離島の空き家に住む？メリット・デメリットとおすすめの探し方

「離島の空き家に住んでみたい」と考えたことはありませんか？

静かな環境でのびのびと暮らしたい、都会の喧騒から離れて自然と共に生きたい――そんな思いを抱く人が増えています。最近では、離島への移住を支援する制度や空き家バンクを活用して、比較的安価に住居を手に入れることも可能になっています。

しかし、離島暮らしには魅力だけでなく、いくつかの注意点もあります。
例えば、「生活に必要なインフラは整っているのか？」「仕事はどうするのか？」といった課題をしっかり把握しておくことが重要です。そこで、本記事では以下のポイントを詳しく解説します。

離島の空き家に住むメリット
- 低コストで広い家に住める
- 豊かな自然とスローライフ
- 自治体の移住支援制度が充実している
離島の空き家に住むデメリット
- アクセスが不便で、移動手段が限られる
- 仕事の選択肢が少なく、事前の計画が必要
- 住宅の維持管理が大変で、修繕コストがかかる
離島の空き家の探し方
- 空き家バンクやマッチングサイトの活用
- 自治体の移住支援ページの確認
- 物件を選ぶ際のポイント
離島の空き家を選ぶ際の重要チェックリスト
- 交通の利便性
- 生活インフラの整備状況
- 地域の住環境とコミュニティ
- リフォーム費用の見積もり

離島暮らしは、事前の情報収集と計画次第で快適な生活を実現できます。 この記事を参考に、理想の空き家探しを始めてみましょう。

離島の空き家に住むメリット
離島の空き家に住むデメリット
離島の空き家の探し方
離島の空き家を選ぶときのポイント
まとめ

離島の空き家に住むメリット

離島の空き家に住むことには、多くの魅力があります。都会の喧騒を離れ、自然に囲まれた生活を送ることで、心身ともに豊かな暮らしを実現できるかもしれません。ここでは、離島の空き家に住むメリットを詳しく紹介します。

低コストで広い家に住める

離島の不動産価格は、都市部に比べて非常に低価格です。特に空き家は、長年使われていなかったために相場よりも格安で手に入ることが多く、リフォームを前提にすれば費用を抑えつつ理想の住まいを手に入れることができます。

都市部との住宅価格比較（例）

地域	住宅の種類	価格帯（購入）	賃貸（月額）
東京23区	マンション	3,000万円～1億円	10万円～30万円
地方都市	一戸建て	1,500万円～5,000万円	5万円～15万円
離島（例：五島）	空き家	100万円～1,000万円	3万円～7万円

また、自治体によっては空き家リフォーム補助や移住者向けの助成金を用意していることもあります。これを活用すれば、さらにコストを抑えることが可能です。

豊かな自然とスローライフ

離島ならではの魅力として、手つかずの自然に囲まれた生活を楽しめる点が挙げられます。

自然に囲まれた暮らしの魅力

海や山の景色を独り占めできる
空気がきれいで、都会のような大気汚染が少ない
満点の星空を毎晩眺められる
釣り・登山・キャンプなどのアクティビティが日常に溶け込む

また、自然と共に生きることで、心の余裕が生まれ、ストレスが軽減されるというメリットもあります。特にリモートワークが可能な職種の人にとっては、心身の健康を維持しながら仕事に集中できる環境といえるでしょう。

自治体の支援が充実

離島の多くは人口減少が深刻な問題となっており、自治体は移住者を積極的に受け入れる施策を打ち出しています。特に、以下のような支援制度を活用することで、経済的な負担を軽減できます。

代表的な支援制度

支援内容	概要	例
空き家リフォーム補助	空き家を購入・改修する際の補助金制度	50万円～200万円の補助
移住支援金	移住者に対して生活資金を支給	最大100万円
家賃補助	賃貸住宅の家賃を補助	月額1万円～3万円の支援
起業支援金	離島で起業する人向けの助成金	50万円～300万円の補助

