子育てファミリーに優しい街で、駅周辺には学校・公園・図書館などが充実しています。「阿佐ヶ谷パールセンター」などの商店街も活発です。
注意点:一部の地域では地盤が弱い場所もあるため、ハザードマップの確認は必須。また、人気エリアゆえに空き家物件は出にくい傾向があります。
久我山エリアの特徴と注意点
久我山は、杉並区の中でも閑静な高級住宅地として知られています。自然豊かで、善福寺川緑地なども近く、落ち着いた生活を求める人におすすめです。
注意点:家の価格が高くなる傾向があり、購入後のリフォーム費用も加味した予算設計が重要です。また、駅周辺以外は店舗が少ないため、車があると便利です。
永福町エリアの特徴と注意点
永福町は住みやすさの穴場と呼ばれるエリアで、井の頭線で渋谷や吉祥寺へもアクセス良好です。駅前にはスーパーやクリニックがあり、生活に便利です。
注意点:狭い路地が多いため、車での移動に不便を感じる場合があります。また、物件によっては土地が変形しているなどの法規制上の確認が必要です。
地域選びで失敗しないためのポイント
杉並区内で空き家の購入・売却を検討する際には、以下の点に注意しましょう。
- 地盤や災害リスクはハザードマップで確認
- 駅からの距離、周辺の買い物施設・学校などの生活利便性をチェック
- 物件がある地域の将来的な資産価値を意識する
- リフォーム・再建築可否など、法規制の確認も忘れずに
杉並区は多様な顔を持つエリアがそろっているため、空き家の購入・売却においてもエリア選定が資産価値や生活の質を左右する重要なポイントになります。しっかり情報収集した上で、専門家や相談窓口を活用しましょう。
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まとめ
杉並区で空き家の売却や購入を検討している方にとって、まず知っておくべきことは、「杉並区には2025年4月現在、空き家バンク制度が存在しない」という点です。空き家バンクとは、自治体が空き家情報を集めて購入希望者とマッチングする仕組みですが、杉並区ではそれに代わる支援として、相談窓口や専門家による無料相談、補助制度が整備されています。
空き家を売りたい方には、「不動産会社への仲介依頼」や「買取業者への売却」が現実的な手段です。高額で売却するには、家の印象をよくするためのリフォームや、インスペクション(住宅診断)を事前に行うと有利です。さらに、杉並区が設けている「空家等利活用相談窓口」や「空家等総合無料相談」を活用することで、専門的なアドバイスが無料で受けられ、売却計画をスムーズに進めることができます。
一方で、空き家を買いたい方には、不動産サイトや地元の不動産会社を活用するのが一般的ですが、杉並区の相談窓口でも空き家の活用に関する案内を受けることが可能です。特に、古い空き家を購入してリノベーションや建て替えを考えている方には、区が提供する「老朽危険空家除却費用の助成制度」が大きな助けになります。これは老朽化した空き家を除却する際の費用を一部助成してくれる制度で、購入後の初期費用負担を軽減できます。
つまり、杉並区で空き家を売りたい人も買いたい人も、まずは自治体の相談窓口に問い合わせ、現状に合った支援制度を活用することが非常に重要です。初めての方でも相談しやすい体制が整っており、売却・購入のハードルを下げるための仕組みがしっかりと用意されています。
空き家の活用は、単なる不動産の取引だけでなく、地域の空き家問題の解消や資産の有効活用にもつながります。この記事をきっかけに、まずは一歩踏み出して、杉並区での空き家活用を前向きに進めてみてください。
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