さいたま市においても、全国的な傾向と同様に空き家の増加が社会問題となっています。少子高齢化や人口移動、相続問題などを背景に、使用されなくなった住宅が点在し、地域の景観や安全性にも影響を与えています。
2018年の住宅・土地統計調査によると、さいたま市の空き家率は約10%程度とされており、決して低くない数字です(とはいえ、全国平均の13.6%と比較すると低い水準です)。これらの空き家は、適切に管理・活用されなければ、老朽化による倒壊リスクや防犯上の問題を引き起こす可能性があります。
一方で、空き家は新たな可能性を秘めた貴重な地域資源でもあります。適切に活用することで、住宅不足の解消やコミュニティの活性化、資産価値の維持向上につながることも期待できます。
本記事では、さいたま市の空き家に関して、「売りたい」「買いたい」双方の視点から有益な情報を提供します。具体的には:
- 空き家所有者向けの売却方法や相談窓口
- 購入希望者向けの物件探しのコツや助成制度
- さいたま市特有の支援制度や注意点
といった情報を、初めて空き家の売買に関わる方にもわかりやすく解説していきます。
さいたま市は10区からなる政令指定都市であり、地域によって住環境や不動産市場の特性が異なります。大宮区や浦和区などの都心部は交通利便性が高く人気がある一方、岩槻区や西区などは自然環境に恵まれた住環境が魅力となっています。このような地域特性も念頭に置きながら、最適な空き家活用の方法を探っていきましょう。
さいたま市に住む際の注意点として、水害リスクにも留意が必要です。荒川や見沼田んぼ周辺など、一部地域では浸水ハザードマップで警戒区域に指定されている場所があります。空き家の購入を検討する際には、こうした災害リスクも含めた総合的な判断が重要となります。
この記事を通じて、空き家の問題を「負担」から「機会」へと転換するための一助となれば幸いです。さいたま市の空き家対策は、所有者、購入希望者、そして行政が連携することで、より効果的に進められます。それぞれの立場で活用できる制度やサービスを理解し、最適な選択をしていきましょう。
さいたま市の空き家所有者向け情報

さいたま市で空き家を所有されている方向けに、売却方法や活用方法についてご案内します。近年、空き家問題は全国的な課題となっていますが、適切な対応によって資産価値を最大化し、地域社会にも貢献することができます。
空き家を売却する方法
空き家の売却には主に以下の3つの方法があります。それぞれにメリット・デメリットがありますので、ご自身の状況に合わせて選択しましょう。
1. 不動産会社への依頼
最も一般的な方法は、不動産会社に仲介を依頼することです。不動産の専門家が適正価格の査定から購入希望者との交渉まで代行してくれます。
メリット:
- 専門知識を持つプロが対応してくれる
- 広告宣伝や内覧対応を代行してくれる
- 契約書類の作成や法的手続きをサポートしてくれる
デメリット:
- 仲介手数料が発生する(売買価格の3%+6万円+消費税が一般的)
- 複数の業者と契約すると対応が煩雑になる場合がある
売買価格 | 仲介手数料(税抜) | 消費税(10%) | 合計 |
---|---|---|---|
1,000万円 | 36万円 | 3.6万円 | 39.6万円 |
2,000万円 | 66万円 | 6.6万円 | 72.6万円 |
3,000万円 | 96万円 | 9.6万円 | 105.6万円 |
2. 個人売買
買主を自分で見つけて直接売買する方法です。知人やSNS、個人売買サイトなどを活用します。
メリット:
- 仲介手数料がかからない
- 売買条件を柔軟に設定できる
デメリット:
- 適正価格の設定が難しい
- 購入希望者の信頼性確認が必要
- 契約書の準備や法的手続きを自分で行う必要がある
- トラブル発生時の対応が難しい
3. オークション・入札
不動産オークションや入札方式で売却する方法です。近年はインターネットを通じた不動産オークションサイトも増えています。
メリット:
- 短期間での売却が可能
- 市場原理で価格が決まる
- 複数の購入希望者が競り合うため、高値が期待できる場合がある
デメリット:
- 出品手数料や成約手数料がかかる場合がある