これらの支援は自治体ごとに異なるため、事前に移住を希望する地域の情報を調べることが重要です。

コミュニティの温かさ

離島は、都市部と比べて住民同士の結びつきが強いのが特徴です。移住者に対して温かく迎え入れてくれる地域も多く、都会では味わえない「地域社会の一員」としての充実感を得られます。

離島の人間関係の特徴

顔見知りが多く、助け合いの文化が根付いている
移住者を歓迎し、地域行事に誘ってくれることも多い
困ったときに相談できる相手ができやすい

ただし、地域によっては昔ながらのルールが根付いているため、移住前に地域の文化や価値観を理解することが大切です。

離島の空き家に住むことは、低コストで理想の住まいを手に入れられるだけでなく、豊かな自然の中でスローライフを送れるという大きな魅力があります。また、自治体の支援や温かいコミュニティの存在も、離島暮らしを快適にする要素の一つです。

次の章では、離島の空き家に住む際に注意すべきデメリットについて詳しく解説します。

離島の空き家に住むデメリット

離島暮らしには魅力がたくさんありますが、都市部とは異なる環境のため、注意すべきポイントも多くあります。ここでは、離島の空き家に住む際に考慮すべきデメリットを詳しく解説します。

アクセスが不便

離島では、本土への移動手段が限られており、日常生活や仕事に影響を与える可能性があります。

1. 交通手段が限られる

離島への主な移動手段はフェリーや小型飛行機ですが、運航本数が少なく、天候の影響を受けやすいのが特徴です。特に冬場は海が荒れるため欠航が発生しやすいので、予定を立てにくくなります。

交通手段	メリット	デメリット
フェリー	運賃が比較的安い / 大型荷物も運べる	運航本数が少ない / 天候による欠航リスクが高い
小型飛行機	移動時間が短い / 主要都市と接続していることが多い	運賃が高い / 天候による欠航リスクがある

2. 緊急時の対応が難しい

病気やケガなどの緊急時に、病院への移動が困難な場合があります。特に、高度な医療設備が必要なケースでは、本土の病院まで搬送が必要になり、時間がかかることもあります。

仕事の選択肢が少ない

離島では都市部と比べて働く場所が限られているため、収入源を確保することが重要です。

1. 求人が少ない

離島の主要な産業は漁業・農業・観光業が中心で、オフィスワークなどの選択肢は限られます。特に、専門職やIT系の仕事を探すのは難しいため、都市部の仕事をリモートで続けられるかを考慮する必要があります。

2. 生活コストとのバランス

離島は物件価格が安いものの、生活必需品の価格が都市部より高い傾向があります。これは、物流コストが加算されるためです。

項目	都市部	離島
ガソリン価格	160円/L	180円〜200円/L
食料品（例：牛乳1L）	200円	250円〜300円

リモートワークをする場合は、インターネット環境が整っているかを確認することも重要です。島によっては光回線が整備されておらず、モバイル回線（4G・5G）のみというケースもあります。

住宅の維持管理が大変

離島の空き家は、長年放置されていたものが多く、リフォームや維持管理に手間と費用がかかることがあります。

1. 気候の影響を受けやすい

離島は潮風や台風の影響を受けやすく、建物の劣化が早いという特徴があります。特に以下のようなトラブルが発生しやすいです。

木造住宅の腐食（湿気が多く、カビやシロアリ被害が出やすい）
屋根や外壁の塩害（塩分を含んだ風で錆びやすくなる）
台風被害のリスク（屋根が飛ばされる、浸水する可能性）

2. リフォーム費用がかさむ

離島の空き家は築年数が古いものが多く、リフォームが必要なケースがほとんどです。特に、水回りや断熱設備が整っていない物件が多いため、予算を見積もることが重要です。

リフォーム項目	費用の目安
屋根の修理	50万円〜150万円
壁や外装の補修	30万円〜80万円
水回りのリフォーム（キッチン・トイレ）	100万円〜300万円
断熱工事	50万円〜200万円