- 最低落札価格を下回ると売却できない
- 一般的な個人には馴染みが薄い
さいたま市での空き家対策サポート
さいたま市では空き家所有者向けに下記のようなサポートを行っています。ただ、ほかの自治体と比較すると空き家が全国平均よりも割合として低いからか補助やサポート体制は少し弱めです。
さいたま市空き家ワンストップ相談窓口の活用方法
さいたま市では、空き家の管理や活用、売却などについて相談できる空き家ワンストップ相談窓口を設置しています。専門知識を持つ相談員が対応してくれるため、空き家に関する悩みを気軽に相談できます。
相談窓口は複数あるので、自分が良いと思った相談窓口に問い合わせするようにしましょう(さいたま市空き家ワンストップ相談窓口)。
注意点:さいたま市独自の空き家バンクは設置されていない
多くの自治体では「空き家バンク」と呼ばれる、空き家の売買・賃貸情報を提供するシステムを運営していますが、さいたま市独自の空き家バンクは現在設置されていません。
空き家の高値売却のコツ
空き家を少しでも高く売却するためのポイントをご紹介します。
適切な価格設定
空き家の価格設定は売却成功の鍵です。複数の不動産会社から査定を受けることをおすすめします。
価格設定のポイント:
- 周辺の類似物件の取引価格を調査する
- 建物の状態や築年数を考慮する
- 立地条件(駅からの距離、周辺環境など)を客観的に評価する
- 最初から高すぎる価格設定は避ける(売却期間が長引くと価格が下がりやすい)
物件の整理・清掃
内部に物が多く残っていたり、汚れていたりすると印象が悪くなります。売却前に徹底的な整理・清掃を行いましょう。
整理・清掃のポイント:
- 不用品は処分し、スッキリとした印象にする
- 庭や外構の手入れを行う
- 水回りは特に念入りに清掃する
- カビやホコリを取り除き、換気を行う
リフォームの検討(費用対効果)
全面的なリフォームは費用対効果が低い場合もありますが、部分的な修繕や補修は売却価格を上げる効果があります。
リフォーム内容 | 費用の目安 | 価格上昇効果 | 費用対効果 |
---|---|---|---|
内装クリーニング | 5~10万円 | 高い | 非常に高い |
外壁塗装 | 100~150万円 | 中程度 | 場合による |
水回り交換 | 50~100万円 | 中程度 | 場合による |
耐震補強 | 100~200万円 | 条件次第 | 助成金あり |
魅力的な物件紹介文・写真の準備
実際に物件を見に来てもらうためには、魅力的な写真と説明文が重要です。プロのカメラマンに依頼することも検討しましょう。
写真撮影のポイント:
- 部屋は明るい日中に撮影する
- 広角レンズを使用して広く見せる
- 各部屋の特徴が分かる角度で撮影する
- 外観や周辺環境も含める
物件紹介文のポイント:
- 最寄り駅からのアクセスや周辺施設を具体的に記載
- 建物の特徴やメリットを強調
- リフォーム履歴や設備の更新状況を記載
- 地域の魅力や生活環境についても触れる
さいたま市に空き家を所有する際の注意点
さいたま市で空き家を所有する際には、いくつかの重要な注意点があります。
空き家の適切な管理義務
空家等対策特別措置法により、所有者には空き家を適切に管理する義務があります。管理が不十分な場合、「特定空家等」に認定され、最終的には行政代執行による強制的な解体などの措置がとられる可能性があります。
適切な管理の例:
- 定期的な換気と清掃
- 庭木の剪定や雑草の除去
- 破損箇所の修繕
- 不法侵入防止対策
固定資産税の住宅用地特例の解除
空き家のままで放置していると、固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなる場合があります。これにより税負担が大幅に増加する可能性があります。
土地の区分 | 住宅用地特例あり | 特例なし | 増加率 |
---|---|---|---|
小規模住宅用地(200㎡以下) | 評価額×1/6 | 評価額×1 | 約6倍 |
一般住宅用地(200㎡超) | 評価額×1/3 | 評価額×1 | 約3倍 |
防犯・防災上のリスク