離島ではリフォーム業者の選択肢が少なく、本土の業者に依頼する場合は出張費が追加されるため、事前に確認が必要です。

地域コミュニティの特性

離島は人口が少なく、住民同士の距離が近いため、良くも悪くもコミュニティの影響を受けやすいです。

1. 地域のルールや習慣に適応する必要がある

島ごとに独自の慣習やルールが存在することが多く、移住者はそれに適応する努力が求められます。例えば、以下のようなケースがあります。

ゴミの分別が非常に細かい
地域の行事への参加が必須
近所付き合いが濃密で、プライバシーが少ない

2. よそ者扱いされる可能性も

多くの離島では移住者を歓迎する傾向がありますが、一部では「よそ者」として扱われることもあります。特に、地域のルールを守らなかったり、地域活動に積極的でなかったりすると、馴染みにくくなる可能性があります。

離島の空き家に住むことには多くのメリットがありますが、アクセス・仕事・住宅管理・地域コミュニティの課題を考慮することが重要です。特に、リフォーム費用や日々の生活コスト、緊急時の対応などを事前に把握し、慎重に移住計画を立てることが成功の鍵となります。

次の章では、離島の空き家の探し方について詳しく解説します。

離島の空き家の探し方

離島の空き家を探す方法はいくつかありますが、一般的な不動産サイトよりも空き家バンクや自治体の移住支援ページを活用するのが効果的です。ここでは、具体的な探し方やおすすめのサイトについて詳しく解説します。

空き家バンクやマッチングサイトを活用する

空き家バンクとは、自治体や企業が管理する空き家の情報を集約したプラットフォームのことです。通常の不動産サイトでは取り扱われない物件も多く掲載されており、格安の空き家を見つけるチャンスがあります。

代表的な空き家バンク・マッチングサイト

以下に、離島の空き家を探すのに役立つサイトを紹介します。

サイト名	特徴	URL
HOME’S 空き家バンク	全国の自治体が運営する空き家バンクの情報を一括検索できる。	homes.co.jp
アットホーム空き家	不動産サイト「アットホーム」の空き家専門ページ。離島の物件も多数掲載。	akiya-athome.jp
家いちば	個人間で家の売買ができるサイト。掘り出し物が見つかることも。	ieichiba.com

空き家バンクを利用するメリット・デメリット

メリット

自治体が運営しているため安心感がある
市場価格より安い物件が多い
移住支援制度と併用できることがある

デメリット

築年数が古い物件が多い
リフォームが前提となるケースが多い
人気の物件はすぐに契約が決まる

自治体の移住支援ページをチェックする

自治体ごとに独自の空き家バンクや移住支援制度を用意しているケースもあります。特に人口減少が進んでいる離島では、移住者を積極的に受け入れており、補助金や家賃補助を提供している自治体もあります。

自治体の空き家バンクの例

自治体	支援内容	URL
離島空き家	愛媛県松山市忽那諸島の空き家情報を紹介するサイト	離島の空き家
長崎県五島市	空き家の改修補助金（最大100万円）、引っ越し助成金（最大15万円）	goto.nagasaki.jp
新潟県佐渡市	空き家改修補助（最大120万）、若者移住家賃補助金（最大2万/月）	佐渡市移住定住

物件選びのポイント

実際に離島の空き家を探す際は、以下のポイントを意識しましょう。

1. アクセスの確認

離島は本土への交通手段が限られているため、船や飛行機の運航頻度や欠航リスクをチェックしておく必要があります。通勤や通学の予定がある場合は、特に重要なポイントです。

2. インフラの整備状況

古い空き家の場合、水道・電気・ガス・インターネットの整備状況が十分でないことがあります。リフォーム前提で購入する場合でも、ライフラインの確保ができるかどうかを必ず確認しましょう。