空き家は防犯・防災上のリスクを抱えています。放火や不法侵入の対象になりやすく、近隣住民とのトラブルの原因にもなりかねません。
リスク軽減策:
- 防犯カメラや警報装置の設置
- 定期的な見回り(自分で行えない場合は管理サービスの利用)
- 近隣住民への連絡先の提供
- 火災保険・家財保険の継続
空き家を所有しているだけでも様々な責任やコストが発生します。売却や活用を検討する際には、これらのリスクも考慮して判断することをおすすめします。
さいたま市の空き家を購入希望者向け情報

さいたま市で空き家の購入をお考えの方に向けて、物件の探し方から助成金制度、購入時の注意点まで詳しくご紹介します。空き家は適切に選べば通常の中古住宅より安価に購入できる可能性があり、自分好みにリノベーションできる魅力もあります。
さいたま市の空き家を探す方法
さいたま市内の空き家を効率的に探すには、複数の方法を組み合わせることが効果的です。
1. 不動産サイト・不動産会社の活用
大手不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME’S、アットホームなど)で「さいたま市」「中古住宅」などのキーワードで検索すると、多くの物件情報を一度に閲覧できます。また、「再建築不可」「要リフォーム」などの条件で絞り込むと空き家に近い物件が見つかりやすくなります。
地元の不動産会社に直接相談するのも効果的です。特に空き家専門の取扱いがある不動産会社は、公開されていない物件情報を持っていることもあります。
2. 埼玉県空き家バンクの利用
さいたま市独自の空き家バンクは設置されていませんが、埼玉県の空き家バンクを利用することができます。
埼玉県空き家バンクのウェブサイトにアクセスして、さいたま市内の物件を探してみましょう。登録には無料の会員登録が必要です。
3. 地域情報誌・掲示板のチェック
地域密着型の情報誌や町内会の掲示板なども、空き家情報を得る良い手段です。特に高齢者が所有する空き家は、インターネット上に情報が出回る前に地域内で売買されることもあります。さいたま市内の各区の市民センターや図書館などにも情報が掲示されていることがありますので、定期的にチェックすることをおすすめします。
購入後の助成金・支援制度
さいたま市では、空き家購入後のリノベーションや建て替えに活用できる助成金制度があります。計画的に利用することで、大幅なコスト削減につながります。
耐震補強等助成事業(戸建住宅の建替え工事)
この制度は、耐震性が不足する住宅を除却し、新たに住宅を建築する場合に費用の一部を助成するものです。空き家購入後の建て替えにも適用可能です。令和7年度は4月1日から受付を開始します。
対象となる建築物:
- 申請者が自ら居住する戸建て住宅(2戸の長屋で親族のみで居住する2世帯住宅を含む)
- 昭和56年5月31日以前に着工・建築された市内の戸建て住宅
- 耐震診断の結果、「倒壊する可能性が高い」と診断されたもの
- 木造住宅:構造耐震指標(Iw値)が0.7未満相当
- 木造以外の構造:構造耐震指標(Is値)が0.3未満相当
助成対象者:
- 当該建築物を所有している方または所有者の2親等以内の親族
- 建物に申請者以外の所有者がいる場合は、全員が建替え工事を実施することについて承諾していること
助成金額と限度額:
項目 | 内容 |
---|---|
助成金額 | 建替え工事に要した費用の23%(千円未満切捨て) |
費用の上限 | 除却する住宅の延べ面積×34,100円/㎡まで |
助成限度額 | 60万円/棟 |
※耐震補強設計の助成を受けた場合は、その金額を差し引いた額となります。
対象となる建替え工事の条件:
- 建替え工事の結果、地震に対して安全な構造となること
- 申請対象の戸建て住宅を除却し、同一敷地内に新たに戸建て住宅に建て替えること
- 建替え後の建築物が土砂災害特別警戒区域外であること
- 建替え後の建築物が省エネ基準に適合していること
注意事項:
- 必ず工事着手前に申請し、交付決定を受ける必要があります
- 原則、申請した年度の1月31日までに実績報告を提出する必要があります
- 国庫補助を財源とする他の補助金との併用はできません
- 道路事業などの公共事業により補償費などを受ける場合も併用できません