3. 地域の生活環境

スーパーや病院の有無
近隣住民のコミュニティ
学校や保育施設の有無（子育て世帯の場合）

地域によっては、近隣住民との関係が重要になることもあります。事前に実際に訪れて地域の雰囲気を感じておくのがおすすめです。

4. リフォーム費用の見積もり

離島の空き家は築年数が古いものが多く、修繕が必要なケースもあります。リフォーム費用を事前に見積もり、予算内で収まるかどうかをチェックしましょう。

リフォーム項目	費用の目安
水回り（キッチン・風呂・トイレ）	50〜150万円
屋根・外壁補修	30〜100万円
床・壁の張替え	20〜80万円
断熱・耐震補強	50〜200万円

リフォーム費用は物件の状態によって大きく異なります。自治体によっては、リフォーム補助金が利用できる場合もあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。

離島の空き家を探すなら、空き家バンクや自治体の移住支援サイトを活用するのが最適。
物件選びでは、アクセス・インフラ・地域の生活環境・リフォーム費用をしっかり確認する。
移住支援制度を活用すれば、住宅取得費用やリフォーム費用の負担を軽減できる。

離島への移住を成功させるためには、慎重なリサーチと現地視察が重要です。まずは、気になる自治体や空き家バンクのサイトをチェックし、自分に合った物件を探してみましょう。

離島の空き家を選ぶときのポイント

離島の空き家は安く手に入ることが多いですが、選び方を間違えると修繕費用がかさんだり、生活が不便になったりすることがあります。ここでは、失敗しないためのチェックポイントを解説します。

アクセスを確認

離島は本土と比べて交通手段が限られています。選ぶ前に以下の点を確認しましょう。

本土までの移動手段：フェリー、飛行機、高速船の有無と運行頻度
天候による影響：悪天候での欠航リスク（冬季に欠航が多い地域もある）
交通費の負担：本土までの往復費用と移動時間

離島ごとの主な交通手段と運賃の目安

離島名	主な交通手段	本土までの運賃（片道）	移動時間
五島列島	飛行機・フェリー	3,000～20,000	0.5～3時間
佐渡島	フェリー・高速船	約2,000円～5,000円	1～2時間
忽那諸島	フェリー	1,000円前後	1時間前後

交通の便が悪いと、生活必需品の購入や緊急時の移動に支障をきたすことがあります。定期的な買い物や医療機関へのアクセスも考慮して選びましょう。

インフラを調査

離島では、本土と比べて生活インフラが整っていないことがあります。特に以下の点を事前に確認してください。

水道・電気・ガスの供給状況
- 水道が通っていない地域では井戸水を使用する必要がある
- 電力会社が離島独自の供給を行っている場合、停電時の復旧が遅れることがある
- ガスは都市ガスではなくプロパンガスが主流であることが多い
インターネット環境
- 光回線が通っているか、モバイル回線でカバーできるか
- リモートワークを考えている場合、通信速度や安定性も重要
医療機関の有無
- 近隣に病院や診療所があるか
- 救急時の対応（ドクターヘリや海上搬送の体制）

例えば、小笠原諸島のように最寄りの本土まで24時間かかる地域では、医療面でのリスクも考慮する必要があります。

地域の生活環境をリサーチ

空き家の価格だけでなく、実際に住みやすい環境かどうかも重要なポイントです。

住環境のチェックリスト

スーパーや商店が近くにあるか
学校・保育園の有無（子育て世帯の場合）
地域のコミュニティに馴染みやすいか
台風や高潮などの自然災害リスク

また、事前に短期間滞在してみるのもおすすめです。自治体によっては、お試し移住制度を設けている場合もあります。

リフォーム費用を見積もる

離島の空き家は築年数が古く、リフォームが必要な物件が多いです。特に潮風の影響で劣化しやすいため、補修費用を考慮して物件を選びましょう。

一般的なリフォーム費用の目安

リフォーム内容	費用の目安
屋根の補修	50万～150万円
外壁の修繕	30万～100万円
水回り（キッチン・風呂・トイレ）	50万～200万円
シロアリ対策	10万～50万円