申請先: さいたま市役所 建設局 建築部 建築総務課 企画係
- 電話番号: 048-829-1539
詳細については、さいたま市の公式ウェブサイトで確認するか、直接問い合わせることをお勧めします。予算を超えた場合は助成金の交付ができなくなりますので、お早めに申請しましょう。
空き家購入時の注意点
空き家購入には通常の不動産取引以上に注意が必要です。以下のポイントを押さえておきましょう。
1. 物件調査のポイント
空き家は長期間放置されていることが多いため、**建物調査(ホームインスペクション)**を実施することを強くおすすめします。特に以下の点に注意が必要です:
- 雨漏りや水漏れによる構造体の腐食
- シロアリ被害の有無
- 基礎の亀裂や沈下
- 設備(給排水、電気、ガス)の劣化状況
- 周辺環境(日当たり、騒音、治安)
2. 隠れた修繕費用の見積もり
空き家の購入価格は安くても、修繕やリフォームに多額の費用がかかることがあります。以下は一般的な修繕項目と概算費用です:
修繕項目 | 概算費用(万円) | 備考 |
---|---|---|
屋根の葺き替え | 100〜300 | 面積や素材により大きく変動 |
外壁塗装・補修 | 100〜200 | 下地補修が必要な場合は増額 |
給排水管の交換 | 50〜150 | 配管の状態により変動 |
内装のリフォーム | 100〜500 | 範囲や素材のグレードにより変動 |
シロアリ駆除 | 20〜50 | 被害範囲により変動 |
設備交換(キッチン、浴室など) | 100〜300 | 設備のグレードにより変動 |
購入前に必ず専門家による調査と見積もりを取り、総費用(購入価格+修繕費)が予算内に収まるかを確認しましょう。
3. 法的手続きと税金
空き家を購入する際には、通常の不動産取引と同様の法的手続きが必要です。加えて、空き家特有の確認事項もあります:
- 所有権の確認: 相続が発生している場合、相続人全員の同意が必要です
- 境界の確認: 隣地との境界が不明確な場合、測量が必要になることも
- 固定資産税: 空き家を購入した翌年から課税されます
- 都市計画税: 市街化区域内の物件には別途課税されます
さいたま市内で空き家を購入する際の地域特有の注意点としては、ハザードマップの確認が重要です。さいたま市内には荒川や見沼田んぼ周辺など浸水リスクの高い地域があります。購入前に必ずさいたま市のハザードマップで確認しましょう。
また、さいたま市では一部地域で地盤の弱い場所があります。特に旧河川敷や湿地帯を埋め立てた地域では、地盤沈下や液状化のリスクがあるため、地盤調査も重要です。
空き家購入は適切な調査と計画があれば、理想の住まいを手に入れる素晴らしい機会になります。さいたま市の制度を活用しながら、慎重に進めていきましょう。
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まとめ:さいたま市の空き家活用ガイド
本記事では、さいたま市における空き家の売却・購入に関する情報を総合的にご紹介しました。空き家所有者の方は、不動産会社への依頼や個人売買など複数の売却方法があり、さいたま市空き家ワンストップ相談窓口を活用することで専門的なアドバイスを受けられます。独自の空き家バンクは設置されていませんが、埼玉県の空き家バンクを利用することが可能です。
一方、購入希望者は不動産サイトや埼玉県空き家バンクを通じて物件を探すことができます。さらに、購入後は耐震補強等助成事業などの支援制度を活用できる可能性があり、建替え工事に対する助成金を受けることができます。
空き家の取引においては、適切な市場価値の把握や物件調査、隠れた修繕費用の見積もりが重要です。どちらの立場であっても、さいたま市の空き家ワンストップ相談窓口を利用して、専門家の意見を聞くことをお勧めします。
空き家の適切な管理・活用は、個人の資産価値を高めるだけでなく、地域コミュニティの活性化にもつながります。この記事が、さいたま市の空き家に関わる皆様の一助となれば幸いです。
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